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【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】

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【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】
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リアクション

■□■4■□■「そうですわね、このティーセットの銀のお盆なんて丸くて光っていますわよ?」

 緋桜 遙遠(ひざくら・ようえん)は、じゃたに「丸くて光るの」の情報を聞き、
 可能であれば手に入れたいと思ったので乗り気でいる。
 (何か特殊な物なのでしょうか?
  大都市の地祇のみがもらったというのが気になりますね……。
  もしかしたらそれがあれば大都市の地祇並の力を得るとか、
  特殊な力を得るとかあるのかもしれません。
  まぁ単なる証的なものかもしれませんが……。
  それでも気になりますね、非常に興味がわいてきました。
  どんなものかは分かりませんが手に入れたいですね。
  仮に地祇にしか効果を及ぼさないものでも瑠璃が居ますしね)
 「じゃたさん、「丸くて光るの」のことですが……」
 遙遠のパートナーのツァンダから少し離れた場所にある名も無き細流の地祇、
 紫桜 瑠璃(しざくら・るり)は、
 みんなで仲良くしたいと持ってきたお菓子を広げながら言う。
 「瑠璃にはよく分からないけど綺麗なものなら瑠璃も欲しいの!」
 同じく遙遠のパートナーの剣の花嫁緋桜 霞憐(ひざくら・かれん)は言う。
 「瑠璃、遙遠の邪魔しちゃダメだよ」
 「霞憐ちゃんも一緒にお菓子を食べるの!
  瑠璃の分もじゃた様の分も他の人の分もたりなくならないように、
  いっぱいっぱい用意したの!」
 「ん? お菓子か? 僕はいいよ……っていうか瑠璃、僕をちゃん付けで呼ぶな」
 霞憐は、瑠璃が暴走しないようにいさめつつ、
 個人的にはどうでもいいと思っているが、遙遠が情報を得られるように配慮する。

 ジュリエット・デスリンク(じゅりえっと・ですりんく)は、
 パートナーのシャンバラ人ジュスティーヌ・デスリンク(じゅすてぃーぬ・ですりんく)に、
 ティーセットを用意させる。
 「アーデルハイト連続殺人事件のときに使ったティーセット、懐かしいですわね。
  ところで丸くて光るものですか……思い当たりませんわね」
 「お姉様ったら、まったく人使いが荒いんですもの。
  丸くて光るものですの?
  この「緑のレッサースフィア」なんかどうですかしら?」
 ジュスティーヌの言葉はスルーして、ジュリエットは言う。
 「そうですわね、このティーセットの銀のお盆なんて丸くて光っていますわよ?
  こんな感じではありませんの?」
 「え、違います?
  ごめんなさい……」
 しょんぼりするジュスティーヌの隣で、
 同じくジュリエットのパートナーの英霊アンドレ・マッセナ(あんどれ・まっせな)は言う。
 「丸くて光るもの、わかったじゃん!
  丸くて光ってて、ツァンダの街を守ってるもの……それは御神楽 環菜(みかぐら・かんな)のオデコじゃん!
  その盆の上に、御神楽環菜の首を乗せてサロメみたいに踊ればいいじゃん!
  オスカー・ワイルドイズムじゃん!」
 「あら、それはいい考えですわ。実に耽美的ですわね。
  では早速参りましょうか……」
 「何言ってるんですか。
  だいいちそれじゃ、ツァンダの町にしかないでしょう。
  あと、ジョークがスノッブすぎてよくわからないです」
 遙遠のツッコミに、ジュリエットとアンドレは言う。
 「おほほ、ブラックジョークですわよ。
  そんなことわたくしがするはずがありませんわ」
 「困ったときには検索エンジン様に聞いてみるといいじゃん!
  20年代はユビキタスじゃん!」
 ジュリエットのパートナーの地祇岸辺 湖畔(きしべ・こはん)は言う。
 「丸くて光るもの……うーん、ボクも地祇だけど、記憶にないなぁ」
 (別に街を守ってたわけじゃないし。……別な意味では見守ってたけど)
 湖畔は、ヴァイシャリー湖畔の逢引スポットの地祇であり、
 5000年間ヴァイシャリーの恋人達の営みを見守ってきた、ある意味筋金入りの出歯亀である。
 「そうだ、ヴァイシャリーの街の地祇に聞いてみるのはどうだろう?
  それなりに古い知り合いだし。
  まだ名前も出てきてないけど、きっと今回か次回のガイドには出てくると思うんだ。
  きまくもひらにぃもそんな感じだったみたいだしね」
 「それはいい考えですわね。
  でも、ガイドにも出てこないNPCを持ち出すのはいかがなものかしら。
  それに、特定NPCと知り合い設定しても自称扱いになるかもしれなくてよ」
 「お姉様、淑女は『がいど』とか『えぬぴーしー』とか口にしないものですわ」
 「これだけメタネタがまかり通ってるシナリオでいまさら何を言うの。
  他のシナリオでやらなければいいだけですわよ」
 (……メタすぎてめまいがします。状況に流されて全然じゃたさんに質問ができません)
 ジュリエットとジュスティーヌの漫才に、遙遠は頭を抱える。

