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粛正の魔女と封じられた遺跡

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粛正の魔女と封じられた遺跡

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エピローグ2

「んじゃ、湯るりなす開業を祝って……乾杯!」
 瑛菜の音頭に合わせてその場に集まった人間は乾杯と飲み物を上げる。
 この場は営業見送りだった温泉施設『湯るりなす』の開業を祝うパーティーだった。
「でも、一時はどうなることかと思ったけど、災来たりて福となすっていうのかなこういうのを」
「……なんかいろいろ間違ってませんか? そのことわざもそのもとになったことわざの使い方も」
 ミナホのツッコミに瑛菜は笑う。
「いいんだよ。そういう細かいことは。けど、まさか遺跡にまだ使用出来る機晶エネルギーの施設があるなんてね」
 吹雪と郁乃たちが遺跡を調査に行った時、最初に見つけた施設がそれだった。それを村に引いてきて使えるようにした結果、こうして巨大温泉施設である湯るりなすが開業可能になったわけだ。
「いろいろと不可解な点があるからもっと調べたかったんですが、遺跡の扉が閉まったんですよね……」
 調べるにも調べ用がないとミナホ。
「ま、気になることは次に開くのを待つか自分で開けるか。とりあえず今は難しい事考えずに祝えばいいよ」
「……そう、ですね」
「……もしかしてまだ、アテナとぎこちないの?」
「……はい」
「ま、あの子は驚いているだけだろうし、そのうちなんとかなるさ」
「そうだといいんですけど……」
「ま、あんたも落ち着く時間が必要かもね。そうだ。あんた歌をするんだろ? その師匠でも探してみたら?」
「歌の師匠ですか……瑛菜さんは……?」
「誰もいなかったら考えておくよ」


「魔女のもとにいくつもりですか?」
 宴の場。その騒ぎから離れた所に佇む和輝に前村長はそう話しかける。
「……気づいていたんですか」
「まぁ、自分が付けられていたことくらいは。あの後、魔女にあったんでしょう?」
 粛正の魔女ミナを探すことが難しいと考えた和輝は代わりに前村長を探した。もし、戦場に出ない粛正の魔女を補足する人物がいるならそれは前村長を置いて他にいないと。
「それで、あっちにつきますか?」
「情報を集めるためにはそれが一番かと思っていましたが迷ってます」
 粛正の魔女のもとで動き、その中で必要な情報を集める。それが一番の早道だろうと。
「何を言われましたか?」
「まず、粛正の魔女の元へいけるのは俺だけです。アニスとスフィアは断られました。特にアニスはこっちに来たら殺すとまで言っていました」
「それはまた珍しい……」
 あの魔女が特定の存在にそれほどの感情を向けるのは珍しいと前村長は思う。
「それで他には何を?」
「有事の時以外は村を大きくして、有事の時はこっち側で戦いなさいと。そうしたら知りたい情報を教えてやると」
「……あなたの考えは筒抜けですか。まぁ、あれはそれだけの時を生きている魔女ですから当然かもしれませんが」
「正直、アニスとスフィアのことを除けば破格の条件だと思います。でも……」
「他に問題が何か?」
「……向こう側で戦ってそのままその時以外は村で過ごすなんて無理でしょう?」
 和輝の言葉に前村長は大きく笑う。
「そういうことでしたら変装でもしたらどうですか?」
「…………………………やっぱり魔女のもとに行くかどうかは考えます」
 前村長の言葉に和輝は引きつった顔をした。

担当マスターより

▼担当マスター

河上 誤停

▼マスターコメント

「粛正の魔女と封じられた遺跡」お楽しみいただけたでしょうか。
ガイドの通り今回判定がきびしめでした。なので今回は成否判定をここで伝えておきます。
遺跡の方もユニコーンの方も成功判定です。情報が少ない状態というのを考えると大成功でしょう。
また、薄々気づいている方もいるでしょうが私のリアクションでは情報収集が結構大事です。
もたらされた情報によって皆さんのアクションの成否判定も大きく変わってきます。

次回は休日シナリオですね。今のところ予定しているイベントはミュージックフェスティバルに向けたプレライブ。ミナホの歌の師匠探し。ミナス草の調査。あとは営業開始した湯るりなすをめぐっての話。こんな所でしょうか。今回とは全く雰囲気が変わりますが、よかったら次回も参加して頂けたら幸いです。