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【神劇の旋律】三姉妹怪盗団、参上!

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【神劇の旋律】三姉妹怪盗団、参上!
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第16章 贈り物

「こんなおいしいコーヒーを飲ませてくれるカフェがあったんですね。いいお店を知りました」
「ありがとうございます」
 あれから数日後。
 カフェ・ディオニウスは今日もたくさんの客で賑わっていた。
 レオンとの仕事の打ち合わせでやって来た、セフィー・グローリィアはコーヒーを飲み干すと、カウンターに立つトレーネに率直な称賛を送る。
「こちらのデザートも素敵な味ですね」
 アイスの添えられたフォンダンショコラをつついているのは、エリザベータ・ブリュメール。
「そ、そかな。ありがと」
 僅かにどもりながら礼を言うパフューム。
(うーん、彼女たち、どっかで見たことのあるような……)
 遠慮ない視線でカウンター奥のシェリエ達をじろじろと見る、オルフィナ・ランディ。
 シェリエは何故か彼女を警戒しているようで、オルフィナの視線にびくりと身を竦ませる。
「あんた達……どこかで会ったこと、ありましたっけ?」
 オルフィナの気持ちを代弁するかのように、セフィーが首を傾げる。
「さぁ。もし、どこかでお会いしたことがあるのでしたら素敵ですね」
 さらりと答えるトレーネだった。

「ごちそうさま」
「ありがとうございました」
(他人の空似かしら……)
 ストラトスのBGMに後ろ髪を引かれつつセフィーたちが店を出る時、大きな荷物を持った配達人とすれ違った。

「はぁ、キンチョーしたぁ」
「パフュームはまだいいわよ、ワタシなんか……はぁ」
 空気が弛緩していくのを感じながら、重いため息をつくパフュームたち。
「お疲れ様! とゆーことで、チョコパフェおかわり!」
 小鳥遊 美羽が元気よく手を上げる。
「何が“とゆーことで”なのかなぁ?」
 パフュームが口を尖らせながら、新しいパフェを差し出す。
「しかし、良かったのか?」
 佐野 和輝がコーヒーをかき混ぜながらカウンターを見る。
「結局、ストラトス・ティンパニは元の持ち主の元に行ってしまったんだろ?」
「元の持ち主さんと、改めて交渉したらどうかしら?」
 白波 舞が身を乗り出す。
「そうね…… 今は、皆が無事だったことを喜びましょう。ティンパニのことは、それから考えますわ」
 舞にコーヒーを差し出しながら、トレーネは微笑む。
「おまえ達がそれでいいなら、構わないが……」
 シェリエのポニーテールを凝視しながら、フェイ・カーライズは呟く。
「ああ。俺達がどうこう言う事じゃない」
 セリス・ファーランドもコーヒーを口にする。
「大荷物が届いたよーう!」
 カッチン・和子が大きな箱を持って入ってきた。
「あら、悪いわね」
 トレーネとシェリエが慌てて荷物を受け取る。
「誰からだろう……あれ?」
「どうしたの?」
 差出人を確認していたパフュームの声に、思わず覗き込む騎沙良 詩穂。
「これって、ストラトス・ティンパニの前の持ち主の人だよね」
「ええっ」
 パフュームの言葉に、甘いコーヒーを飲んでいた杜守 柚も慌てて駆け寄る。
「手紙がついているわ。ほら……」
 シェリエが、広げた手紙を読み始める。
『先日は、私を陥れた相手の悪事を暴いてくださいまして、どうもありがとうございました。おかげで借金も消え、我が家の名誉を挽回することができました。そのお礼に……』
「ねえ、これ!」
 荷物を開けていたパフュームが興奮した声を上げる。
 その中身が取り出された時。
 カフェ・ディオニウスは大きな歓声に包まれた。

担当マスターより

▼担当マスター

こみか

▼マスターコメント

 初めての方ははじめまして、もしくはこんにちは。
 「【神劇の旋律】」を執筆させていただきました、花粉症真っ盛りの、こみか、と申します。
 ストラトス・ティンパニを巡る怪盗劇にお付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。
 ティンパニを盗もうとする方の多い事……!
 しかしがっちりと警備されている方がたくさんいる上に、数も多く押えている所も多かった三姉妹一派がやはり強かったようです。
 たくさんの方々のアクションが絡み合い、対立し、影響を及ぼしあい、とてもドラマチックでした。
 ストラトス・ティンパニへの様々な関わり、ありがとうございました。

 またどこかでお会いする機会がありましたら、よろしくお願いいたします。