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みんな一緒に海へ往くでありんす♪

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みんな一緒に海へ往くでありんす♪

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開幕の儀 開会式&準備体操


 見渡せば、限りない蒼海。
 見上げれば、何処までも蒼空。

「海でありんすぅ〜っ!!!」

 そして響くは、ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)の美声。

「ん?
 聴こえぬのぅ……」
「ハイナ、待っていても声が戻ってはきませんよ?」
「しっ、知っておるわっ!!」

 期待したのはきっと、海ではなく山で起こる現象。
 力の限り叫んだ歓喜の声は、虚空へと吸収されていく。
 その貌を、紅に染めて。

「っ……気をとり直して始めるでありんす、房姫っ!」
「はい」

 隠せぬ恥じらいを、それでも必死に隠そうと。
 わざとパートナーの、葦原房姫(あしはらの・ふさひめ)の名を呼んだ。
 いつもどおりの満面の笑みを返してくる、愛し人を。

「はいは〜い!
 前に注目するでござる!!」

 マイクを通した真田佐保(さなだ・さほ)の呼びかけに、生徒達は総奉行を仰ぐ。
 授業よりも更にテンションはハイで、楽しそうだ。

「それではまず、運営委員長兼葦原明倫館総奉行からの挨拶でござる」
「うむ」

 そのあいだにも。

「あ、えぇ、この方の後ろへ並んでください」

 砂浜を駆け巡る、ゲイル・フォード(げいる・ふぉーど)
 ありとあらゆる不測に対応するため、動きは止まらない。

「皆の者、よく集まってくれたでありんす。
 今日は兎に角、暑さを忘れられるくらいいっぱい遊ぶのじゃ!」

 歓迎の拍手が巻き起こり、ハイナも上機嫌。

「うん、マイクの音量はばっちりだな」

 丹羽匡壱(にわ・きょういち)の指先で、ボリュームのつまみが微動する。
 大成功に終わった挨拶も、影から支えられていたのだ。

「それでは注意事項でござる。
 万が一、怪我をしたり気分が悪くなったりしたときは、後方本部内の救護班を頼るでござる」

 示されたテントの下で、手を振る女性。

「ミーに任せればばっちりヨ〜♪」

 自信たっぷりに言うが、ティファニー・ジーン(てぃふぁにー・じーん)には不安しか感じられない。
 誰もが過去を振り払うように首を横振り、絶対に怪我などするものかと強く想った。

「競技前に準備体操をおこなうでござる。
 前で見本として体操したい者はおらぬでござるか?」

 一瞬、ざわめく会場で。

「はいは〜い!」

 堂々と手を挙げた、仁科耀助(にしな・ようすけ)
 これまた誰もが例外なく、思ったことだろう。

「女性の水着姿を観たいだけだわ」

 龍杜那由他(たつもり・なゆた)と、同じことを。
 代わるのも面倒だし、そのまま体操をさせてみることにした。 

「ありがとうございましたでござる。
 みんなで拍手〜」

 そんなこんなで、開会の儀は無事に終了。
 いよいよ、遊泳大会のはじまりはじまり〜☆★