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夏休みの大事件

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シナリオガイド

補習と梟の一族と漁火の欠片
シナリオ名:夏休みの大事件 / 担当マスター: 泉 楽

「何しょぼくれた顔してんだよォ?」
 食堂で北門 平太(ほくもん・へいた)を見かけた仁科 耀助(にしな・ようすけ)は、彼の前に座りながら声をかけました。同じ新入生、それも隠密科同士なので二人は親しいのです。
「これから実技のテストなんだよ。元気なんか出るわけないじゃない」
 ああ、とカレーライスを口に放り込みながら、耀助は頷きました。なぜか間違えて――本人曰く――隠密科に入ってきた平太には、運動音痴という致命的な弱点があり、これまでも実技に関しては同級生に後れを取ってきましたが、学期末の試験は全て赤点という状態だったのです。
 結果、夏休みの大半を潰しての補習と相成りました。
「そう凹むなって。お前だけじゃないんだから」
「耀助さんはいいよね……」
 耀助もまた、授業をさぼってバイトに勤しんだ結果、単位が足りずに補習を受ける羽目になっていました。これは単純に耀助の計算ミスです。足りたはずなのに、と一学期終わりの日、耀助は何度も指を折りました。もっとも、戸隠流忍術の使い手である耀助にとって、実技の方はそれほど問題ではありません。
 この二人だけでなく、成績が僅かに足りない者、それぞれの階梯を突破をするために自主参加する者もいます。今日は補習の最終日で、平太が言うように実技の試験があります。食堂にちらほら混ざっているのは、その手伝いを要請された他校生です。
「あれどうしたんだ? ほら、憑りついてる奈落人」
「武蔵さん?」
 平太には宮本 武蔵(みやもと・むさし)ベルナデット・オッド(べるなでっと・おっど)という二人のパートナーがいます。隣に座るベルナデットは、武蔵の名前を聞いてムッとしましたが、表情に乏しいため誰もそれに気づきませんでした。
「そうそれ、ヤットウの方はかなりのモンなんだろ? せっかくの奈落人、活用しないでどうする?」
「それ、ズルじゃないの? それに駄目だよ、あの人、自分に興味がないことは全然やる気ないんだから」
「お前は真面目だなあ。じゃあ、どうするんだよ?」
「う゛……が、頑張る……よ」
 平太はオムライスを分解しながら、ぼそぼそと答えました。

*   *   *


 葦原明倫館の総奉行の毎日は書類に埋もれ、時間に追われ過ぎていきます。たまに気晴らしと称して外に出ることもありますが、その分、やるべきことが溜まっていくのも道理。
 学校は夏休みに入っていましたが、ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)は山積みの書類に目を通していました。一枚一枚確認し、判を捺していると秘書が客の訪問を告げました。
 おや、とハイナは訝しく思いました。この秘書が「仕事が終わるまでは外部との接触は禁止」と非情なまでの通告をしたのは、つい一時間前のことです。
 しかし、その客を見てハイナは納得しました。
 この春、葦原島を襲った「ミシャグジ事件」――それを解決する手助けをしてくれたオウェンだったのです。
「ご無沙汰しております、総奉行」
 オウェンの右腕はその時に切断され、今は機晶姫の腕がついています。調子はどうかと尋ねると、
「上々です。しかし出来れば、診てもらいたいと思っております。里には機工士がいないものですから」
「手配するでありんす。積もる話はありんしょうが、――まさかそれが目的ではないでありんしょう?」
 オウェンは頷きました。仲間のヤハルが死んだため、斥候の役目を代わったことも町に出てきた理由の一つですが、何より、
「こちらで調べて頂きたいことがあるのです」
「と言うと?」
ミシャグジ」を封じる特殊な「眼」――今、これを持つ者は「梟の一族」の中でもカタルという少年、ただ一人です。しかしカタルの「眼」の力は強すぎ、普通の生活が送れないのが現状です。どうにか力を抑えることはできないか、里に戻ったオウェンは一族の伝承を調べ始めました。
「喋る犬?」
「正確には、黒い犬です」
 一族の始祖はイカシという女性でした。災いしかもたらさない彼女の能力を、葦原島を救うために使った、ある人物がいます。その人物の傍に人語を解する黒い犬がいたというのです。犬はその人物の下僕(しもべ)ではなく、対等だったことから、獣人なのだろうとオウェンは考えました。当時は、葦原島にはそれほど獣人がいなかったはずです。
 その人物の正体が分かれば、「眼」の力を抑えるヒントになるかもしれない。それには黒い犬の正体が分かれば――。
「なるほど、それで調べてほしいと」
「お願いできますか?」
「ちょうど<漁火の欠片>について調べているところでありんす」
 ミシャグジを復活させようとしていた漁火が残した欠片。町の復興に手を取られ、なかなか出来ませんでしたが、いよいよ本腰を入れて調査することになったのです。
「大々的に調査班を集めるでありんすよ」
 ハイナはにっこり笑い、この件についての書類に判を捺しました。