 「『丸くて光る』それはこれデース!」
 吸血鬼のアーサー・レイス(あーさー・れいす)は、
 手にしたトレーの蓋をぱかっと開けると丸皿に盛られたカレーが光を放つ。
 「隠し味としてワレンティヌスチョコ風呂を用意できず残念でーす」
 アーサーのパートナーの日堂 真宵(にちどう・まよい)は、チャイナドレス姿でカレーを配って回る。
 「なんでこのわたくしがこんな小間使いのような事を!」
 アーサーにすさまじい剣幕で
 「お茶会開催なんてぬるい事は許さないのデース!
  カレーパーティーでーす!
  カレーパーティーを開催しマース!
  今日は魔王はどうでもいいデース、カレーパーティーを手伝いなサーイ。
  このカレーを配膳なサーイ。
  カレーを配膳なサーイ!
  カレーを給仕なサーイ!」
 と押し切られたのであった。
 さすがに、
 「チャイナドレスで色っぽく接待なサーイ」という発言には、
 パートナーの魔道書ベリート・エロヒム・ザ・テスタメント(べりーとえろひむ・ざてすためんと)
 本体の角で殴って拒否したのだが。
 その際、テスタメントは、本にカレーが付着して悲鳴を上げていた。
 「『しゃんばらだいこうやと和解のお茶会』
  改め『しゃんばらだいこうやと和解のカレーパーティー』開催デース!」
  アーサーは叫ぶ。
 「この生意気な口がわたくしが持ってきたカレーが食べられないと言うのかしら?」
 「待てよ、さっき、鍋に僕に協力してた地祇の子達を入れてただろ!?」
 「だってアーサーが全地祇の出汁でカレー作るって言うんだものしょうがないじゃない!
  そもそも地祇ってムカつくのよね、最近大量の観光地の絵葉書送りつけてくるし」
 真宵はつぁんだを捕まえてカレーの皿を顔にぐりぐり押し付ける。
 「じゃたも手伝いなさい、
  手伝わないとカレーの代わりに例のパラミタ堆肥にするわよ?
  いえむしろ食べさせるわよ?」
 「カレーくれるなら手伝うじゃた」
 素直なじゃたは言う。
 「良い事考えたわ、観光地の絵葉書を煮込んだカレー作って地祇に食べさせましょう」
 「さっきから何言っていやがるざんす!」
 「きゃあああああああああなんだか今回レアな気がするざんすかラリアットでぶっ飛ばされたわ!」
 「あっ、新たなお星様発見!」
 真宵を見上げるるは言う。
 「ご存知ですか?
  右の頬をぶたれれば左の頬を出せと言います。
  つまり左の方がカレーのお代わりをすれば、
  右の方にもカレーのお代わりを用意しろと言う事なのです。
  まだお皿の中がカレーでいっぱいでもです」
 「それだとじゃたの隣にいる奴はエンドレスでカレーを食わせ続けられるざんす!」
 テスタメントにざんすかがラリアットを喰らわせる。
 「きゃああああテスタメントは苦手なカレーの給仕をさせられていたのに
  ぶっ飛ばされるなんて酷いです」
 「あっ、またお星様!」
 テスタメントを見てるるは言う。