First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
再び、カメラはザンスカールに戻ってくる。
ザンスカールにある、とある森の廃墟。
そこには、静かで、穏やかな空気が流れていた。
「私は引き寄せられるようにここに来て……。
そして、ここから、私と羽純くんの物語が始まったんです」
剣の花嫁である羽純は、この地で眠りについていた。
しかし、歌菜に封印を解かれ、目覚めたのだった。
「羽純くんとの大切な想い出の地。とても静かな場所。
けど、不思議と怖くはなくて。
何所か懐かしい、そんな気持ちになる所です。
時折、二人でここに来るんですよ。
子どもが生まれたら、教えたいです。私と羽純くんが出会った場所だって」
歌菜と羽純は、自然と、手を取り合った。
「歌菜と出逢えた事に、心から感謝する。
運命なんて言葉は好きじゃないが……運命だったと、今はそう思っている。
今ここでまた誓う。歌菜と共に生きると」
「うん、私も。
羽純くんと、ずっと、一緒に生きていくと、誓います!」
歌菜と羽純は、絆を確かめあい、つないだ手に力を込めた。
「なんだか、私とジークリンデの出会いのことも思い出すわ。
あの森で出会った時のこと……」
「不思議な場所ですね。森の奥深い場所なのに、光が差し込んでいて……。
未来への希望に満ちているような気がします」
理子とジークリンデも、顔を見合わせ、微笑を交わした。
歌菜と羽純は、手を取り合い、
森の中の廃墟で、しばらくの間、静かに佇んでいた。
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last