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【真ノ王】それは葦原の島に秘められた(後編)

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【真ノ王】それは葦原の島に秘められた(後編)

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シナリオガイド

カタルと房姫。大いなる脅威から葦原島を護れ!
シナリオ名:【真ノ王】それは葦原の島に秘められた(後編) / 担当マスター: 泉 楽

 無機物のみを斬り、人の感情を操る剣「風靡」を狙ったオーソンたちが、名牙見砦から撤退した直後、明倫館に戻ったハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)の元にゲイル・フォード(げいる・ふぉーど)が書状を持ってやってきました。
オウェン殿からです」
梟の一族」のオウェンは、一族の始祖イカシに力を貸した謎の人物について調べるため、葦原島を飛び回っていました。無論、一人では限界がありますが、幸い、一族の若者たちが何名か協力を申し出てくれました。
 書状に目を通したハイナは、「これはまた……」と厳しい表情を見せました。
 オウェンたちの調べによれば、同一と思しき人物の言い伝えが各地に残っていました。それらの話を合わせてみたところ、どうやらその人物は、いずれ大きな脅威が葦原島を襲うことを見越していたというのです。
 オーソンは「葦原島は餌だ」と言い残しています。文字通り、この島に向かっている大きな「何か」は、ミシャグジ――即ち葦原島のエネルギーに惹かれているらしいのです。従って、遅かれ早かれ、その「何か」は島に辿り着くことになります。
 謎の人物は、それを回避するため、餌であるエネルギーを反転させ、「質」を変える――そのための仕掛けをイカシに施していました。
「まるでソウルアベレイターのようでありんすね」
 ソウルアベレイター、――魂の逸脱者。ハイナは、彼らが使う【カタストロフィ】を思い浮かべました。
 時が来れば「鍵」を使い、イカシの血に連なる者に潜ませた力を呼び起こす。それが、かの人物の計画だったのでしょう。ところが、長い時を経てその術は失われてしまいました。「鍵」が何であるか、どうすればその血を起こせるかが、オウェンたちは見つけることが出来ませんでした。
 そして書状には、苦渋に満ちた一文が付け加えられていました。
『再びカタルに頼らねばならぬことを、大変遺憾に思う』――と。
「それで、カタルは?」
「ともあれ、明倫館に向かっております」
「万全の警護体制を、と丹羽 匡壱(にわ・きょういち)に伝えなんし」
「承知しました」
 ゲイルと入れ違いにやってきたのは、葦原 房姫(あしはらの・ふさひめ)です。
「御筆先がありました。……おそらく、私に葦原島に近づく存在を伝えようとしていたのと“同じもの”から」
「まさか……『鍵』についてでありんすか?」
「『蛇の口に飛び込み、少年を剣で導くべし』」
「蛇――は、ミシャグジ? 少年は――カタルでありんしょうね。すると剣――『風靡』でありんすか? 『風靡』が『鍵』?」
 房姫は頷きました。
「『風靡』にそんな役割まであったとは……。とは言っても、誰が使えばいいのでありんしょうか……」
 ハイナは、房姫が自分を真直ぐに見つめていることに気付きました。
「まさか」
 引き結んだ口を、房姫はゆっくり開きました。
「はい。私の役目のようです」
「……危険でありんすよ」
「承知の上です」
「止めても無駄でありんすね……」
 房姫は微笑んでいましたが、その目には強い力――決意が見えました。
 ハイナは触れを出しました。
「オーソンたちの襲撃は必至。房姫を守りながら、ミシャグジの内部、その最奥へ向かうでありんすよ!」

*  *  *


 ハア、ハア、ハア……。

 一筋の光も差さないその部屋で、聞こえてくるのは荒い息づかいのみでした。
 やがて軋んだ音を立ててドアが開きました。血の気の引いた頬に、ふわりと柔らかい布が触れ、ユリンは顔を上げました。霞む目に映るのは、
「パ……パ……」
(苦しいか、我が娘よ。今、楽にしてやる)
 オーソンがそっと、ユリンの唇に己のそれを重ねると、徐々に頬に生気が戻っていきました。


