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リアクション
コームラント・ジェノサイドを倒せ!
PM19:30(タイムリミットまであと4時間30分)
「はははっ、邪魔くせえ奴らめ! 死人の底力、見せてやるぜっ!」
柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)は向かってくるコームラント・ジェノサイドに信号弾を投げつける。
一瞬の目くらまし。
「脳ってのは案外脆いんだよな!」
隙をついて、脳のありそうな場所に機晶爆弾を打ち込む。
ゆらり。
バランスを崩したコームラント・ジェノサイドに向かって更に火炎放射。
「どうだ!」
一通りの攻撃を終えた恭也は、数歩離れた所で煙がひくのを待つ。
しかし。
「……何ぃっ!?」
視界が晴れたその場所にいたのは、ほんの僅かなダメージを受けただけのコームラント・ジェノサイドだった。
カタ
カタ
カタ
そんな機械音を嘲るように出して進むコームラント・ジェノサイド。
そして恭也に向けて、ゆっくりと腕のようなものを突き出した。
「やばっ!」
恭也は慌てて氷術を発動させながら、地を転がる。
超高熱ガスが恭也に向かって噴射されたのと、ほぼ同時だった。
「大変だ! 誰かがコームラント・ジェノサイドに襲われてる!」
「大丈夫!?」
「助太刀するよーっ!」
押され気味の恭也に、いくつかの声がかけられた。
「え……」
驚く恭也の前に立ったのは、円とオリヴィア、ミネルバたち。
船で横須賀に向かっていた面々だった。
目の前のコームラント・ジェノサイドに向かっていく円に、砲撃が繰り出される。
「あ……危ない!」
思わず口をついて出る。
しかし砲撃された瞬間、円の姿は消える。
幻影だ。
砲撃は少し離れたもう一体のコームラント・ジェノサイドに命中する。
「ミネルバちゃん槍投げー!」
至近距離からのミネルバの槍が、コームラント・ジェノサイドに突き刺さる。
一瞬、動きが止まる。
次の瞬間、コームラント・ジェノサイドは歪み、爆発した。
「やったー!」
恭也の与えた熱攻撃と、そして氷術での冷気。
それがコームラント・ジェノサイドを脆くしていたのだ。
「上手くいったな。君の先制攻撃のおかげだ」
「あれ、いや、俺は……」
「力を合わせて、コームラント・ジェノサイドを殲滅しましょう!」
「いや、だから……」
ずっとオズヌコロニーの面子とは距離を保っていた恭也が死人であることを、円たちは知らなかった。
次の瞬間、別のコームラント・ジェノサイドが円たちに向かってワイヤーを投げつけようとする。
それを重力操作で別の方向に向ける円。
「よし、行こう!」
「……どーすっかな」
不思議な共闘が始まった。
「私が隙を作るから、あの足の接ぎ目を狙って!」
フランソワの言葉に、オデットは黙って頷き得物を持つ手に力を込める。
「いくわよ……っ!」
フランソワの詠唱に、コームラント・ジェノサイドは僅かにバランスを崩す。
「いけ、サイドワンダー!」
2本の矢が、イコンの関節部分に命中する。
「やった……ええっ!?」
コームラント・ジェノサイドは何事もなかったかのように、立っていた。
「そ、んな……」
「いや、まだだ!」
オデットの横を、風が通り過ぎた。
風の名はセルマ。
コームラント・ジェノサイドの攻撃を掻い潜り、オデットの攻撃が決まった部分にセルマの対イコン武器を突き刺した。
即座にコームラント・ジェノサイドから距離を取ったセルマは、パートナーの名を呼ぶ。
「ミリィ!」
「はい! ここは、一点集中が基本だね! それーっ!」
ミリィのイレイザーキャノンが、オデットが、セルマが傷つけた場所に命中する。
ぐらり。
支えを失ったコームラント・ジェノサイドが崩れ落ちた。
「よし、次だ! 本隊到着までに、少しでもコームラント・ジェノサイドの数を減らすんだ!」
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