シャンバラ教導団

　契約者達が、東シャンバラの南端にある渓谷に、合宿に訪れて数日が過ぎました。
　古びた建物も随分と片付き、交代で利用しています。
　しかし、全員が寝泊りする広さはありません。
　寒さが厳しくなってきたこともあり、改築、増築が必要と思われます。
「さて、合宿所の増築と平行してそろそろやらなきゃならないことがある」
　この合宿の責任者であるゼスタ・レイラン（ぜすた・れいらん）が皆を庭に集めて指示を出していきます。
「さっぱり動きのない賊のアジトだ。そろそろ強襲して宝を回収すべきだな」
　アジトの中に賊が残っているのなら、そのうち出てくるだろうと見張っていましたが、数日間全く動きはありません。
　他の出口がある可能性も考え、周辺も見張っていましたが同様に賊の気配はありませんでした。
「けど、それより重要なこともある。……そう、伝説の果実だ！！」
　毎日の探索で、伝説の果実らしき果実の目星はついています。
　その果実を採ってきて、実際にスイーツを作ってみるようゼスタは促していきます。
「もうすぐ俺の誕生日だし、とびっきり美味いのを頼むな」

　イルミンスール魔法学校の教師であり、魔法考古学者のグレイス・マラリィンと、占い師で魔法学校の元教師そしてアーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）の古い友人でもあるリーア・エルレンは、建物で見付かった本や道具を調べています。
「効果はよく判らないんだけれど……多分、魔法を封じ込めていたんだと思う。使いきりタイプの道具ね」
　リーアは地下室で見付かった金属を手に、そう言いました。
　魔法を封じ込めておき、魔法を使えない人物でも発動できるようなそんな道具を作っていたようだと。
　その他、長期間使用できるマジックアイテムも作っていた可能性もありますが、そういったアイテムは残っていませんでした。
「それからこの木片の過去を見ていてわかったのだけれど、あの地下室の本棚、二重底になっているみたい」
　リーアには過去を見る能力があります。とはいえ、本来の力を失っていることもあり、現在は本当に漠然としか見えません。
「そうか……あの棚、なんだか違和感があると思ったんだよな。生徒達もなんか気になると言っていたし。動かしてみたら、後ろに何か残ってたりしてな」
　グレイスは、後ほど生徒達を誘って動かしてみようと言いました。

　賊船に乗っていたユリアナ・シャバノフは、西シャンバラの契約者達に護られテントで生活しています。
「対の魔道書を手に入れたら……会いたい人がいるの。会いに来てくれる約束だから。それもあって、私はヴァイシャリーには行きたくない」
　ユリアナは、李　梅琳（り・めいりん）と、西シャンバラの契約者達にそう言いました。
「例え連れていかれたとしても、脱走するつもり。……ねえ、西シャンバラに帰れる方法ないかな？　裁判なら西シャンバラで受けるわ。東には言えないこともあるから」
　東シャンバラのロイヤルガードを説得して欲しいとユリアナは言います。

　ユリアナのパートナーを含む、賊のリーダー格の男達は、テントで拘束されており、東西のロイヤルガード達が交代で監視をしています。
　アジトについては、頻繁に利用しているわけではないので、現在の状況はわからないと言っています。
　その日、ミルミ・ルリマーレン（みるみ・るりまーれん）とライナ・クラッキル（らいな・くらっきる）は、賊達への食事を持ってそのテントに向かいました。
　食事を運んでいたライナの目に、ユリアナのパートナーである魔道書の男性の姿が入りました。
「……あ……っ」
　途端、ライナは目を見開きました。
　そして持ってきた食料をどさりとその場に置くと、飛び去ってしまいました。
「ライナちゃん？　ライナちゃーん」
　すぐに、ミルミが追いかけ、遠くに行く前に彼女に飛びついて抱きしめました。
「ミルミおねぇちゃん……私、かえりたい……かえりたい……」
　ライナは小刻みに震えていました。
　２人きりでミルミが話を聞いたところ、あの男性を昔、シャンバラ古王国時代に見たことがあるとライナは言いました。
　良く覚えてはいないけれど凄く悪い人だと、泣きそうな顔でライナは震えています。

　合宿所の会議室に戻ったゼスタの携帯が鳴りました。
「神楽崎どうした？　俺の助けが必要になったかー。『貴方が必要なの、お願い助けてっ』とか可愛らしく言ってみろよ」
　上機嫌で電話に出たゼスタですが、パートナーの神楽崎　優子（かぐらざき・ゆうこ）からの連絡に、表情が少しずつ硬くなっていきます。
「……了解。上手くやれって言っておく」
　一通り話を聞いた後、ゼスタは不敵な笑みを浮かべながら電話を切りました。
　それから、会議室に東シャンバラのロイヤルガード隊員達を集めて、こう話したのです。
「こっちの方にエリュシオンの龍騎士団の分隊が向かっているらしい。おそらく賊の宝が目当てだ。遭遇した場合は上手く話をつけるか……西側の奴等に任せろ」
　万が一交戦になるような事態に陥った場合は、自分達を含め東シャンバラの契約者がエリュシオン、西ロイヤルガード、どちらに対しても手を出すことのないよう警備や避難に努めるように。
　龍騎士団との交戦は、西シャンバラの契約者達が行うように仕向けろとのことです。

