校長室
DieSymphonieDerHexe
リアクション公開中!
第7章 カオスがカオスを生む 「えっと礼青にメールを・・・送信っと」 水路から出た美羽はすぐさま携帯をポチポチと操作し、礼青に地下水路が城につながっていたことと、真やアスカたちの情報を含めてメールする。 「お、リボンのお嬢はんからや。ほう、そこから入れるんどすな。パレードどすか、ほな扉を開けてもらっている時に、そこへ紛れて入ればえぇな」 簡単にメールをうって美羽に返信して、城の外にいる真たちに知らせる。 「返って来た!私たちはその頃に、その扉からは入るのね。城の中で十天君を叩くのね、きっと。私たちはどの場所へ行こうかな?」 美羽はメールを見ながら、城へ入った後のことを考える。 「モーントナハトで遊んだぶりッスねレヴィアさん。すぐにまた会うなんてビックリですけど・・・」 街中にいるレヴィアを見つけ、魔女に扮装した七枷 陣(ななかせ・じん)が手を振る。 「数日ぶりといったところか」 「レヴィアさんも気をつけてアウラさんみたいに封神しちまったり、ましてや死んじまったりしないでくださいね・・・」 「あぁ、分かっている・・・」 「おっと笑顔のキラーマシーン・・・じゃなかった、礼青さんからメールがきた!美羽ちゃんから送られたやつを転送したようやね」 「やっぱり何人か中央の扉からいくんだね?」 リーズ・ディライド(りーず・でぃらいど)もメールを見せてもらう。 「パレードに合わせるからあと20分くらいかな」 「そんじゃ城の傍からちょっと騒ぎにいくか」 2人は中央の通りへ行き、城の裏手から魔女たちをひきつける。 「魔法と科学を融合した魔科学?やめてよね、資源を食い荒らさず魔力を何倍にもするご都合主義な物とか存在するわけないだろう?厨二病丸出しな単語乙やないか!いいか!?こういった類のモンはな、土壌の養分とか大気のマナとか、お前らの生命力とかを吸い尽くして枯渇させるってのがお決まりのオチなんや!何かを得たら反動で何かが無くなるメリットとデメリットが必ずある等価交換の大原則ディスってんじゃねーぞ!お前ら魔女なのにそんな事も分からんのか!バカなの?死ぬの!?」 「痛みも無く病気にもならないそして寿命も無くずっと生きられる身体、それがホントに良い物だって本気で信じてるの?君たちバカじゃないの?そんな身体になるイコール死んでることと同じなんだよ!生きるってことはね、何かに傷付けられて痛いってことや苦しいってこと。いつか終わっちゃうことを実感出来るから生きるって言うんだよ!だから!君たちがやってることは、死ぬことと同義なんだよ!」 ぎゃぁぎゃぁと大声で罵倒するように叫ぶ。 「焔のガキとそのオマケのチビがいるわ!」 「がっガキィイ!?」 どうせ十天君たちにそう吹き込まれたんだろうと思いながらも、陣はピキッと顔に青筋を立てる。 「―・・・〜っ、反撃したいけど今は我慢するよっ」 「こんな町、破壊してやる!」 ファイアストームを放ち、魔女たちが作った術でない家を焼き払う。 「はーっははは、捕まえてみなっ」 「陣くん、なんか悪人づらっぽくなってる」 陽動といえどなんだか楽しそうに見え、リーズが小声でぼそっと言う。 「早く止めないとめちゃくちゃになっちゃうよー♪」 その辺の椅子やテーブルを乱撃ソニックブレードで粉々にする。 「待てっ、ガキどもーっ!!」 怒り狂った魔女たちがサンダーブラストで2人を感電させてやろうと狙う。 「後10分だよ、頑張ろうっ」 「はぁ〜。ずっと走りっぱなしか」 そんなにあるのかと陣はぜぇぜぇと息を切らせながら走る。 「オメガー、会いに来たわよ」 十六夜 泡(いざよい・うたかた)が城の前で彼女の名を呼ぶ。 「あら、イルミンスールの生徒だけど魔女じゃないわね?さっさと帰りなさいよ、地球人」 「私はオメガに会いにきたのよ」 邪魔をしようとする魔女たちの軽くあしらう。 「何よ。友達が遊び来たらいけないわけ?」 「フンッ、私たちはそんなこと聞かされていないわ・・・って、言ってみたりね。オメガさんからあなたの話は聞いているわ。どうぞ、お入りなさい」 「ありがとう、入らせてもらうわ」 友達として泡は正面から堂々と入り、彼女に信用されているおかげで簡単に統治の間へたどりつく。 「泡さん、お久しぶりね。こちら側についてくれるのかしら?」 「うーん・・・まずは話を聞いてみないとね。それよりも今日はオメガとお茶でもしようかなって来たのよ」 持ってきたお菓子をテーブルへ置く。 「もうすぐパレードが始まりますの。よかったら泡さんも見ていらっしゃいな」 「えぇそうね。あ、そうだ。魔女たちに聞いたんだけど“魔科学”って物を確立しようとしてるんだって?そう言った知識って“館のオメガ”が持っていた知識なの?それとも、あなたが新しく得た知識?」 「いいえ、十天君の方の知識ですわ。それに協力する代わりに、館にいるその魔女の魂をいただけるって話ですの」 「そうなのね・・・」 泡はしばらく考え、その話をしたくないように、魔科学の話へ戻す。 「ま、でもいくら不老不死になるとは言え、それがもしも“ゾンビ兵”の完成系・・・つまり“完全なるアンデット化”とかだったら、私はちょっと遠慮したいな〜」 「アンデット、それはつまり死んでいることになりますわ。アンデットと違って生きていますから、ちゃんと温かみがあるんですの」 「・・・ねぇ、オメガ。魔科学の力で、館に居るオメガの魂を使わずに、あなたが私たちの世界に存在し続けることができる様になる方法って無いのかしら?」 「それは・・・難しい話ですわね」 「もし難しくても、その方法があるのなら、私は協力することを惜しまないわよ?」 「でも・・・やっぱりそれは・・・。ドッペルゲンガーは本来、本能に従うものなんですのよ」 「皆で一緒に遊びたいじゃない。オメガとオメガも一緒に・・・」 「泡さん・・・」 そこまで踏み込んでしまうと恐ろしいことになってしまうということを言い出さなくなり、困惑したように目を伏せてしまう。 パレードが始まるまであと5分・・・。
▼担当マスター
按条境一
▼マスターコメント
新年早々、遅れて申し訳ありませんでした。 リアクション内では、あと5分で何かが始まるようですね。 一部の方に称号をお送りさせていただきました。 それではまた次回、シナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。