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結成、ガーディアンナイツ!

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結成、ガーディアンナイツ!

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 ここはツァンダ公社。
 ツァンダ公社とはツァンダを治めるツァンダ家が運営する貿易公社である。
 日々多くの物資がこのツァンダ公社へと出入りしており、働いている人々も忙しそうにしている。
 そのツァンダ公社の中にある一室に今回の自警団募集に名乗りを上げた者たちが集められていた。
「おい、ミルザムはまだ来ないのかよ?」
 と、阿童が少しイラついた口調でツァンダ公社の者に言った。
 阿童はアークに引っ張られて泣く泣く大食い大会を途中で抜け出してきた為に機嫌が悪い。しかも集められてからだいぶ待たされているので機嫌はさらに悪くなっていた。
「もっ、もうしばらくお待ちください」
 この部屋で集まったものをもてなすように言われていた公社の社員は目つきの悪い阿童に睨まれて慌ててそう言った。
「阿童ちゃん。スマイルスマイル」
「……アーク、おまえは少し黙ってろ」
「みなさんお待たせしました」
 と、部屋のドアが押し開けられ髭を生やした恰幅のいい中年男が部屋の中へと入ってきた。
「……んーっ、なんだ。少し見ない間にミルザムはずいぶんと変わっちまったな」
 それを見た閃崎 静麻(せんざき・しずま)がぽつりとつぶやく。
「ほんとだーっ。お髭が生えてるし、前はおっぱいドーンだったけど今はお腹がドーンだね」
 かわいらしい声でそう言うのは静麻のパートナーのひとり、閃崎 魅音(せんざき・みおん)
「あれがミルザム? 女性があそこまで完璧に男性へと変化するなどありえない……いや、女王候補という特異な存在である彼女ならあるいは――」
 そして静麻と魅音の言葉を真に受けて真剣に考え込むのはクリュティ・ハードロック(くりゅてぃ・はーどろっく)
 機晶姫である彼女も静麻のパートナーだ。
「君達、バカなことを言ったり考えたりすのはやめなさい」
 そんな三人に苦言を呈するのはレイナ・ライトフィード(れいな・らいとふぃーど)
 金色の長い髪を三つ編みにして一本にまとめた髪型をした真面目なレイナは、ため息をつく。
「あーっ、オホンっ。お話をさせていただいてもよろしいですかな?」
 男がそういうと部屋の中は静かになった。それを確認すると男は再び口を開いた。
「えぇ、では私が今回の事に関しましてミルザム様の代わりにご説明させていただきます」
 そして男は今回の自警団設立に到る経緯を説明しはじめた。

 ミルザムはツァンダ家に助けを求めてきたサンドタウンの青年の話を聞き、サンドタウンの人々を恐怖で支配するミスターカメレオンなる賊から解放し、人々に自由を与えるために自警団設立を思い立った。
 だがミルザムとしては、ゴクモンファームの一件もあり、クィーンヴァンガードなどツァンダ家や蒼空学園が大きく関わる部隊を動かして無用な争いを起こしたくはないと考え、あくまでツァンダの街の自警団。貿易公社専属の私兵として今回自警団を設立するに到ったのだという。
 そしてその自警団にはツァンダ公社の商隊を装って、町に潜入し、ミスターカメレオンを撃退してもらいたいとミルザムは考えている、と。
 男はそこまでいうと、次に青年から聞いたミスターカメレオンたちの情報や囚われている人質について集まった者たちに説明をした。

「――以上がミルザム様から言伝されましたことのすべてであります。今回集まっていただいた皆様には自警団”ガーディアンナイツ”として、目標の撃退と人質の解放という任務を遂行していただきたいと思っておる次第です」
 男は話をそう締め括ると部下と思しきものに声をかけ、いくつかの茶封筒を持ってこさせる。
「少ないですが、今回皆様に向けてご用意させていただきました活動経費です。出発まで時間がありますので、コレで不足しているものなどを用意して1時間後にまた公社の方にお戻りになってください」
 そういうと男は集まったものたちに封筒を渡していく。
 少額の経費を受け取ったガーディアンナイツたちはそれぞれの準備を開始した。