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汝、己が正義に倒れるや? ~悪意の足跡~

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汝、己が正義に倒れるや? ~悪意の足跡~

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幕間:葛城とコルセアの捜査とその結果

「自分は野盗がまだ街中に潜伏していると考えて調査していたのであります」
 そこは集まった皆と同じ考えであった。
 しかし彼女は他の人とは少し違うアプローチをしていたようである。続く彼女の言葉に一同が集中するのが感じられた。
「脱走を手引きした人物を絞り込むために、北門の警備担当の人から最近街に来た人の中に怪しい人物がいないか聞いたのであります」
「東門は?」
 夜刀神の質問に答えたのはコルセアだった。
「そっちはワタシが担当したわ」
「なるほど。続けてくれ……」
 促されるように葛城は続ける。
「しかしここ一週間は祭りの準備もあったからか人の出入りが激しく、特定するのは厳しい状態だったのであります……特に今年は例年よりも露店の希望が多く、行商人の出入りは毎日のようにあったらしいのです」
「そのような状態では断定するのは無理であろうな」
 草薙は言うとコルセアに視線を向けた。
 東門はどうなのか、ということが聞きたいのだろう。
「じゃあ次はワタシの番ね」

 コルセアは一同を見回すと結論から述べた。
「ワタシも吹雪と同じで特定はできなかったわ。ただワタシの場合は街に入ったままで外に出ていない人たちのことも調べたけど、祭りだったからね。出ていく人は少なかったみたい」
「当然と言えば――」
「当然ですね」
 ホリイとブリジットが言葉を続けた。
 コルセアはまあね、と答えると他には特にこれといったこともなく調査がとん挫していることを伝えた。
「次はわしらの番だな」