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リアクション
反撃!
「よし、各自タイミングを見て補給せよ。もうすぐ敵のミサイルは尽きるはずだ」
幸祐が補給の指示を出し、学生たちは順番に補給を行う。
その間にもミサイルが襲ってくるが、なんとか総力を結集してミサイルを防衛していた。
そしてミサイルを使い切った敵は鶴翼の陣に陣形を変更する。
「エルデネスト、敵左翼にワープ」
「かしこまりました」
グラキエスは鶴翼の陣で密度が薄くなった敵陣に突入する。突然の出現に敵は戸惑うが、すぐさま機関銃の弾丸が飛んで来る。
「グラキエスはそれをワープで回避して敵の背後に回りこむと、ダブルビームサーベルでシュメッターリングを切り裂く。
「はあああああああああああああ! せい! やあ! いっけえええええええええ!」
二度、三度、とにかく敵機が撃墜するまで切り裂く。
「グラキエス様、敵の反撃が来ます」
周囲の敵がグラキエスに目標を定める。
と、そこに弾丸が飛んできて敵イコンの態勢を崩す。
「あんまり一人で張り切るものじゃないぜ」
「ロアか!」
ロアがスナイパーライフルで遠距離支援をしてくれたのだった。
「もういっちょ!」
ロアがさらに弾丸を打ち込んでいる隙にグラキエスはワープして撤退する。
「鶴翼の陣は包囲陣。だが、包囲が完成するまでは密度の薄い分散陣だ。敵左翼に集中攻撃。突撃!」
幸祐が指示を出すと、コンピュータールームでダリルは意外そうな顔をした。
「むう……中央突破を図ってくると思ったが、左翼から先に狙うか……ローマ式陣形に移行だな」
ダリルはコンピュータに指示を出すと戦闘を継続させながら両翼を後退させ、密集隊形に入る。
密集隊形から放たれる銃弾の密度はかなり高く、生徒側もかなりの損害を受ける。
「それを、待ってた!」
加夜はそれを待っていた。敵が一箇所に集まる時を。
「自称反陽子爆弾、発射!」
「了解、《急所狙い》、発射!」
ノアが端末を操作して自称反陽子爆弾を発射する。
それは敵中央部に着弾し多くの敵を巻き込んで爆発する。
大ダメージは与えられなかったが、機関部などに損害を受け敵の機動力が大きく弱まる。
「今だ! 全生徒は部隊を3つに分割。編成表はこちらからデータを流す。部隊ごとに突撃しつつ攻撃、然る後に一撃をしたら離脱。離脱する隙間を縫って第二陣が突撃しつつ攻撃、そして第二陣の後退に合わせて第三陣が、そして第三陣のフォローをする形で再び第一陣が攻撃に突入する。これを繰り返すぞ」
『了解!』
幸祐の指示が飛んで3つにわかれた部隊がそれぞれ攻撃を繰り返す。
美羽、加夜、聡と、補給を終えた杏、紫音、シフ、花音の7名は即興の小隊を組み敵中央部へと向かう。
「サクラちゃん、冷静にですよ。無茶はしないように気をつけて下さいね」
「わかっています。所詮あれは幻影……本物を相手にするまでは……」
加夜の言葉にサクラはわかっているのかわかっていないのかいまいち理解出来ないセリフを返す。
「杏さん、大型ビームキャノン射程に入りました!」
早苗の報告に前後して風花とミネシア、リュートからも同様の報告が入る。
「よし、俺たちはこのままここから援護! 行くぞ風花!」
「はぃ!」
「ミネシア、行きますよ!」
「了解だよ!」
「リュート、今だ!」
「わかってる!」
そして三本のビームと花音のイコン【クイーン・バタフライ】の二つのマジックカノンが飛び、敵外周部周辺に空白ができる。
「いっけえええええええええええ!」
ワープアウトしたグラキエスは20ミリレーザーバルカンを連射しながら敵の中央部に迫る。
そして突出したグラキエスの【シュヴァルツ】に敵の注意が集まった瞬間にグラキエスは再びワープして後方に下がる。
「よし、支援する。突っ込め!」
「了解!」
「分かりました」
聡の言葉に美羽と加夜が答える。
聡のコームラントの援護射撃を受けながら二機のイーグリットアサルトは突撃し、ダブルビームサーベルで敵を切り裂く。
コームラントのビームを浴びた敵の装甲は脆く、ダブルビームサーベルを二回走らせることでシュメッターリングは堕ちていく。
そして杏、紫音、シフが遠距離から射撃をして聡、加夜、美羽の撤退を支援する。
そこに和希、フロッギー、ネフィリム小隊、唯斗が突入しつつ攻撃を仕掛ける。
「レッツジャム!」
和希はソニックブラスターに音をのせて遠距離から支援する。
「おらおらおらおら!」
フロッギーは20ミリレーザーバルカンを乱射しながら敵に迫る。
「行くよ! トライアングル・シュート!」
ネフィリム姉妹の三位一体の攻撃は敵を確実に追い詰める。
「切り裂け、空裂刀!」
唯斗は敵の撃ちっぱなしの機関銃の弾丸を浴びながらも、それを避け、あるいはダメージを受けつつ剣で切り裂く。
そして、花音、大助、和麻、テレジア、ロア、グラキエスが突入してくる。
さらには、海上にいるアレックスやフランらが下から弾幕を形成して敵の行動を阻んでいる。
密集隊形から放たれる敵の機関銃の威力は大したものだが、攻撃しながら突入することによってその照準はすぐに外れる。
「ロア、突っ込むぞ! 支援してくれ!」
「了解!」
グラキエスがワープの準備をしつつ、ロアに支援を要請する。
ロアは、スナイパーライフルを発射しつつ前に出る。
グラキエスはワイプアウトすると20ミリレーザーバルカンを撃ちまくる。
花音とグリムはソニックブラスターに歌を乗せながら遠距離から支援する。
和麻はスナイパーライフルで一機ずつ攻撃しながら移動しては撃ち移動しては撃ちを繰り返す。
テレジアはアサルトライフルを撃ち放しながら敵側面から切り崩す。
そして彼らが後退すると再び第一陣が攻めに入る。
この頃にはアシュレイ・ピースロッドが前に立つほど敵側の状況は逼迫していた。
そこで杏、紫音、シフの三人はビームキャノンで周辺の敵を攻撃すると、聡と加夜、美羽が敵陣へ突っ込む。
「聡さん、敵弾命中。しかし損害は軽微です」
「ったりめえだ! コームラントの装甲をなめんな!」
「アシュレイおじさま! 覚悟!!」
聡のコームラントが至近距離から大型ビームキャノンを放ちシュヴァルツ・フリーゲを焼いた直後
「加夜!」
「ええ!」
二本のダブルビームサーベルがそのシュヴァルツ・フリーゲを切り裂く。
爆発するシュヴァルツ・フリーゲ。総大将を失った敵軍はあっさりと逃げていく。
「そこまで!」
そこに講師の判定が下る。
この勝負は学生側の勝ちとなった。
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