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【帝国を継ぐ者・第二部】二人の皇帝候補 (第4回/全4回)

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【帝国を継ぐ者・第二部】二人の皇帝候補 (第4回/全4回)

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シナリオガイド

ついに訪れた選帝の儀 時代はどちらに傾くのか――?
シナリオ名:【帝国を継ぐ者・第二部】二人の皇帝候補 (第4回/全4回) / 担当マスター: 逆凪 まこと




◆◇◆前回までのあらすじ◇◆◇◆

 パラミタ最大の国家、エリュシオン帝国。
 その世界樹ユグドラシルの整備に従事する“樹隷”の少年セルウスは、エリュシオンの龍騎士たちの師“スパルトイ”の一人であるクトニウス(の頭蓋骨)に導かれ、コンロンを目指して帝都ユグドラシルを出ました。
 道中、ドワーフに育てられた少年ドミトリエと出会い、「セルウス捕縛」の命を受けた第三龍騎士団の天才剣士キリアナに追われながら、波乱万丈の旅路の末、ついにコンロンへと辿り着きました。
 しかし、そこでは謎の人物”ナッシング”が暴れさせている遺跡が、セルウスの行く手を阻んでたのです。
 ”もう一人の皇帝候補”と呼ばれている荒野の王によって、遺跡を止めることは出来ましたが、セルウスの力を完全に目覚めさせることはできませんでした。
 そんな最中にアスコルド大帝の訃報が舞い込みました。
 義理の妹エカテリーナと共にカンテミールへ向うドミトリエと別れ、セルウスはその葬儀に参列することになったのですが、そこで何の偶然かアスコルドの遺体に触れてしまい、ジェルジンスクの監獄へと送られてしまいます。
 そんなセルウスを助けに来たキリアナ達の協力もあって、ジェルジンスク選定神ノヴゴルドを狙ったテロリストの襲撃を防ぐことが出来ましたが、今度はセルウス達が「ノヴゴルドを暗殺しようとしたテロリスト」として荒野の王が討伐に向かってきたのです。その上、カンテミールではエカテリーナたちの敗北によって、選帝神の座もティアラ・ティアラに取られてしまいました。
 絶体絶命かと思われたセルウス達でしたが、契約者たちの尽力により荒野の王から逃げ切り、こちらもアキバのシブヤ化阻止を成功させたドミトリエ達と合流することができたのでした。

 しかし――それに焦ったのか、オケアノス選帝神ラヴェルデは、選帝の儀を急がせることにしたのです。



◆◇◆◇◆◇◆



オケアノス


「一緒に討伐されなくて良かったねぇ」

 エリュシオン帝国オケアノス地方。
 選帝神ラヴェルデ・オケアノスの邸へと無事帰還したクローディス・ルレンシア(くろーでぃす・るれんしあ)に、教導団大尉の氏無はのんびり声をかけましたが、クローディスは渋い顔です。
「そんなことを言っている場合か。追撃が中止になったかと思えば、この有様だ」
 そういって向けた視線の先では、落ち着きの無い様子のラヴェルデと、対照的に深くソファに腰掛けた荒野の王 ヴァジラの姿がありました。しかし、一見落ち着いて見える荒野の王ですが、表情には苛立ちが見え隠れしています。
「敵を取り逃がすなんて、初体験なんじゃあないかな?」
 氏無が遠巻きに意地悪く言うのに、クローディスは苦笑し「しかし」と呟くように口を開きました。
「あの薬はなんだったんだろうな」
「そうだねぇ……もしかして、ブリアレオスを動かせてる理由は、それかもしれないね」
 先の戦闘で、荒野の王が使用したという何かの薬。氏無はそれが、荒野の王とその特殊なイコン「ブリアレオス」の真相に繋がると見ているようです。考え始めた氏無に、それで、とクローディスは訊ねました。
「選帝の儀まで、猶予はどのくらいなんだ?」
「3日、ってところだねぇ。大帝の喪があけてすぐってことは」
 返答に顔色を変えたクローディスの肩を、氏無はぽん、と叩きました。
「まぁ急ぎなさんな。枝は付けといてくれたんでしょ?」
 頷いたクローディスに、氏無は続けます。
「まだ3日ある。足掻く時間はあるし、いざとなれば本物のテロリストにでもなるさ」
 氏無はどうやら、第三龍騎士団長のアーグラと、何らかの話を既につけている様子でしたが、そんな氏無にクローディスは漸く落ち着きを取り戻したのか、「その必要は無いさ」と首を振りました。
 首を傾げる氏無に、クローディスは視線をどこかに向けて、不敵に笑みを浮かべました。

