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ミニイラストシナリオ

ミニイラストシナリオ

イラスト:透子 / ノベル:井上かおる

参加者

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ヴァイシャリーでも歴史あるレストラン、ドゥ・ラ・ヴァイシャ。
 この格式ある店に相応しい男女が客として訪れた。
「少し段差があるので気をつけて」
 白と紫を基調とした貴族的なスーツを身に纏ったメシエ・ヒューヴェリアルが手を差し出すと。
「ありがとう」
 シックな緑のドレスが麗しいリリア・オーランソートが、優雅にその手の上に自らの手を置いた。
 そのままメシエにエスコートされて、リリアは予約された席に向かう。
 メシエの予約した席は夜景の美しいバルコニー席だった。
 バルコニーといっても、足元に暖房が置かれていて、暖かい。
「私には暖かすぎるくらいだわ」
 首横から頭まで髪飾り風に咲いた白百合に触れながらリリアが笑う。
 店内に入ってきた時にはクールビューティー然とした印象のリリアだったが、笑うと気さくな印象に変わった。
(そんなところも似ている……)
 かつての婚約者と印象を重ねて、メシエはそんなことを思った。
 リリアはそんなメシエの心を知ってか知らずか無邪気に夜景を眺めた。
「綺麗ね。空の星も街の星も」
 イルミネーションを星に例えながらリリアは微笑み、カードホルダーにささったメニューに目を輝かせた。
「クリスマス特別ディナーなのね。楽しみだわ」
 ディナーはリリアの期待以上のものだった。
「すごく綺麗。崩しちゃうのがもったいないわ」
「おいしい……家庭では出せない味よね」
 料理が来る度に、リリアの表情がほころんだり、目を丸くしたり。
 メシエはそれに微笑みながら、相づちを打つ。
 2人の聖夜のディナーは瀟洒に楽しく進んだのだった。

 ディナーを終えた2人は巨大クリスマスツリーのある広場に向かった。
「まぁ、なんて立派な樹」
 花妖精らしく、リリアはまずはその樹の立派さに感心した。
「寒くないですか?」
「ええ、むしろ楽しくて暖かいくらい」
 心配するメシエにリリアは明るい笑顔を返す。
「本当に綺麗ね……あ、こっちからの方が良く見えそうよ」
 リリアがメシエを手招きする。
 その場所は巨大クリスマスツリー全体が眺められる場所だった。
「素敵ですね」
 メシエの言葉にリリアは文字通り花咲くように笑い、メシエに寄り添った。
「メシエにね、プレゼントがあるの」
 リリアは赤と緑の上品な包装のプレゼントをメシエに差し出した。
 箱を開けると、中からデザインの凝った銀の懐中時計が出てきた。
「お店で見たときにね、メシエにとても似合いそうと思ったの」
 笑顔のリリアにメシエも小さく笑った。
「私もリリアに似合いそうだと思って、これを買ったのですよ」
 メシエの用意したプレゼントは、煌めく星々をモチーフにしたティアラだった。
「さっき見た夜景がそのままアクセサリーになったみたい!」
 喜ぶリリアの頭にメシエがティアラを乗せてあげる。
 輝く星のようなティアラは、リリアの白百合とよく似合い、リリアの端正な美貌を際立たせた。
「綺麗だ……」
 思わず口から零れた言葉にメシエはハッとしたが、リリアは気付かず、ティアラに負けない輝く笑顔をメシエに向けた。
「こんなにクリスマスらしく過ごせるなんて嬉しいわ。ありがとう、メシエ」
 2人はそのままゆっくりと巨大クリスマスツリーを眺めて、静かなクリスマスの夜を過ごしたのだった。