リアクション
終章
 アタミンスール村公民館。
 初日と同じように参加した皆が座り、正面を向いていた。
 視線の先には、心なしか元気の無いエリザベートの姿がある。
 マイクを手に取り、全員がこちらを見ているのを確認すると、挨拶を始めた。
「と思ったけど堅苦しい挨拶は抜きなのですぅ。決して何も考えてなかったとかそういうのじゃないですからね?」
 こほん、と咳をして話を続ける。
「では、皆さん待望のぉ素敵なご褒美を発表したいと思うですぅ。まず初めに、これは参加者全員へ贈られるですよぅ」
 部屋の中がどよめく声であふれる。
「どうして太っ腹なところを見せたら不安がられるですかぁ」
 エリザベートが泣きそうな表情で愚痴ると、ルーレンの腹部に目を向ける。
「な、なんでわたくしのお腹を見ますの? 大丈夫、太くない! 太くないですわよ〜」
 涙を流しながら倒れているルーレンを無視してエリザベートが向き直った。
「そしてぇ、素敵なご褒美とは……」
 部屋の中が静まりかえり、皆がエリザベートの次の言葉を待っている。
「参加してくれた全員にぃ温泉に入る権利……を……」
 全員が一言もしゃべらず、白けた眼差しでエリザベートを見つめていた。
 沈黙に耐え切れなくなったエリザベートが泣きながら言葉を訂正する。
「アタミン温泉いつでも無料パスポート(三か月分)を進呈するですぅ……」
 後日、参加した皆の元へ、アタミンスール温泉のパンフレットとパスポート、そしてアーミアの撮った写真が届くのだった。
 
はじめまして、今回が初シナリオとなる和泉 水晶と申します。
ご参加またはお読み頂きまして、本当にありがとうございました。
個性豊かなアクションばかりで、私も書きながら楽しませて頂きました。
もしよろしければ、シナリオのご意見やご感想、ご要望などをシナリオ掲示板にてどんどん頂けたらと思います。
村について
 皆様のアクションのおかげで無事に温泉を掘ることが出来ました。
 アタミンスール村はこれから新しい始まりを迎えます。
 ジャムの特産地から温泉と名物の村へ。
 様々な困難を乗り越えて、有名な観光地となることを期待しています。
 最後に温泉無料パスポートが贈られていますが、これはデータとして存在するわけではありません。
 皆様の心のアイテム欄に入れておいてもらえれば、と思います。
それではこの辺で。また皆様にお会いできる時を楽しみにしております。