こちらは、優先学園なしのキャンペーンです。
今回から参加の方も大歓迎です。第１回のガイドもご確認の上、ご参加いただければと思います。
この合宿は長期間行われています。
用事で戻ったり、新たに参加したりで、数日ごとにメンバーの入れ替わりがあるとお考え下さい。

色々裏がありそうですが、気にせずほのぼの合宿や温泉を楽しんでいただいて構いません。

こちらのシナリオではロイヤルガードに志願できます（認められるかどうかは、アクション等によります）。
今回は志願理由、ＰＣの思いをお聞かせいただければと思います。
特別な立場に就くということは大変なことでもありますので、よくお考えになり決めていただければと思います。

今回のガイドに書かれている話は、小耳に挟んだなどとして、どなたでも知っているとしていただいて構いません。
尚、第１回のリアクション内で、ユリアナが西シャンバラのロイヤルガードだけに話した話だけは、あの場にいた（前回参加された）西ロイヤルガード隊員以外の人物は知りえない情報となります。
ＰＣ間での情報交換はしていただいて構いませんが、その際には互いのアクション欄に交換した相手の名前を必ずお書き下さい。

『状況説明等』
●建物１階
台所（２０人位入れる食堂）、居間（会議室。夜間は引率者男性の寝室）、倉庫（魔法の罠がある部屋）、医務室、トイレ

●建物２階
１０畳くらいの部屋４部屋（引率者の部屋、男子用の部屋、女子用の部屋、書斎らしき部屋←用途未定）

●建物地下
作業部屋（講義や訓練に利用。全員が入れるくらいの広さがある）

※建物内に電化製品の類はありません。石窯や暖炉等があります。

●警備体制
自主的に交代で警備についている方がいます。
テントが合宿所を取り囲むように立てられており、パラ実生や体力のある者は警備も兼ね、テントで生活しています。

●温泉
板で半分に仕切られています。更に山側は板で囲まれています（景色は殆ど見えません。元々薄暗いですが）。
６時から９時及び１８時から２３時の間は仕切りの川側が男性用。山側が女性用となります。
その他の時間は混浴です。好きな方に自由に入ることができます。

●伝説の果実
イチジクのような果実です。まだ食べてみた人はいません。
１ＰＣ１個まで入手が可能です。但し、前回探索に出た方は２個まで入手可能とします。

●湯浴み着（湯着）
若草色の湯浴み着です。身体に巻いて、ボタンで留めます。濡れても透けません。
女性用は胸から膝くらいまで。男性用は腰から膝くらいまでの長さです。
脱衣所は出来ていないので、（普通の人は！）テントか合宿所でこの湯着を纏って温泉に向かうことになります。

●主に行う事
・賊のアジト探索
・合宿所増築
・温泉更衣室作り
・食材確保、農作業
・スイーツ作り

※温泉で実習？は第３回で行う予定です。ほのぼの温泉に入りたい方、温泉で行いたいことがある方は今回行っておくと良いかもしれません。
※合宿に参加しているメンバーはほぼＰＣと同行ＮＰＣのみです（名無しＮＰＣは１０人未満）。

●龍騎士団分隊
龍騎士１人（分隊長）、従龍騎士９人。乗り物は全てワイバーンです。従龍騎士は５０レベル前後の人間の兵士です。

●合宿参加ＮＰＣ（行動予想）
ゼスタ・レイラン（合宿所内で全体指揮、スイーツ味見）
ミルミ・ルリマーレン（ライナの傍で励ましたり、ミクル温泉に誘ったり、雑用したり）
ライナ・クラッキル（リーアに相談に行く？）
ファビオ・ヴィベルディ（賊監視、アジト探索）
グレイス・マラリィン（地下調査）
リーア・エルレン（契約者達のサポート）
ミクル・フレイバディ（温泉関連？　アジト探索？）
ブラヌ・ラスダー（温泉、力仕事、スイーツ作り？）
李　梅琳（西シャンバラと連絡とったり、ユリアナと会話したり）
ユリアナ・シャバノフ（アジト探索同行）
ユリアナのパートナー（アジト探索同行？）

ＮＰＣは必要性がない場合、描写を行わない可能性があります。

それでは、アクション楽しみにお待ちしております。

・温泉に入る！

・スイーツを作りティータイム

・俺の部屋を作る！

・地下を調べる

・アジト探索