校長室
アリスからの緊急連絡
リアクション公開中!
バンダースナッチ 「ああ‥‥だめっ。もう限界……」 少女がそう囁やくとガーゴイルの像から化物がするりと抜け出てきた。 「ふえええええええええええ」 郁乃が驚いてバンダースナッチと目が合う。退却。勝てそうにない。 しかしバンダースナッチはしつこく追いかけてくる。 美術室には他にも人がいたのだが、逃げるものを追いかける本能があるのかとにかくしつこく追いかけてくる。 「てええええい!」 将人が割って入る。綾刀でバンダースナッチに斬りかかる。 「……硬い」 首が伸びてきて噛み付こうとする。慌てて避ける将人。 「こりゃ強いな。一人や二人でどうこうできる相手じゃない」 将人が叫ぶ。 「援軍が欲しいな……」 「援軍なら、いるぜ!」 呟いた将人の声に答えたのは涼司でした。 その後ろには10人以上の生徒。 「アリス、助かったぜ」 「いえ。私にはこれが精一杯でした」 アリスはバンダースナッチが廊下に出たあ後眠りの魔法と不可視の魔法を解除して起きてきた涼司たちに事情を説明して救援を求めたのである。 そうして戦闘が始まった。 「いっくぜえええええええええええええ!」 涼司がグレートソードでバンダースナッチを斬りつける。 「かてえ……みんな、攻撃を集中させろ」 「了解! 光術!」 五月葉 終夏(さつきば・おりが)が光術を飛ばしてダメージを与える。 「アリスの正体はやっぱりアリス・リリか……でも、なんでバンダースナッチと一緒にいるかは聞かなきゃダメだね!」 唯乃はそう言うと忍刀で斬りつける。涼司が攻撃した場所と正確に同じに。だがそれでも剣は弾かれる。 「凍りつかせてあげる」 リリエが氷術でバンダースナッチを凍らせる。 「砕け、稲妻!」 ジェラルドがサンダーブラストでバンダースナッチを貫く。 「貫く!」 外からやってきた真人が魔導弓でバンダースナッチの右目を射抜く。 「ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」 バンダースナッチの悲鳴が響く。さすがに目は柔らかいようだ。 「なにやら大事のようですね」 セルファは鬼眼を使ってバンダースナッチを睨むと、 「やるなら相応の覚悟をしなさいよ」 と言って戦闘態勢をとる。 「うおおおおお、アリスちゃん今いくぜ。必殺、ソニックブレード!」 勘違いする暴走列車、周は如何にも怪しそうなバンダースナッチにソニックブレードをかますと、きょろきょろとあたりを見回して 「あれ、アリスちゃんどこ?」 などと言っている。 「……ここ、です」 ビクビクしながらアリスが名乗りをあげる。 「おおお、可愛いじゃん。可愛いじゃん。こんな子が俺に告白? ありえねええ。でもうれしいいいいい」 「ありえねえよ馬鹿!」 涼司がスネに蹴りを入れる。 「あいた。なにすんだよ!?」 「アリスがお前に告白するなんてありえねえっつの。そもそも今回の電話は事前告知、らしいからな」 「なにい! 俺の恋は! 俺の春は!?」 「知るか。鯉はアライにでもして食ってろ」 「ひでえ……やる気なくした……」 周はそう言うと地面にのの字を書き始めた。 「戦闘する気ねえなら他所行ってろ。邪魔だ!」 蹴り飛ばされて転がって行きました。 「アリスさん、なぜこんなことするんですか?」 ファイリアがアリスに尋ねる戦闘中だが戦士が多いので会話をする余裕はある。 「アリスはバンダースナッチに操られて獲物を探しているでのす。電話は獲物さんへの警告なんですけど、逆にこんなに人が集まるなんて思ってみなかったです。お願いします、バンダースナッチを倒してください」 「わかりました。刹那、ニアリー、行きましょう」 「わかったよ」 「わかりました」 ファイリアは光術を放ち刹那はクロスファイアで砲撃する。ニアリーはアシッドミストで攻撃し敵の変化を観察する。弱点と呼べそうな場所はないようだ。 「ヒロイックアサルト、ヴォーパルソード!」 有栖は【ヴォーパルの剣】を召還し、衝撃波を放つと共に鋭い斬撃を繰り出す。 「ギャアギャア!」 バンダースナッチの悲鳴が響く。 廊下が狭い上に密集しているので上手く飛べない上に攻撃もできないようだ。 「……有栖はまだまだ力不足ね」 ジャヴァウォックの詩は禁じられた言葉を使い、禁忌の書から、斑点模様の豹のような魔獣を出し、敵に向かわせる。 だが魔獣の牙では文字通りバンダースナッチに歯が立たない。 「戻りなさい」 仕方が無いので元に戻すジャヴァウォックの詩。 「とおちゃーく。っと戦闘中か。いっけえ、破邪の刃!」 誠治は到着するなり状況を読んで戦闘に参加する。 「はあああああ」 リアトリスはフラメンコを踊りながら攻撃を避け、爆炎波とドラゴンアーツを掛け合わせた技で攻撃する。 「炎龍神楽・焦牙(えんりゅうかぐら・しょうが)」 爆炎がバンダースナッチを焼く。 ベアトリスはフラメンコを踊りながら攻撃を避け、アジットミストを球体状にしてぶつける。 「涼司君、大丈夫?」 彼女たちは涼司に死角ができないように移動をしながら攻撃を続けていた。 「ああ、おかげでな。いっけえええええ!」 涼司はずっと同じ場所に攻撃をし続けていた。その成果が、バンダースナッチの表皮の崩壊となって現れ始めていた。