リアクション
◇ ◇ ◇ ブラックコートの上からおそろいの白いポンチョを来ているローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)と模造弓矢を持っている上杉 菊(うえすぎ・きく)、模造剣の柄同士を連結した、普段使っている強化光条兵器と感触が近い物をでっち上げた物を持っているエシク・ジョーザ・ボルチェ(えしくじょーざ・ぼるちぇ)の三人は崖のぎりぎりの場所に立っている。 ローザマリアが空飛ぶ魔法↑↑を全員にかける。 「ふたりはこれであっちに渡って。私はやることがあるから」 「気を付けてくださいね」 「大丈夫だって。いざという時は今かけた魔法で対岸に渡るから」 ローザマリアの心配をしつつも対岸に渡った菊とエシク。 残ったローザマリアは集中する。 そんな様子を眺めている悠の小型飛空挺ヘリフォルテに乗って上空から見ているカオルたち。 「カオルくん、ボクが行こうか?」 翼がガトリング砲を構えてローザマリアに狙いを向ける。 「なにをするか分からないし、もう少し様子を見てからにして」 「そう?」 「大丈夫。向こうはこっちに気が付いてないみたいだから」 ガトリング砲をしまう翼。 「一体崖で何をするつもりなんだ……?」 ローザマリアの行動が分からずしばらく上空で見ることにしたカオルたち。 「よし……行くよ!」 ローザマリアは両手にロッククライミング用ハンマーを持ってジャンプした。 対岸の崖にハンマーの尖った方を突き立て張り付く。 そこへクローラからのテレパシーが送られてくる。 『聴こえるか? 聴こえているなら返事をしてくれ』 「く……」 『聴こえないのか? なにがあった!?』 クローラのテレパシーに答えず崖を登っていく。 「ふぅ……どうしたの? クローラ」 『どうやら無事の様だな』 「この通り無事だよ。周りに敵は見えないしね」 『そうか。それなら良いんだ』 「うん。何かあったらまた連絡して」 クローラとのテレパシーを終えたところで空から那未のしびれ粉が降ってくる。 動きにくくなった中、三人はお互いに背を合わせるように立つ。 菊はブリザードとサイコキネシスで視界を悪くさせ、エシクはいつでも動けるように状態を整える。 「敵はどこだ」 「御方様、ジョー様! 上です!!」 ディテクトエビルによって菊が上空にいるカオル達に気付きサイドワンダーを放つも避けられてしまう。 ローザマリアによってかけられた空飛ぶ魔法↑↑の力で飛翔したエシクがアナイアレーションを仕掛けてくる。 「これが避けられたら褒めてやる」 「ちゃんと避けてよ? すぐ当たっちゃったらつまらないからさ」 開いていたドアから悠の機関銃と翼のガトリング砲が掃射される。 スガガガガガガガガッ 「これだけ撃っておいて当たってはいけないなんて少々酷くありません?」 「なに言ってるんだよ。これは訓練にして本当の戦いだぜ?」 「相手に情けをかけて戦っては相手にも失礼ですから」 「そういうこと。ナイス那未、悠、翼」 完全に勝った気でいるカオルたち。 「いいえ、まだよ」 そこへ銃舞で放たれた弾を避けていたローザマリアが乗り込んで来る。 手にしている模造ナイフで傍にいた那未の首を斬りつけたローザマリア。 那未が倒れるとローザマリアは続いて千代にもナイフを振りあげた。 「させるか!」 カオルは思い切りローザマリアを蹴りでリフォルテから突き落とす。 「危なかった……さぁ、気を引き締めて次もうまく仕留めていくよ」 気を抜いていた事を反省しカオル達を乗せたヘリフォルテが去っていく。 「きゃああぁぁぁぁぁ!!」 落下していくローザマリア。 地につく前に空飛ぶ魔法↑↑で状態を立て直し着地する。 「あぁ……危なかった」 腰が抜けてその場にしゃがみ込んだ。 「もし私に飛翔能力がなかったどうしてくれるのよ!?」 飛び去ったヘリフォルテにそう叫ぶも当のヘリフォルテは小さくなって見えなくなってしまうのだった。 |
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