リアクション
エピローグ
「えーっと……及ばずながら私が乾杯の音頭をさせていただきます。……校舎の完成を祝って、乾杯!」
古代竜とバイコーンの件が終わった次の日。まだ日も落ち切らない時間から村の広場には音楽学校づくりに携わった人たちが集まり、料理や飲物を楽しそうにとっていた。
「おめでと、リリィ。音楽学校完成に一歩近づいたね」
ジュースを持った瑛菜がそう言ってくる。
「まだ、本当に一歩なんですよねぇ……でも、歩き始めたならきっとすぐにたどり着きますよね」
「あんた、基本後ろ向きだけど、そういうところは前向きだよね。……あ、前向きって言うより脳天気って言ったほうが近いかもしれないけど」
「むぅ……酷いですよ瑛菜さん」
「あはは、ごめんごめん。(……でもそういうところは本当にミナホもリリィも変わらないね)」
「? 瑛菜さん、今、なんて言いました?」
聞き取れなかったとミナホは聞く。
「いや、なんでもない。……そういえば穂波は大丈夫だったのか?」
「はい。昨日倒れたと聞いた時は驚きましたけど。私が行ってすぐ目覚めましたよ」
いまはもうなんともない様子でこの会場にきているとミナホは言う。
「それは良かった。あ、良かったといえば、あんたの村長試験、合格だってさ」
「あ、合格ですか。良かったです」
世間話のように切りだされた試験結果にミナホは素の反応を返す。
「……って、え? それだけですか? なんかアーデルハイト様からありがたいお言葉もらったり、なんか賞状てきなものもらったりしないんですか?」
「ないって。あたしからあんたに伝えておいてくれってさ」
「……私の緊張はどこに持っていけばいいんでしょうか?」
肩を落とすミナホ。
「ま、とにかくこれでイルミンスールの承認が得られるんだ。万々歳だろ?」
「まぁ、そうですね。素直に喜んでおきます」
音楽学校を形にするために、それがより良い形になるように、ミナホは瑛菜達とともに頑張ると心を新たにするのだった。
「ふむ、すっかりもういいようじゃな」
祝いの場。その角でジュースをちびちびと飲んでいる穂波にアーデルハイトはそう声をかける。
「アーデルハイト様。お世話をお掛けしました。見ての通り、今は大丈夫です」
「大丈夫……か。確かに見た目だけなら何の問題もないの」
じゃが、とアーデルハイトは言う。
「ならば、なぜお前から生命力を一つも感じないのかの?」
生きているものの証である生命力を今の穂波は持っていない。かといって時に死したものを動かす魔力があるわけでもない。
「なぁ穂波。……お前は今、生きているのかの?」
「はい、アーデルハイト様。私は今『生かされていますよ』」
リアクション「古代の竜と二角獣」をお送りします。いかがでしたでしょうか。
今回のアクション結果ですが、穂波に力を使わせたこと以外は成功判定になります。
穂波に力を使わせる=失敗判定ではありませんが、穂波にしてもミナホにしても力を使わせたらバッドエンド判定がプラスされています。
次回は村おこし兼休日シナリオになると思います。音楽学校を始めるために教師を集めたり生徒を集めたり、休日らしくゆっくりしたりと、そういったシナリオになると思います。
今回のご参加ありがとうございました。