担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

こんにちは。泉 楽です。八月も半ばを過ぎ、私が住んでいるところは連日の猛暑はどうにか峠を越したようですが、皆さんの体調はいかがでしょうか? 私は風邪をひきました。
今回の話はタイトル通り、夏休み真っ最中の出来事です。
試験や梟の一族、漁火の欠片などちょっと盛りだくさん(?)ですので、以下のコメントを読み、注意してご参加ください。
試験が入っているため明倫館の生徒が有利ですが、どの学校の生徒でも参加可能です。
なお、基本的に(漁火の欠片を提供するPC以外は)ダブルアクションは不可ですのでお気を付け下さい。


○「梟の一族」やオウェン、カタル、また漁火について、詳しくは「葦原島に巣食うモノ」第一回第二回第三回を参照してください。もちろん、事件のことを何も知らないという設定での参加も可能ですので、読んでいなくても問題ありません。
 ▼オウェン
 ミシャグジを封じるためだけに生きてきた「梟の一族」の一人です。棒術使いですが、戦闘力は契約者と比べて左程高くありません。現在、右腕は機晶姫の腕となっています。

○試験内容はある屋敷に潜入し、巻物を盗み、無事に届けるというものです。半日かけて行われます。
原則、三〜四人一組とします。パートナーもしくは、グループアクションで組んでください。一〜二人で参加される場合には、こちらで適当に組み合わせるか、耀助&那由多もしくは平太&ベルナデットと組んでもらいます。
主な関門は以下の四つです。
1.屋敷への潜入。
2.巻物を探す。
3.屋敷の人間との戦闘。
4.合流地点へ届ける。

○サンプルアクションの補足

・試験官をする
明倫館の生徒以外がかけられるアクションです。「要請されて手伝いに来た」という設定になります。上記の1〜4から選び、どのように邪魔をするか書いてください。「ハイナのお茶会」とは違い、落とすことが目的なので好きなように暴れてください。ただし、屋敷を破壊するようなスキルやアクションは不可とします。
参加者が誰もいなかった場合、真田佐保などのNPCが試験官となります。

・試験を受ける
明倫館の生徒のみかけられるアクションです。学年・学科は問いません。
一人につき1〜4から一つを選び、どのようにクリアしていくか書いてください。試験官は落とすために邪魔をしてくるので頑張って対抗してください。ただし、屋敷を破壊するようなスキルやアクションは失格(不合格)となりますのでご注意ください。
NPCでは、平太&ベルナデット、耀助&那由多が参加予定です。

・漁火の欠片を提供する
欠片を持っているPCのみ、かけられるアクションです。【漁火の欠片を持つ】の称号を付けてご参加ください。無論、提供は強制ではありません。
このアクションは、欠片を提供した上で別のアクション(調べるor他のこと)をかけることが可能です。

・漁火の欠片を調べる
どんな効果があるか、想像して試してみてください。
例「持っていれば空を飛べるかもしれないので、ちょっと飛んでみる」
実験の過程と結果がリアクションになります。

・喋る黒い犬について調べる
どのような方法で調べるか書いてください。どの学校の生徒でもかけられます。

それでは皆様のご参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・試験官をする

・試験を受ける

・漁火の欠片を提供する

・漁火の欠片を調べる

・喋る黒い犬について調べる

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年08月18日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年08月19日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年08月23日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年09月07日


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