「セルウスも私たちにも、心強い仲間がいるんだからな」



 一方で、ラヴェルデは落ち着き無く椅子の肘置きを指先で叩きながら「今度こそ」と呟いていました。
「今度こそ、だ。誰にも邪魔はさせん……あんな小僧一人、私に掛かればどうということもない」
 どこか自分に言い聞かせるようなラヴェルデの様子に、荒野の王は息をつきました。
「どうということも無いなら、放っておけばよいものを。余の即位は決まったようなものだと言うのに」
 呆れたように言いましたが「不安要素は、小さくとも残さず摘んでおかねば、思わぬところで足元をすくわれるものだ」とラヴェルデは首を振りましたが、気にしているのはもっと別の理由もあるようです。荒野の王は追及はしませんでしたが、ラヴェルデは独り言のようにぶつぶつと続けました。
「皇帝の座は、一つの段階に過ぎん……あの方の真の目的を、誰にも邪魔させるわけにはいかん」
 その呟きに、荒野の王は息をつきました。
「判っている。何……エリュシオン、ユグドラシルは直ぐ手に入る。後は全て、余に任せるがよい」
 不敵に言う荒野の王ですが、彼もまたセルウスのことを完全に無視も出来てはいない様子で、その目は敵を迎え討つための、戦意に満ちていたのでした。





エリュシオンの地下坑道



「3日後に選帝の儀やなんて……なんでそないに急な……」

 同じ頃、エリュシオン帝国地下に広がる坑道の一角。
 アーグラから秘密裏にその知らせを受けたキリアナは言葉を失いそうになっていました。
「それって、3日後に荒野の王が皇帝になっちゃうってこと!?」
 セルウスが声を上げましたが、キリアナは青い顔のまま首を振りました。
「皇帝となるには、選帝神様方の過半数の承認が必要どす……けど……」
 たとえ選帝の儀が行われたとしても、過半数の承認が得られなければ、皇帝が決定することはありません。その場合は再度やり直しということになるらしいですが、現状、一刻も早い次期皇帝を望まれている中で、その資質を示す者が居る以上、延長する可能性は極めて低いのです。今回の選帝の儀で荒野の王が皇帝となってしまうのは、殆ど確定でした。しかし。
「いや……逆にこれはチャンスかもしれない」
 そう呟いたのはドミトリエでした。
 そもそもの土台も無く、知名度も低い上、今だテロリスト容疑が完全に晴れたわけではないセルウスには、一人一人の選帝神を説得している余裕はありませんし、身の潔白を証明する余裕もありません。それならいっそ、選帝神が一堂に会するこの機会が絶好のチャンスだ、とドミトリエは言います。
「成る程ね。こちらには、本物のジェルジンスク選帝神もいらっしゃることだし」
 その意見には、スカーレッド大尉も頷きました。行方不明と言うことにされているジェルジンスク選帝神ノヴゴルドは、セルウス達と共に追撃者やテロリストから逃げ切った後も、邸に帰る途中などで狙われる危険性もあって、まだ同行しているしているのです。
「選帝の間では、小細工は出来んからの。最悪、汚名返上ぐらいは、この老体でも役に立てるじゃろう」
「後はあんた次第だな」
 ディミトリアス・ディオン(でぃみとりあす・でぃおん)はそう言って、視線をセルウスへと向け、ドミトリエも頷きます。
「全部ひっくり返せるかどうかは、お前が”皇帝にふさわしい”と認めさせられるかどうかにかかってる」
 集まった選帝神たちの前で、その素質を示すことが出来れば状況はひっくり返せるでしょう。ですが、問題は二つ。
 まずは、セルウスがその資質を完全に覚醒させること。そしてもう一つ。
「……セルウスはんの資質を示すためには、選帝の儀が行われる場所まで辿り着かなあきまへん」
 そう、選帝の儀の行われる、ユグドラシルの中でも最深部となる「選定の間」へたどり着く必要があるのです。
 世界樹ユグドラシルに仕える樹隷であるセルウスにとって、こっそり侵入できる場所に心当たりがあるようでしたが、キリアナの懸念は、自身の所属する第三龍騎士団の守護とテロリストの襲撃でした。
「突破するしかないでしょうね」
 スカーレッドが溜息をつくのに、キリアナも苦い顔ながら頷きました。
「第三龍騎士団については、ウチも何とかできへんか、やってみます」 
『ボクの方でも、何か出来ないかどうか探ってみるのだぜ』
 エカテリーナの方は、カンテミールの暫定選帝神ティアラ・ティアラに何らかのアクションを仕掛けるつもりで居るようです。同じように、スカーレッドやディミトリアス達も、それぞれ出来ることを、と動き出し始めました。
「あと3日、足掻けるだけ足掻いて、全部ひっくり返すぞ。お前も覚悟を決めろよ?」
「うんっ!」
 ドミトリエの言葉に、セルウスはこんな時だというのに嬉しげに、けれど力強く頷きました。


