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―アリスインゲート1―後編

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―アリスインゲート1―後編

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「お迎えに上がりました」
 ゲートを開いたアリサが迎えに来る。「ご苦労様」と彩羽が労う。
 アリサが各地をまわり、列車の乗車客、WLO、NSF、契約者をパラミタへと変えしていた。彼女の同行があればパラミタと【第三世界】を行き来することができるようになったからだ。
 とても信じがたい話だったが、帰れるならそれでいいと天貴 彩羽(あまむち・あやは)は納得するしかなかった。それについての研究はおいおいするとしようと。
「あなた達も元の世界に帰るわよ」
 彩羽がアリスティアと教団の人間を誘う。もとより彼らもこの世界の人間ではない。帰るべき場所がある。
 しかし、
「いえ、わたしたちはまだここに残ります」
「は?」
「キングと話したのですが、彼らに出来るだけのことをしてあげたいという事になりました」
「献身的にもホドがあるわ……元の世界に戻れなくてもいいの?」
「今はいいんです。せめて、ここの人たちが普通の生活ができるようになったら、迎えに来てください」
「まあ、アリサが便利なもの持ったみたいだし、どうせまた来ることになるでしょうから」
 ――後々この世界の調査もしないといけないだろうし。
「せっかくなら、あなたも教団に入りませんか? キングさんも意外と良い人ですよ」
「遠慮させていただくわ……」
 丁重に断りを入れる。こんな世界で宗教活動なんて怖くてやってられない。
「彩羽さん行きますよ」
 アリサがゲートから顔だけだして呼ぶ。
「それじゃ、また来るわ」
 彩羽とアリスティアはしばしの別れを告げた。

 
 異世界の迷子たちが元の世界へと帰ってからすこしした後のこと――
――某所
「遅かったじゃないか。豪華列車の旅はそんなに楽しかったか?」
「それどころか異世界旅行まで付いているとは思いませんでした。彼らがいなければどうなっていたことか」
「ほう、それは大変だったな。それで、あれはちゃんと持ってきたか? まさか落としてきたってことはないよな? ボスがお待ちかねだぞ」
「まさか……といいたけど、半分は置いてきたよ」
「半分? どいうことだ」
「楽観的な未来的予想に掛けてね。大丈夫もしものためにコピーは大事に持っていたからね」
 ポケットの中から無造作に取り出したメモリースティックを渡す。
「それで大事にとはよく言う。だが、どうしてそんなことをしたんだ?」
「だからただの予想だよ。成功すれば僕らに有益なことになるし、君たちは新しいホットスポットを得られる。悪くないだろ?」
「ほう、それは嬉しい情報だ。で、その場所はどれくらい暑い?」
「決して春の来ない世界さ」
 そう聞いて、鏡照成は哄笑した。

 ――そいつは最高だと

担当マスターより

▼担当マスター

黒井 威匠

▼マスターコメント

 書きすぎたぁ――。
 どうも今回も大分オーバーしてしまいました。大変申し訳ございましせん。ブラック威匠です。
 順調に進めていたはずなんですが、何故かこの様になってしまいました。大体一組辺り平均1700字弱。人によっては3000字超になっています。読むのにだいぶ疲れたことでしょう。これでアリストレインから続けて読むと更に疲れること必須です。
 本来なら期限を重視して妥協すべきなんですが、ここを妥協すると今後が面白くなくなるので、ガッツリ調べものして情報も書きまくっています。
 あと、ネタもふんだんです。みなさん何処までネタがわかったでしょうか?
 内容も少しずつ陰りが見えてきたと思います。にじみ出るドス黒さを堪能していただけていれば幸いです。
 それではまた今度。できるだけ早くにお会いしましょう。