葦原明倫館へ

空京大学

校長室

天御柱学院へ

秋葉原四十八星華討ち入り

リアクション公開中!

秋葉原四十八星華討ち入り

リアクション



「シナリオガイドのおさらいという名の再放送と一緒に、今回のシナリオの話するざんす!」


百合園女学院がある湖の町、ヴァイシャリーは、
東シャンバラの首都として、エリュシオンの領事館なども存在する。

「ちなみにこれは、東西統一前の話ざんす!」

東シャンバラ代王、セレスティアーナ・アジュア(せれすてぃあーな・あじゅあ)が、
外交のため、エリュシオン領事の一人、
龍騎士キラコーズ・ケノスの領事館に訪れた時、
その事件は起こったのである。

「ケノスっておいしそうじゃた。ケバブみたいじゃた」

キラコーズは、脂ぎった中年のオッサンだったが、
初対面でいきなり、
セレスティアーナに歩み寄って言った。

「これはこれは東シャンバラ代王殿。
本日のブラジャーの色は何色で?」

(セクハラだッ!
しかもあんなダイレクトな!)

同行していた百合園女学院校長桜井 静香(さくらい・しずか)は、顔面蒼白になった。

「ブラジャー? なんだそれは」
しかし、セレスティアーナは平然として言う。

「む? つけていらっしゃらないので?」

「セレスティアーナ様は、高貴なご身分。着替えもご自分ではなさらないのですわ」

ラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)が、慌ててフォローするが。

「いや、着替えは自分でするぞ……もごっ!?」

「そ、そんなことより、会議をしましょう!」

静香は、無理やりセレスティアーナの口をふさいだのだった。


★☆★



その日に行われる会談は無事すんだのだが。
 
「セレスティアーナはブラジャーつけてない疑惑」


として、この件は波紋を呼ぶことになったのである。

なお、実際にセレスティアーナに確認したわけではないので、
「ブラジャーと言う単語を知らなかった」のか、
「本当につけてない」のかは不明なままである。

その噂はシャンバラにあっというまに広まった。
天然なセレスティアーナは、噂の内容を知らないのだが。


「ああ、僕がもっとちゃんとなんとかしていれば……」
「過ぎたことはしかたありませんわよ、静香さん」


★☆★



「ミーのマブダチをバカにしやがって、許さないざんす!」

イルミンスール魔法学校校長室で、
エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)に話を聞いた
ザンスカールの森の精 ざんすか(ざんすかーるのもりのせい・ざんすか)は、ブチ切れていた。

ザンスカールのスフィアを持つセレスティアーナのおかげで、
世界樹イルミンスールが浮上した際も、
ザンスカールは無事であった。
そのため、ざんすかはセレスティアーナに恩義を感じているのである。

「実際にシャンバラがナメられてるのは事実ですぅ。
わたしも同感ですぅ!」

エリザベートも言う。

「しかしな、エリュシオン……というより、
ヴァイシャリー駐在の領事と表だって事をかまえるのはまずかろう。
下手に私達が介入すれば、
東シャンバラと政治的な問題に……ガフッ!?」

「ゴチャゴチャうるさいざんす!」

ざんすかは、ジャーマンスープレックスで
魔女アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)を殺して黙らせた。

「それなら、僕に考えがある」
ツァンダの町の精 つぁんだ(つぁんだのまちのせい・つぁんだ)が進み出て言った。

「こんなこともあろうかと、アイドルグループを結成させておいたんだ。
アイドルグループ……すなわち、秋葉原四十八星華の実力は、
さまざまな事件に関わった時に実証済み!

その戦闘能力を生かして、
キラコーズ・ケノス邸に討ち入りさせるんだ!

どうせ汚職とか賄賂とかいろいろ悪事を働いてそうな人物だし、
いろいろ後で理由をでっち上げて
エリュシオンにとっての重罪人として仕立てあげてしまえば問題なし!

あとは、
『秋葉原四十八星華が勝手にやったことなので、
政治的な意図はありません』
とか言えば、きっと問題ないはずだ!」

「つぁんだ、頭いいざんす!
じゃたも一緒に秋葉原四十八星華と討ち入りするざんす!
あとで、ザンスカールで採れた木の実を食べさせてやるざんす!」

「がるるるるじゃた」

ざんすかは、普段は温厚なジャタの森の精、じゃたが、
冬眠に入っていたのを叩き起こして連れて行った。
じゃたは空腹時には暴走するのである。

「ふふふ、こうして、少しずつ実績を上げて、
僕とツァンダの町を、代王達やアムリアナ様達に、
取り立ててもらうんだ!」

こうして、つぁんだも、雪のヴァイシャリーの町に討ち入りに向かったのである。


★☆★



「くくく、こうなることはわかっていたのだ」
キラコーズ・ケノスは、屋敷の自室でほくそ笑んだ。

「私は吉良上野介義央(きら・こうずけのすけ・よしひさ)の英霊なのだ。
そして、秋葉原四十八星華は、どうやら赤穂浪士四十七士の転生らしい。
ていうか、どうせ転生に決まってるからぶっ殺す!」

キラコーズは勝手に、秋葉原四十八星華のことを敵対視していたのである。

「龍騎士となり、神となったこの身で、今度は返り討ちにしてやる!
だから秋葉原四十八星華をおびき出すため、
セレスティアーナに嫌がらせしてやったのだ!
今回、もし来なければ、何度でもセクハラしてやるぞ!
わはははははははは!」

秋葉原四十八星華の「時空を超えた因縁っぽいもの」の決着と、
セレスティアーナの貞操は、学生達の手にかかっているのである。


★☆★



「っていうわけで、皆で討ち入りすることにしたざんすが……」
「どうしたんだよ、ざんすか」
「シナリオの参加人数が46人ざんす!
つまり、赤穂浪士四十七士にも秋葉原四十八星華にも足りてないざんす!」
「ほ、本当だ!」
「つぁんだが、問題が起こったら『秋葉原四十八星華のせいにする』とか言ったせいざんす!」
「なんだとー!? ざんすかだってノリノリだったじゃないか!
こんなに集まってくれただけでも感謝しろよ!」
「ゴチャゴチャうるさいざんす! この怒りをどこかでぶちまけないと気がすまないざんす!」
「だったら討ち入りで……ちょ、待、やめ、ぎゃああああああ!?」
「がるるるるるじゃた」
「げっ、じゃた、噛むならつぁんだにするざんす!」
「うわー、じゃたが見境なく襲ってくる!」
「がぶがぶがぶがぶじゃた」
「うわー」
「ぎゃあああ」


秋葉原四十八星華の「時空を超えた因縁っぽいもの」の決着と、
セレスティアーナの貞操は、学生達の手にかかっているのである。