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水着デートは刺激的?

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水着デートは刺激的?

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「刀真、我に日焼け止めを塗ってくれ」
 真っ赤なビキニにパレオを腰に巻いた玉藻 前(たまもの・まえ)樹月 刀真(きづき・とうま)にオイルを差出ながら言った。玉藻は刀真の返事も聞かずにビーチチェアにうつ伏せになる。
「仕方ないですね……」
 刀真はオイルを受け取ると渋々オイルを塗り始めた。
「ちゃんとむらにならぬようにな」
「わかってますよ」
 刀真はオイルを塗りながら、ぼんやりと波のプールへと視線を向ける。プールには髪を頭の上でまとめて水色のビキニを着た漆髪 月夜(うるしがみ・つくよ)と若草色のビキニにパレオを腰に巻いて麦わら帽子をかぶった封印の巫女 白花(ふういんのみこ・びゃっか)が水の掛け合いっこをして遊んでいる。
(平和ですねぇ)
 刀真はそんな事を思いながら、玉藻の背中から腰にかけてオイルを塗っていく。
 しばらく楽しそうに遊んでいた月夜と白花だったが、なんだか様子がおかしい。白い触手が水面に出てきたかと思うとあっという間に2人のトップスを取ってしまった。そして2人の日に焼けていない白い胸があらわに。
 それを見た刀真は顔色を変え、プールの中へと飛び込んでいく。
「そこのエロイカー! 月夜と白花に手を出すんじゃねえ!」
 放っておかれてしまった玉藻は暇になると、デリバリーが出来るお店にカクテルを注文するのだった。


 上下とも紐で止めるタイプのビキニを着て、エプロンをつけている久世 沙幸(くぜ・さゆき)はにこにこしていた。その恰好は正面から見るとまるでエプロンしかつけていないようにも見える。
「良かった〜。注文間違えたわけじゃなくて♪」
 さきほどエルたちにデリバリーした『氷うし金時』の事を言っているようだ。
 沙幸は自分がバイトしているお店に入ると、お店の人に声を掛けられた。
「お疲れー! もう次の注文入ってるんだ。これを波のプールのところにいる玉藻さんのところによろしく」
「はーい!」
 沙幸はカウンターに出ている綺麗な水色とオレンジ色の2色が上下に分かれているカクテルをお盆に載せると、お店を飛び出した。
 他のお客さんにぶつからないように、カクテルがこぼれないように早歩きをする。
 波のプールに到着すると、沙幸は玉藻をすぐに発見。
「お待たせしました! カクテルをお持ちしました〜!」
「うむ」
 玉藻はカクテルを持ってきてくれた沙幸をまじまじと眺め、にやりと笑った。
(良い暇つぶしになりそうじゃ)
「のう、プールにイカが出たのを知っているか?」
「えっ? イカ?」
「ほれ、波のプールを見てみるが良い」
 沙幸は玉藻に指さされプールの方を見ると、イカの触手が月夜と白花の体に巻きついていたところだった。その触手のなまめかしい動きに沙幸は何かを想像してしまい、顔を赤らめる。
 触手に気を取られていると、沙幸は何か布のすれる音を聞いた。
「ひゃあ〜! なんで裸エプロンになってるの〜!?」
 いつの間にか沙幸のビキニは後ろにいた玉藻の手の中にあった。
「前はエプロンで隠せているが背中や尻が丸見えで困るだろう? 我が隠してやろう」
 そう言うと玉藻はビーチチェアに座りながら沙幸を背後から抱きしめ、自分の太ももの間に沙幸を座らせてしまった。
「あら、なかなか戻ってこないと思ったら楽しそうな事をしてましたのね」
 沙幸を探しにきた藍玉 美海(あいだま・みうみ)は笑みをたたえながら沙幸の前に行く。美海は沙幸の太ももの間に自分の右ひざをついた。
「玉藻さん独り占めなんてよくないですわ」
「それもそうだな」
 玉藻は沙幸の左耳を甘噛みしながら、沙幸のお腹に手を回す。
「ひゃうっ」
 沙幸から甘い声が漏れた。
「沙幸さんったら、イカの触手を見て興奮しちゃいました?」
 沙幸の右耳に美海がそう囁く。
「そ、そんな事ないもん……」
「ふふ……あんなのよりもわたくしたちの方が何倍も良いって刻み込んで差し上げますわ」
 美海の言葉に玉藻の頷いた。


 こちらはプールの中に入っていった刀真。
 クラーケンの触手は月夜と白花の体に巻きついてしまっている。
 刀真は光条兵器を発現させ、触手をぶった切る。クラーケンはたまらず触手をひっこめた。
「今だ月夜掴まれ!」
「うん……!」
 刀真は月夜を背負い、恐怖で動けなくなってしまっている白花は胸を隠すようにお姫様抱っこしてやる。
 そして、そのままプールを急いで出るとヤシの木の陰に移動した。ここなら人目につかない。
「2人とも大丈夫ですか?」
「大丈夫……」
 刀真の問いに月夜は頷いた。
「怖くて心の中で刀真さん助けてって思っていたら助けてくれたから大丈夫です」
 白花ははにかみながら言った。
 その2人の返事を聞き、刀真はほっと胸をなでおろす。
「ところで……刀真、私達がこんなに恥ずかしい格好をしているのに落ち着かれていると自信がなくなる、私達の体みたくない? そんなに魅力がないかな?」
 刀真がまったく動じていないのを見て、月夜は刀真の背中に自分の胸を押しつけた。
「い、いえ……そういうわけでは……」
(む、胸が……!)
 刀真は理性が飛びそうになるのを必死に抑える。
「とっ、刀真さん! あの……見たくないですか? 私達には興味がありませんか?」
 今度は白花がお姫様抱っこの体制のまま胸を押しつける。
(2人ともオッケーみたいだし良いのか!? 人目もないし……って、
嫌ダメだろう! 見境がなくなる!!)
 誘いに乗って来ない刀真に興味がないのかと勘違いし白花は涙目になり、その涙目のまま刀真を見つめてしまう。
(……!! 落ち着け俺ー! こういう時は円周率を唱えると落ち着くと聞いた事が……!! 3.1415……ダメだ! 無理!)
 刀真は理性がなくなる前に2人の元から逃げ出し、玉藻の方へと行こうとしたが、そこも桃色空間が広がっていたので、どこかへと走り去っていったのだった。