 こうして、セルウス達と契約者たちは、3日後の選帝の儀に向けて、行動を開始したのでした。
 


担当マスターより

▼担当マスター

逆凪 まこと

▼マスターコメント

はじめましての方ははじめまして
二度目以上の方は再びお目にかかれて光栄です、逆凪まことです

込み入って来ておりましたこの物語も、ついに最終回です
これまでご参加頂いた方も、今回初めてご参加になる方も
エリュシオン皇位継承争いの最後の一幕に、是非、挑んでいただけたらと思います

ちなみに今までの状況はこちらのマスターコメント欄等をご覧ください

▼帝国を継ぐ者 第二部

【帝国を継ぐ者・第二部】二人の皇帝候補 (第1回/全4回)
【帝国を継ぐ者・第二部】二人の皇帝候補 (第2回/全4回)
【帝国を継ぐ者・第二部】二人の皇帝候補 (第3回/全4回)


さて最終回となる今回は、エリュシオンの中心、ユグドラシルでの決戦となります
ガイド中は、第三回の直後ぐらいの状況ですが、実際の内容はこの3日後からの出来事となります
大詰めと言うこともあり、今回はいろいろと注意事項と特殊なルールがありますのでご注意ください
また、今回も全ての登場人物はそれぞれ全く違う理由の元で動いていますのでご注意ください

そして、この結果が、この後のエリュシオンの行く末に大きく影響を与えることとなります!
その分とても難しいシナリオになっていますが、その分のやりがいを楽しんでいただけたらと思います


※注意事項
今回もダブルアクションになるものに関しては、下記特殊ルールもあるため、バッサリ切られる確率が相当高くなっております
それぞれ該当のアクションをかけられる際は、ご注意ください

また、シナリオの性質上、リアクション中に選帝神イルダーナ、ラミナ、アルテミスが登場しますが
彼らは「今までと今回起こったことの結果」のみで選帝の判断を行いますので、直接アクションをかけることはできません



★今回の特殊ルール★

★特殊ルール:1

第二部の1〜3回のいずれかに参加された方に限り、メインアクションとは別に【事前準備】を行うことが出来ます

選帝の儀までの3日間の間に、当日までの色々な準備や裏工作を行えます
アクション欄に【事前準備】の項目を作ってご記入ください
ただし、あくまで事前準備ですので、リアクション描写はごくごく一部になります
※【事前準備】はダブルアクションではありませんが、【事前準備】内のダブルアクション判定があります
  余りあれもこれもと行動されると、失敗ないし不採用となる場合があります
  また、事前準備は必ず成功するものではなく、基本的にこれまでの行動、立ち位置や状況などに依存します
※現場指揮の氏無・スカーレッドの能力を超えた権限を発動することは出来ません
  第二部の第一回〜第三回までのリアクションに登場していない公式NPC、逆凪の担当していないNPCへのアクションは不採用となりますのでご注意ください


★特殊ルール:2

下記の行動の内【4:荒野の王と対峙する】で行動される方に限り【代替行動】の記載することができます
アクション欄に【代替行動】の項目を作ってご記入ください
例えば「セルウスが辿り着けなかった場合はこうする」「セルウスが覚醒できていなかった場合こうする」といったアクションです
これは、今回非常にシビアなシナリオであり、事前準備なども含めると実際対峙する時に「何が起こっているか判らない」ためで、本アクションか【代替行動】はどちらか一方の採用となります

※【事前準備】との併用は出来ません
 両方が書かれていた場合は【代替行動】が不採用となりますのでご注意ください
 


◆◆◆ 行動 ◆◆◆


【1:セルウスの覚醒】

ユグドラシル内部へ突入する傍らで、セルウスの覚醒が必要となってきます
覚醒のタイミングについては、こちらで参加する方のアクション次第となります
【事前準備】次第で、状況を大きく変えることが出来るでしょう

