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お風呂ライフ

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エピローグ
 その後、新たに発見されたセレンフィリティの湯は、スパリゾートアトラス屈指の人気温泉となった。近くには巨猿達が入る天然温泉もあり、自然と動物ウォッチングをも楽しめるとあって、日々賑わっている。
 何より「エリュシオン帝国のアスコルド大帝が入浴した」という噂が決め手となったのかもしれない。帝国は事実関係を否定したものの、実際危篤状態であったアスコルド大帝が、多少は持ち直したという報道があることも事実なのであった。

 シャンバラ女王アイシャ・シュヴァーラ(あいしゃ・しゅう゛ぁーら)はアスコルド大帝の精神に話かけていた。
「容態はいかがですか?」
「幾ばくかの猶予を与えられた、といったところか」
「では、やはりまだ……」
「くだらん感傷はよすのだ。シャンバラの女王よ。形有るものはいずれ滅びるのが運命。それだけのことだ」
「……ですが、貴方が少しでも回復された事は喜ばしいことです」
「幸運にも、我の臣下にシャンバラの民と文化に通じている者がいたのだ。今回の事の褒美に、帝国の執務官に昇進させてやったので、暫しそちらに行く事はないだろうが……ゴホッ、ゴホッ」

 そこで、アスコルドの精神は消える。
 前帝ルドミラが現実世界にて寝床に伏せるアスコルドを見ている。
「大帝、無理をしてはいけません」
「シャンバラの女王に挨拶をしたまでだ。ルドミラ」
 アスコルドはそう言うと、目を閉じる。
「……シャンバラに借りが出来たな」
「え?」
「帝国のセルシウスが関わっていたとはいえ、あの温泉で我が身体が持ち直した。これは借りというのだろう」
 アスコルドは苦笑する。
「しかし、セルシウスめ。我が執務官にしてやった時、シャンバラに行けなくなるのが嫌で辞退を申し出たと聞いたが……」
「大帝? セルシウスにこのままシャンバラの文化や技術を偵察させてもよいかと」
「あの者はエリュシオン帝国の人間だ。このままシャンバラの文化に浸っていてはそちらの人間になってしまう。だからこそ、一旦エリュシオンの文化、政治、経済の全てを学ばせる。再び野に放つのはその後でよい……」
 そこまで語ってアスコルドは目を閉じる。
「ひょっとすると……」
「はい?」
「若者達による新たな時代の幕開けが近いのかもしれんな……」
 アスコルドは、満足そうな笑みを浮かべ、そう呟いた。

 こうして、セルシウスは出世と共にエリュシオン帝国から脱出不可の身となってしまった。ダリルと連絡を取り合っていたスマートフォンも、スパイ疑惑をかけられそうになったため没収されたらしい。
 また、一説によると、どこかの温泉調査中に足を滑らして行方不明となった、との話もあるが……きっと、彼のことである。
 いつか、上手く抜け出して、ひょっこり戻ってくるのだろう。
 愛用のトーガを身につけて……。

(終わり)

担当マスターより

▼担当マスター

深池豪

▼マスターコメント

 毎度、お待たせしてしまい本当に申し訳ない気分の深池豪です。今回は何やらお話から漂う熱気にもやられ、若干ノボセたままこれを書いています。
 毎回「抑えろよ、抑えろよ」と言い聞かせながら執筆しているのですが、どうやらまた自己最高の執筆量になったようです。ごめんなさい!

 さて、今回のお話しはスパリゾートアトラスを舞台に、温泉やらノゾキやらフルーツ牛乳やらおっぱいやらおっぱい……というお話でした。
 数名の方から「セルシウスで風呂って……」というご指摘を頂きましたが、はて……(笑)?
 しかし、思った以上に苦労したのが、風呂シーンの描写の難しさです。中々、伝わり難いものがありますね。やはり実際に温泉は入ってみないとわからないなぁと実感しました。
 と。ここで恒例のアクションの説明を少し致します。
 「アクションは目一杯書いて下さい!」
 ……以上です(笑) 勿論、お忙しい、等の理由はあるかとおもいますが、やはり目一杯書いて頂いたほうがイメージが掴みやすいです。描写量が多い方は、大体マキシマムにアクションをかけておられる方になります。
 また、私の不得意なものに『エロスなもの』がございます。『混浴』というのを敢えてガイドに登場させなかったのも、それ一辺倒になるのを避けるためなのと、どうしてもエロスは人を狂わせますのでキャラ崩壊しやすくなります。
 なるたけ、少年誌程度のエロスにとどめましょう。

 と、ここで、少しお知らせです。
 私生活の方が春に入ってから慌ただしく、本当に執筆時間が取れなくなってきたため、今回で一旦蒼空のフロンティアを離れさせて頂きます。
 毎回リアクション公開を延長する、というのは、運営様や、アクションの期限をキッチリ守って提出して頂いている皆様に対して私自身が非常に申し訳なく思うからです。
 次回、私がいつ戻ってくるのかはわかりません。多分、セルシウスの方が早いと思います。

 今回の称号は、なるたけ多くの方に付けさせて頂きました。付いてないよ、と言う方は、私がいいネーミングが浮かばなかっただけです。ごめんなさい……。
 また、私信を下さったPL様方、皆様の一言は深夜にアクションを読む私の眼を眠気からいつも救って下さいます。ありがとうございます! 本来でしたら個別コメントでお返ししたいのですが、またも提出時間が遅いためこの場をお借りしてお礼申し上げます。

 それでは、長いサヨナラになるかと思いますが、いつかまたお会いできる時を楽しみにしております。

▼マスター個別コメント