「ユリンの調子はどうです?」
 手の中で将棋の駒を弄びながら、漁火は尋ねました。二人の間には盤が置かれていますが、オーソンはあまり興味がなさそうです。時たま手を動かしては、ぱちん、と鈍い音を立てます。
(問題ない。それより、「風靡」は本物なのだろうな?)
「捕えた娘で試してみましたよ。傷一つついちゃいません。何なら、見てみますか? ま、本人は気を失っていたから、何をされたか分かっちゃいないでしょうけどね」
(では、ユリンの体力が回復次第、鏡を破壊するため、アモン・ケマテラの体内へ向かう)
「それがねえ、ちょいと問題が起きましたよ。カタルがこっちに向かっているようです」
(イカシの子孫だったな。そうか――あいつが、何か仕込んでいたか……)
「どうします?」
(邪魔をされると面倒だ。ユリンはそちらへ向かわせよう)
「じゃあ、あたしが翼ある大蛇――おまえさんはアモン・ケマテラって呼んでましたね――あっちに行きますよ」
(いや、私が行く)
「あたしが信用できないってえことですか」
 オーソンは答えません。漁火は笑いました。
「別にいいですけどね。おまえさんお一人じゃあ、まともに戦えもしないでしょう? そうそう、あの娘を連れていくといいですよ。見張りに機晶姫をつけてね」
(……好きにしろ。だが、邪魔は許さん)
「そうします」
 漁火は悪戯っぽく笑うと、パチリ、と飛車を置きました。
「王手飛車取りですよ」

担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

■10/24追記
後編からの参加の場合でも、機晶姫、剣の花嫁が操られているとしても問題ありません。


泉 楽です。「それは葦原の島に秘められた(後編)」シナリオガイドをお届けします。このシナリオは【●】関連(“真の王”関連)のシナリオとなります。

後編でのメインの話は、二つになります。
1.カタルを明倫館に届ける
隠れ里から明倫館に向かいます。町や表街道を通ることもあれば、裏街道や山道を通ることもあります。護衛する人は、どのように守るかをアクションに書いてください。
逆に邪魔をしようという人は、どのように襲うかをアクションに書いてください。
NPCでは、丹羽 匡壱とオウェンが護衛につく予定です。

2.ミシャグジの洞窟へ行く。
房姫と共に洞窟へ行き、カタルを待つと同時に鏡の破壊を妨害します。鏡が破壊されればすぐにミシャグジは復活しますが、放っておいてもいずれは復活します。ただし、【カタストロフィ】を使えるソウルアベレイターがいれば、時間稼ぎになります。
洞窟は竪穴になっています。中では飛行は出来ず、傀儡という人形が襲ってきます。この傀儡は幻術を使うこともあります。ただし、オーソン及びその味方は襲われません。

また、サブストーリーとして、捕えた黒装束、操られていた機晶姫、剣の花嫁について調べることができます。NPCの北門 平太はこちらで動く予定です。
操られている機晶姫、剣の花嫁たちはパートナーの前に現れますが、どうしても戦いたくない、他のPCさんに任せたい場合は、その旨をお書きください。

PCの一雫 悲哀さんは、オーソンたちに囚われています。人質としてミシャグジの洞窟へ向かってください。

「梟の一族」について詳しくは、「葦原島に巣食うモノ」第一回第二回第三回をお読みください。もちろん、読んでいなくても問題はありません。
ただ、後編から参加される方は、前編をお読みになることをお勧めします。途中参加は大歓迎です。

なお、文中にあるミシャグジ、翼ある大蛇、アモン・ケマテラは全て同一の存在で、葦原島本体です。時代によって呼び名が違うだけです。

「漁火の欠片」を使用することができます。誰かに貸す場合は、その旨をお書きください。
また「超獣の欠片」については、能力自体は使用できませんが、持っていればマニの欠片に反応します。

それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

その他NPC情報
▼カタル
ミシャグジを封印する「眼」を持つ「梟の一族」の少年です。現在、年は十五歳。今回、隠れ里から明倫館へ向かいます。

▼オウェン
「梟の一族」の一人です。「眼」の力は持っていません。棒術使いですが、契約者と比べて戦闘力はあまり高くありません。年齢は三十代半ば〜後半。右腕は機晶姫の腕です。

▼オーソン
元ポータラカ人。ミシャグジを復活させようとしていますが、真の目的は別にありそうです。黒装束や機晶姫、剣の花嫁を連れてミシャグジの洞窟へ向かいます。ベルナデットをユリンの代わりに護衛として連れています。

▼ユリン
オーソンを「パパ」と呼ぶ謎の少女です。戦闘力が高く、倒すのは困難です。

▼漁火
ミシャグジ復活を目論む謎の女です。ミシャグジの洞窟に向かいますが、詳しい行動は不明です。「漁火の仲間」の称号を持っているPCとその仲間は、共に行動を取ることが可能です。

ベルナデット・オッド
北門 平太のパートナーです。今はオーソンに操られているらしく、一雫 悲哀さんを連れてミシャグジの洞窟へ向かいます。

▼サンプルアクション

・カタルを明倫館に送り届ける

・房姫と共にミシャグジの洞窟へ行く

・平太と共に黒装束及び機晶姫、剣の花嫁について調べる

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年10月23日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年10月24日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年10月28日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年11月13日


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