覚醒が不完全だった場合、荒野の王が皇帝になる確率が上がります


【2:ユグドラシルに侵入】

世界樹ユグドラシルには、樹隷という生い立ちから、内部に詳しいセルウスが先導して、身を隠しながら侵入し
選帝の儀の行われる、ユグドラシル最深部「選帝の間」へ向うため、まずはその為の入り口に向うことになります
幸い、行動の出口がユグドラシルの秘密の入り口近くにあるので、そこからユグドラシルに接近します
ですが、ユグドラシルの警備は第三龍騎士団が数名、周辺を警戒中のため、容易には近づけません
ただし、上空警備は薄れているため、騎士達は皆地上で見張っています
彼らの隙を突いて、エカテリーナの発明品によって隠れた入り口近くまで「すっ飛ばされる」ことになります
時間がかかりすぎると「選定の間」の妨害者が増えてしまうことになるので、注意が必要です


【3:選帝の間へ向う】

突入後は、内部に詳しいセルウスの先導で「選帝の間」へと向います
ですが、セルウスを皇帝にさせたくない、ナッシングやラヴェルデたちの勢力が
「選帝の間」への道で妨害してくるのは間違いありませんので、注意が必要です
選帝の儀が終わってしまう前に辿り着けない場合、荒野の王が皇帝になる確率が上がります


尚、選帝の儀の行われるユグドラシル最深部「選定の間」は、選帝神と候補者しか入ることを許されていません
そのため、第三龍騎士団長であるアーグラを含め、氏無、クローディス達も「選定の間」の扉の前で、警備などの名目で待機しています
第三龍騎士団員は、何故かその上の階の警備に回されており、姿は見られません
ラヴェルデの私兵や、独自の理由でセルウスを妨害する契約者が、待ち受けています


氏無は「セルウス側についたシャンバラ勢力からの護衛」という名目でいますが、実際はアーグラと共謀してセルウスの通過は黙認する立場です
もしもセルウス達が間に合わなかったり、状況が好転しない場合は「選帝の間」へ踏み込んで妨害するつもりでいるようです
ちなみに、中の様子を覗くことはできませんが、クローディスが荒野の王に盗聴器を仕掛けたため、中の会話をこっそり聞くことは出来るようになっています


【4:荒野の王と対峙する】

【1】〜【3】の結果次第で、どういった状況で、どう対峙することになるかが変わりますが
氏無、クローディスと共に、選帝の間に突入し、荒野の王と対峙することになります
※最悪の場合には、氏無は「選帝の儀を妨害するテロリスト」を演じ、あらゆる手段で時間を稼ぐつもりのようです

選帝の間には、選帝神と候補者しか入れないため、彼らの他は、ブリアレオス以外の姿は見えません
ラヴェルデをはじめとする選帝神たちは、選帝の儀に入った瞬間から、ユグドラシルの力によって結界のようなものの中に居るため、誰からの攻撃も受け付けることはありませんが、逆に結界の外への干渉も出来なくなっています
そのため、選帝神を守る必要はなく、同時に選帝神の力を借りることは出来ません

◆選帝の間
帝都ユグドラシルのなかでも最深部に位置する特別な場所で、世界樹ユグドラシルの意思に最も近付く場所と言われています
それぞれの地方を象徴する紋章が並び、天井の高い荘厳な空間で、樹に飲み込まれた円形の神殿のような様相をしています
構造は円形闘技場にも似ており、最上段に選帝神たちの立つ台座があります
その下に五段程の階段状の段差があり、それぞれの段に七本ずつ、柱が配置されています
また、中央にステージのようなものがあり、そこに候補者が立つようになっています


【5:その他】
判定はかなり厳しいことになりますが
このシナリオに関係があると思われる場所や行動に限り、上記以外での行動が可能です
事前準備をメインアクションとする場合以外では、ざっくり描写が削られる可能性がとても高いのでご注意ください


※他NPCの詳細は、マスターページに記載しています。 




※【帝国を継ぐ者】第一部、【●】のキャンペーンの詳細につきましては、お手数ですが下記ご参照くださいませ。

▼帝国を継ぐ者 第一部

【帝国を継ぐ者】追う者と追われる者 第一話
【帝国を継ぐ者】追う者と追われる者 第二話
【帝国を継ぐ者】追う者と追われる者 第三話

▼月乞う獣、哀叫の咆哮
【●】月乞う獣、哀叫の咆哮(第1回/全3回)
【●】月乞う獣、哀叫の咆哮(第2回/全3回)
【●】月乞う獣、哀叫の咆哮(第3回/全3回)


本シリーズの扉絵はしいら まさきさんに描いて頂いております!

▼サンプルアクション

・【2:ユグドラシルに侵入】

・【3:選帝の間へ向う】

・【4:荒野の王と対峙する】

・【5:その他】

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年03月28日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年03月29日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年04月02日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年05月09日


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