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春休みを守れ!御上先生救出作戦!

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第五章 迷子の森の賢者
「やっぱり、迷ったんじゃないですか?」
 ジーナ・ユキノシタ(じーな・ゆきのした)は、苦笑しながらパートナーのドラコニュート、ガイアス・ミスファーン(がいあす・みすふぁーん)に語りかけた。
 ジーナは、元々にこの森でドルイドとしての研鑽を積んでいたが、ここ数日、所属するイルミンスール魔法学園に行っていた。ようやく用事を済ませて森に戻ってみると、森の奥から激しい銃撃戦の音が聞こえる。慌てて現場に駆けつけようとしたが、ガイアスの致命的な方向音痴のために、道に迷ってしまったのである。
「何を言う、我は決して迷ってなぞはおらぬぞ!直接戦いの場にジーナを連れて行くのは危険過ぎると、あえて迂回したのだ。このままこちらに進めば、まもなく戦場に着く!」
 そう自信満々にガイアスが指差したのは、またも戦いの喧騒とは正反対の方向である。
「そ、それはもうそれはいいですから。それよりも『彼女』のところに行きませんか。その方が、きっと色々な事が分かると思うんです」
 こみ上げてくる笑いを抑えるのに苦労しながら、ようやくジーナはそう言った。『彼女』なら、自分が留守の間に何があったのか答えてくれるはずである。
「むぅ。まぁ、ジーナがそういうのなら我は構わんぞ」
 いかにも不満だというようにうなずくガイアス。どうあっても、『ジーナのために不承不承』というスタンスは変えたくないらしい。
『こんなところがまた、可愛らしいのですけれどね』
 ガイアスが聞いたら怒り出しそうな事を思い浮かべながら、歩き出すジーナ。その先には、彼女たちを待っているかのように大樹がそびえていていた。