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リアクション
賑やかなのは安宿だけではなかった。アスレチック満載の公園でも小鳥が逃げるほど
賑やかだった。
「ちょっ、耳と尻尾を掴むのは反則だぞ!?」
少年達とめちゃくちゃに走り回る中、獣耳や尻尾を掴まれたりするのを注意するも遊び盛り悪戯盛りの子供達が言うことを聞くわけがない。
「次はあっち!!」
「負けないぞ」
「お兄ちゃん、早く!!」
様々なアスレチックを駆け回り、小さくなったアキラは負けてやるのも仕事だと思い、力を抜いて子供達と競争をしていた。
「一番!! お兄ちゃんの負けー」
元気なシャンバラ人の少年が一番にゴールをして一番最後のアキラを迎えた。
「罰ゲーム!! もふもふさせて!! リクト、もふもふしたい」
一番になったリクトは罰ゲームの内容を言った。走る間中、何度もアキラの獣耳や尻尾を触りまくった一人だ。あまりにもふもふで触らずにはいられなかったのだ。
「……仕方ねぇな」
アキラは子狼に変身してもふられることにした。
「わぁい」
リクトは嬉しそうにもふもふしまくり、それを合図に見ていた少年達も次々にもふもふに加わっていく。
「すっごい、もふもふだぁ」
「あったかーい」
「いいなー」
もふもふが次第にくすぐりに変化し、恐るべき子供の無邪気攻撃に体力を根こそぎ吸い取られるアキラ。
「ちょっ、くすぐってぇ、やりすぎだ。ぎゃあぁぁぁ!!」
腹をよじらせつつ何とか言葉を絞り出す。
「ちょっ、待った、待った。罰ゲームはここまでだ」
何とか攻撃をやめさせ、ゆっくりと立ち上がった。
「……ちょっと、ひと休みだ。少ししたら行くから遊んでてくれよ」
腹がよじれて疲れ切っていても笑顔を絶やさずにアキラはまだまだ元気な少年達に言った。
「お兄ちゃん、休んだらすぐに来てね。約束だよ」
「智知、行こうぜ。お兄ちゃん、早く来いよ!!」
遊び足りない智知は、アキラと約束をして呼びに来た友達と遊びに行った。
「おう」
智知達に元気に答えて見送ってから子狼から少年に戻り、ベンチに行かずそのまま地面に座って休憩を始めた。
「……子供は恐るべしだな」
ズタボロになったアキラはため息をついた。
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