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第四師団 コンロン出兵篇(第2回)

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第四師団 コンロン出兵篇(第2回)

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ジャジラッド
 
 このとき、すでに激戦となっている帝国とシクニカ占領軍との戦いを眼下に見ながら、シクニカの上空を飛んでいく巨大な飛行物。いや、巨大生物だ。『バルバロイ』と呼ばれる、ザナドゥの辺境で発見された新種のワイバーンであるがその大きさも要望もレッサーワイバーンとはまるで異なる。黒くずんぐりとした巨大な胴体に六つの眼。『深淵の胃袋』の異名通り底なしの食欲を持つ。人間が大好物、である。
「ぬう。遅かったか!」
 これに乗り、シクニカへやって来たのはジャジラッド・ボゴル(じゃじらっど・ぼごる)。三メートルの巨漢。極悪人として知られる。しかもこの男、教導団とは少なからぬ因縁。元・教導団である。紆余曲折あり放校処分を受けている。帝国の元へ馳せ参じ、因縁の教導団と一戦交える覚悟で、最前線になろうシクニカへ出向いてきた。しかし、この光景を見ながら思う。「敵対する者はことごとく排除するやり方では、シクニカの戦いで帝国軍も無傷ではすむまいと思っておったのだが。ぬうう」
 ともかく、早く帝国軍の元へ、と急ぐ。
「指揮官はどこにおわす。無闇に下りられる状況じゃないな……やむを得ん。一旦郊外に下りるぞ、バルバロイ!」
「ブグォァァァァァ」
「まだ、逸ってシクニカの人を食うな? 後で教導団の兵どもを、まとめてたらふく食わせてやる」