リアクション
いざいざ 「勝負ですわ!」 いつものように、勝負事に燃えるエリシア・ボック(えりしあ・ぼっく)が、ノーン・クリスタリア(のーん・くりすたりあ)と御神楽 舞花(みかぐら・まいか)を前にして言いました。 「いいよー。受けて立っちゃうんだからー」 当然のように、ノーン・クリスタリアが受けて立ちます。 「それでは、私が陽太様に頼んで、お宝を鑑定してもらって優劣をつけてもらいましょう」 御神楽舞花が、判定の管理を請け負いました。どうやら、携帯で御神楽 陽太(みかぐら・ようた)にお宝の画像を見せて、価値を決めてもらおうということのようです。 ★ ★ ★ 「さあ、夏合宿も最後だから、お宝探しも頑張るわよ」 蒼空学園公式水着を着た綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)が、アデリーヌ・シャントルイユ(あでりーぬ・しゃんとるいゆ)と共に気合いを入れました。 「でも、水着は、あまり宝探しむきの格好じゃないかも……」 結構大胆なデザインの蒼空学園公式水着をチラチラと見て、アデリーヌ・シャントルイユが言いました。 「うーん、でも、私は水の中を探すつもりだから、水着じゃないと……。アデリーヌだって、岩場を探すんでしょ。結構波飛沫被るわよ」 「そうかも。頑張って、いい宝物を探しましょう」 「後で、見せっこよ。じゃ、出発ー」 ★ ★ ★ 「さあ、すっごいお宝見つけるわよ」 こちらも気合い入れまくりの小鳥遊美羽です。 「ええっと、美羽、ローゼンクライネ見なかった?」 気がついたらいつの間にか姿の見えなくなっていたローゼンクライネを探して、コハク・ソーロッドが小鳥遊美羽に訊ねました。 「見てないけど……。もう宝探し始まっちゃうから、お宝のついでに探して回れば見つかるかも」 「そうだね」 それしかないかあっと、コハク・ソーロッドが小鳥遊美羽の言葉にうなずきました。 海岸ですが、小鳥遊美羽はいつものミニスカート姿です。ちょっと残念に思いつつ、迂闊に想像してまた鼻血を噴かないように注意するコハク・ソーロッドでした。 ★ ★ ★ 「何が埋まっているか楽しみだよねぇ。でも、場所が広いから、別々に探した方がいいかなあ。よし、そうだあ、競争にしようよぉ」 「それはいいかもしれませんね。私が北都よりもいい物を見つけたら褒めてくださいませね」 清泉北都の言葉に、クナイ・アヤシ(くない・あやし)が答えました。 「けれども、幽霊の方はどういたしましょうか」 ちょっと心配だと、クナイ・アヤシが言います。 「そっちは、あの巫女さんたちに任せればいいんじゃないかなぁ。怪しそうな所には、例の物を仕掛けてきたし、そのへんを避ければ大丈夫だよぉ」 「そうですね。では、勝負でございます」 ★ ★ ★ 「お宝よ、宝探しよ、大当たりなのよー!」 何か興奮して叫んでいるのは、セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)です。 年末ジャンボ宝くじに大当たりして以来、お宝ゲットに燃えているのです。どうしてかというと、せっかくの賞金をセレアナ・ミアキスに定期預金にされてしまったため、未だに大金を手にした実感がないからでした。今度こそ、この手にお宝を掴んで、大当たりの実感を掴みたいと思っているのです。 「絶対見つけだすんだから!」 「そうね。そうだ、浅瀬なんか、狙い目じゃない? 16番なんか、何かありそうよ」 自分がお宝を埋めた区画を地図でわざとらしく指し示してセレアナ・ミアキスが言いました。水着に着替えてパーカーを羽織り、ビーチサンダルでいかにも今まで浜辺をのんびり散歩していたという感じを装っています。 さすがに、賞金を全額、通帳の数字に変えてしまったのはやりすぎたかなあと思っているようです。 「どこよ、お宝!」 そんなセレアナ・ミアキスの思惑など気づきもせず、セレンフィリティ・シャーレットがトレジャーセンスでお宝の位置を探ります。とたんに、360度、全方位からお宝の感触がびびびびーっとやってきました。あたりまえです、そこら中にお宝が埋まっているのですから。 「ああああ、どれ? どれが、本当のお宝なの? どれが一等賞!?」 当然、セレンフィリティ・シャーレットが混乱します。お宝と言ってもピンからキリまであるに決まっています。なんとしても、ここは一等賞を探しあてねばなりません。 「だから、浅瀬の16番辺りを探すといい物が見つかるは……」 「浅瀬ね!!」 セレアナ・ミアキスの言葉を最後まで聞かずに、セレンフィリティ・シャーレットは海にむかって駆け出していきました。 |
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