リアクション
★☆★ 未来の世界は、荒廃していた。 鋭峰と蓮華は、 世界の存亡の危機に立ち向かうため、軍事作戦を共にしていた。 多くの銃弾が飛び交い、イコンが撃墜されていく。 鋭峰の指揮の元、蓮華は重要任務についており、 常に、緊迫した状況にあった。 ドラマチックな戦争映画のような光景が、 ひたすら広がっていた。 ★☆★ 「団長、そんな未来にならないようにしましょう!」 「ああ、もちろんだ。 ああいった状況に陥らないよう、常に備えるのが国軍の務め。 君も、今後一層、励むように」 「はい!」 教導団員として、蓮華は最敬礼した。 「俺も体験できるか?」 スティンガーが、小ラズィーヤに訊ねる。 「もちろんだ」 外見は幼くとも、子ども扱いはせずに、 スティンガーは、自分の気になっている未来について訊ねる。 「俺の最初の相棒が死なずに済んだ世界、なんてのもあるんだろうか?」 「……可能性としては」 小ラズィーヤは肯定した。 ★☆★ スティンガーと、最初のパートナー、 アメリカ人の青年ジョージは、 軍人として戦っていた。 2人は息のあった相棒として、 歴戦を潜り抜け、各地で活躍していた。 つかのまの休息。 ジョージが、ブランデーのボトルを、スティンガーに投げてよこす……。 ★☆★ 「……」 タイムマシンから出たスティンガーは、 しばらく、タイムマシンの方を見つめたままだった。 「並行世界というものがある。 私もまた、多くの『遺伝上の母』を持っている。 桜井静香が宦官になった世界、そうでなかった世界。 様々な世界が同時に存在している。 だが、お前は、 今のパートナーとともにこの時間軸を歩んでいくんだろうな」 スティンガーは、小ラズィーヤに強く頷く。 「ああ。少しでも、 あいつが幸せな未来があるんなら、ほっとしたよ。 俺はこの世界を全力で生きよう」 |
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