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【2020年七夕】Precious Life

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【2020年七夕】Precious Life

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 そしてパーティーが始まり、それぞれに食事を楽しみ始めた。
 ビュッフェ形式の食事には日本食もあり、食べやすいものから珍しいものまで並んでいた。
 さほどパラミタの食べ物と変わらないが、地球人に合わせた食事が並んでいた。
 サラディハール教諭は目の前にあるものを眺め、首を傾げた。
 先ほど、シルヴェスターにおつまみがと言って注意を向けさせた物の前に立っているのだが、サラディハールにはそれが何なのかわからなかった。
 木の船らしいものの上に、野菜や木の枝があって、その上にぬるぬるとしていたり、ぬめぬめ〜としているものが乗っている。
 てらてらと光るそれを見て、本能的に嫌悪感を感じた。
 自分は見たことが無いので、多分、それは地球のものなのだろう。
 サラディハールはそれを見なかったことにし、自分の席に戻った。
 だがしかし、その様子をしっかりと見ていた者がいた。
 観世院校長である。
 二人は同じ席に座っていた。
 いつもすましていて、負けず嫌いで気の強いサラディハールが苦手なものを発見し、意味深な笑みを浮かべる。
「どうしたんだね、サラディハール」
「え? あぁ、ちょっと…変なものを見ましてね」
「ほう…変なもの」
「そうですねぇ、私は見たことがありませんし。食べたこともありません」
 そう言って、さっきの料理を見た。
「ほう……ところで、サラディハール。これは何だと思う?」
「うぐぅッ! そ、それはさっきの…」
「伝統的な日本の料理だ。食べてみたらどうかな?」
(来たーーーーーーーーッ!)
 退屈しているのだろう、サラディハールで遊ぶつもりなのがわかる。
「そ、そうですか……でも、お断りしま…」
「ほ〜う。呼んだ以上、ゲストを楽しませるのはお前の【義務】だろうね」
「そ、そうきましたか……むぐぅ!」
 サラディハールがイヤだという前に、校長は彼の口の中に【刺身】を突っ込んだ。
「!!!!!!!!!!」
 刺身を食わされ、サラディハールは真っ青になる。
 突っ込まれたのは生海老なのだが、虫に見えたらしい。
(の、飲み込めませんっ! 何ですか、これ。臭いですうううう!)
 サラディハールはゴックンできなくて涙目になる。
 手元にあった水を飲もうと手を伸ばした。
「お、サラ=リリ。丁度いいところに〜」
「?」
「この水、貰うな」
(え? え? ええええええええええええええ! 返してくださいいいいい!!)
 サラディハールは眉を顰め、ラルクを見上げた。
 目には涙が浮かび始めた。
 そんなサラディハールの様子を見て、ラルクは楽しげに笑った。
「仕返しはしたぜぇ?」
 ラルクは前回の試合の仕返しをしたのだった。

 そして、食事が終わる頃、オウガ・クローディス(おうが・くろーでぃす)がソワソワし始めた。
「やはり…カップルが多いですね…」
「どうしたぃ〜?」
 秘伝 『闘神の書』(ひでん・とうじんのしょ)はオウガに言った。
「い、いいえ」
 そんなオウガを見て、闘神は笑った。
(反応がかわいいねぇ)
「よう、オウガ…」
「おや? どうかしましたか? 闘神さん?」
「もしかして出会い求めてたり…するか?」
 その言葉にオウガは硬直した。
「ち、違います! 何いってるのか分かりません!」
 実はオウガは出会いを求めていたのだ。
 でも、やはり大っぴらには言いにくい。
「そうかぃ? じゃあ、勘違いだなあ」
「あ、その……そういうわけでも…」
「だったら…我が付き合ってやるかぃ? ただ、浮気するかもしれねぇがな?」
「え、浮気…ですか」
「いやかい?」
「いえ、その……お相手して頂けるなら」
「ほう、そうか。じゃあ、早速今から行こうかぃ」
 相手のYESを聞いた途端、闘神は元気よく立ち上がった。
「あ、闘神さん。ちょっと待ってくださいよ」
 オウガは慌てて追いかけた。
「春だな。夏だけどな…」
 ラルクは二人の様子に苦笑した。
 こんな場所に泊まれるなら、恋人の砕音と酒でも飲みたいところだった。
 ラルクは恋人を思い出しながら酒を飲んだ。
(それにしてもびっくりしたぜ…まぁ、別にいいけどなーあいつらもガキじゃねぇんだし)
 ラルクは二人と、今ここにはいない砕音に乾杯した。