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タケノコノキノコノ

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タケノコノキノコノ

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1.タケノコ狩り!

「あん……硬くて、おっきい。こんなに大きくなるのね」
「でもほら、先っちょはこんなになってます……」
「こんなにおっきいの、入るかなぁ」
「私、皮を剥いてあげますね」
(エロトーーク! しょっぱなから、エロトーーーク!!)
 芦原 郁乃(あはら・いくの)荀 灌(じゅん・かん)の睦み声に、ヴィクトリア朝 メイド服コスプレ(びくとりあちょう・めいどふくこすぷれ)は興奮が止まらない。
「でもあんまり大きくなり過ぎると硬いから食べるのに向かないんだって」
「大きなお鍋、持って来て良かったですね」
「こーんなにタケノコ、採れたね!」
 二人は仲良くタケノコ掘りをしていた。
 そこにヴィクトリア朝 メイド服コスプレフィルターが入れば、あっとゆう間に妄想世界。
(ふはぁ…… 今の会話でどんぶり3杯はいけるわね。あと3年は戦えるわ)
 隠し撮りしたカメラを大切に押えながら、いけない妄想にひたる。
「ふふふ……お腹いっぱい……」
「お姉ちゃーん、ヴィクトリア朝 メイド服コスプレさん、まだ食べてないのに『お腹一杯』だそうですよ?」
「いつものことでしょ」

 今日は青天、タケノコ狩り日和。
 ウェザーとその友人らご一行は、タケノコ狩りに来ていた。
 一同はスコップや鍬、様々な道具を持って、恐る恐る、あるいは慣れた手つきでタケノコを掘っていた。

「タケノコを採るのは、初めてで……どのように掘れば良いのでしょう?」
「ああ、教えるというほど慣れているわけではないが、自分のやり方を見てるであります」
 コーディリア・ブラウン(こーでぃりあ・ぶらうん)に問われ、大洞 剛太郎(おおほら・ごうたろう)は早速手近なタケノコに手を伸ばす。
 屈み込み、銃剣で土を掘り起こす。
「そして、ここに切り込みを入れるであります……」
 めき……
 鈍い音がして、タケノコの根元が折れる。
「こう、ですか?」
 コーディリアも剛太郎を真似て、匕首でタケノコの周りを掘っている。
 使用するのが銃剣や匕首といった所が、二人らしい。
「……採れました!」
 コーディリアは笑顔で、自分で堀った小さなタケノコを大切そうにポシェットに入れた。

「どうせ掘るなら、生で食べられるくらい新鮮なものを掘ってみたいですよね」
「おいしそーだねぇ」
 佐々布 牡丹(さそう・ぼたん)レナリィ・クエーサー(れなりぃ・くえーさー)は、まだ生えて来る前のタケノコを狙って、地面の膨らみを探してみる。
「うーん、見つかりませんねえ」
「なかなか難しいものですねえ」
 そんな二人に声をかけたのは、鬼龍 貴仁(きりゅう・たかひと)
「こういうのは気長にやるのがいいみたいですよ。ほら、あそこに詳しい人たちがいるから、話を聞いてみませんか?」
 指差した先にいたのは、マーガレット・アップルリング(まーがれっと・あっぷるりんぐ)に説明中のリース・エンデルフィア(りーす・えんでるふぃあ)だった。
 リースはあらかじめ本を読んでタケノコの知識を勉強してきたのだ。
「せっかくだから、俺たちも拝聴させてもらいましょうか」
「お願いします」
「あ、え、は……はい!」
 やって来た貴仁と牡丹たちに緊張しながら、リースの説明は続く。
「タケノコは、土から出る前に掘り出すとアクがなくて美味しいんだそうです。まずは地面が盛り上がっている所を探します。足の裏で探すのも良いですよ……」
「やったあ、採れた!」
「早いなぁ、もう3つ目じゃないか」
 リースが説明している横で、嬉しそうな二つの声。
 遠野 歌菜(とおの・かな)がタケノコを抱えて笑っている。
 月崎 羽純(つきざき・はすみ)はやや呆れた顔をしながら、タケノコを二つ抱えていた。
「おや……」
「あれ」
「わぁ……」
 牡丹と貴仁、リースの視線を受け、ガッツポーズをしてみせる歌菜。
「タケノコ掘りなら任せてくださいっ! 実家にいた時、裏庭でいっぱい採ってましたから」
「やっぱり、書物よりも経験なんですねえ」
 と呟いたのは誰だったか。
 しかし、タケノコはまだまだ大量に生えている。
 牡丹も貴仁も、そしてリースたちもその後は順調にタケノコを見つけ出せるようになってきた。

「あ、エース。そこに小さいのが生えているようだよ」
「生えているようだよって……教えてくれるだけか」
 エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)メシエ・ヒューヴェリアル(めしえ・ひゅーう゛ぇりある)の当然とでも言いたげな表情に、苦笑する。
 そうは言いながらも手際よくスコップを操りタケノコを折り取るエース。
 しかし彼の目的はそれだけではない。
「ああ、今の時期、山の恵みはまだまだ沢山あるね……」
 うっとりと、恍惚の表情を浮かべながら作業するエースに、メシエは軽く肩をすくませた。

 さてこちらは、タケノコは掘るより料理するものだとばかりに、準備に勤しむ集団。
「この時期にタケノコなんて珍しいですよね」
 微笑みながら、アク抜き用の大鍋を準備するのは神楽坂 翡翠(かぐらざか・ひすい)
「皆さん、タケノコさんをたくさーん採ってきてくださるといいですね」
「あ、ああ」
 タケノコにも敬称を付けて楽しみにしているフレンディス・ティラ(ふれんでぃす・てぃら)に、ベルク・ウェルナート(べるく・うぇるなーと)は曖昧に頷く。
 彼女は既にいくつかタケノコを採ってきたようで、泥だらけの手を洗っている。
 ベルクはといえば、タケノコよりも別の所が気になる様子。
(ウェザーのイベントっつーと、きっと何か悪い事があるに違いない!)
 そんな、ある意味正しい偏見を元に、彼は既にイベントを楽しむよりフレンディスを守る為の警戒態勢に入っていた。
「タケノコ料理……何がいいかな。あれ、コハク、どうしたの?」
「うん、ちょっと用意したいものがあるんだ」
 小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)が用意した野外調理キットを広げている。
 当のコハクは別にやることがあるらしく、すぐには料理にかからない様子。
 コハクの話を聞いて、美羽は顔を輝かせた。
「うわあ、それいいね!」
「皆が楽しめるといいよね」

 タケノコ狩りは順調に進んでいた。
 しかし、当然といえば当然のように、楽しい時間はとても短かった――