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【借金返済への道】秋うらら、行楽日和!

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【借金返済への道】秋うらら、行楽日和!

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第1章


 空京、ホイップ・ノーン(ほいっぷ・のーん)が利用している宿屋の部屋。
 涼しくなり、澄んだ空気の中で星が煌めいていた。
「よしっ! これで皆に連絡は完了! ……当日は、楽しめると良いな……」
 先ほどまで使っていた携帯電話を手に、少し泣きそうな顔でホイップは眠りについたのだった。


 ホイップが皆を誘って、ジャタの森南側へと遊びに行く前日。
 遊びの準備をしている姿がいたるところで見られた。

 空京のあるお店ではソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)雪国 ベア(ゆきぐに・べあ)と一緒に買い物をしていた。
「やっぱり、これですよね!」
 ソアが手にしていたのはベアの『見返りゆるキャラストラップ』だ。
「俺様のかよっ! ……まぁ、悪い気はしないがな」
 少し照れながら自分のストラップを見つめた。
「きっと気にいってくれますよ! ホイップさん……電話でなんだか元気がなかったみたいですから……これで元気を出してくれると良いのですが……」
「大丈夫だって!」
 それでも心配そうにしているソアを見兼ねてベアが口を開いた。
「ご主人! こういうのはどうだ? ……ひそひそ」
 ベアが何事かをソアに耳打ちすると、みるみるうちにソアの顔が晴れ渡っていく。
「ベア、ナイスアイディアですっ!」
 こうして、ストラップを1つ買っていったのだった。

「ふふふ……これで明日は完璧です」
 空京の喫茶『琥珀亭』では島村 幸(しまむら・さち)の不敵な笑みがこぼれていた。
「楽しみだねっ!」
 遠野 歌菜(とおの・かな)はブラックコートを握りしめ、楽しそうに笑っている。
「これで一気に片がつくかもしれないしなぁ……」
 機関銃を念いりに磨いている七枷 陣(ななかせ・じん)も言葉を発した。
「ふふふ……」
「えへへっ」
「うん、うん……」
「何だか楽しそうですね」
 そういうと琥珀亭のマスターは山盛りフライドポテトとケチャップを3人にふるまった。
 きちんとお礼を言った3人の秘密会議はこのあと2時間続いたのだった。

 他にもお弁当の下ごしらえをしていたり、楽しそうに荷物を鞄へと詰め込んでいたりと各々の準備が整い、当日となった。