天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

【海を支配する水竜王】リヴァイアサンを救出せよ

リアクション公開中!

【海を支配する水竜王】リヴァイアサンを救出せよ

リアクション


第11章 孤島の施設・・・崩壊

「もうムカツク!あいつらに逃げられちゃった。しかも戻ってきたら、いつの間にか水竜が水門の中からいなくなっているし!」
 幸たちに逃げられて施設内監視室に戻ってきた姚天君は、水竜が救出されてたことを知り、壁をドスドス蹴りながら怒鳴る。
「何・・・?火事・・・?きゃぁっ」
 遥遠が奇襲をかけ、監視室内へ爆炎波を放つ。
「まずいですね。それなりの強敵がいるかもしれないと覚悟していましたが、まさか姚天君がいるなんて」
 ファイアストームで部屋を焼こうとした遙遠は、このまま逃げようか考える。
「よくもやったわね・・・。てっ、言いたいところだけど。勝手にすれば?その代わり、生き埋めになっても知らないから」
「ずいぶんと強気ですね。ここを破壊されては困るんじゃないんですか?」
「魔力を貯蔵したタンクは壊されちゃったし、もうここには用ないわ」
 それだけ言うと姚天君はケースを抱えて監視室から出て行く。
「ねぇ董天君、どこかにまだ貯蔵してるタンク残ってたっけ。一部はもうケースに入れて持っているのね?分かった、今そっちに行くから」
 無線機で連絡して施設の外へ出る。
「本当に行っちゃいましたね。まぁ、はったりかどうか分かりませんけど、壊してしまいましょう」
 遙遠は監視室をファイアストームで破壊し、施設の外へ出ようと走る。



「出口はたしかこっちだったわよね」
 ゴーストに襲撃されないよう、殺気看破で警戒しながらアリアは施設の出口へ向かう。
「侵入者どもめ、好き勝手暴れやがって。見つけたらただじゃすまさねぇ」
「おい、奥の通路に女がいるぞ」
 ゴースト兵はアリアを見つけ、捕縛しようとロープを手に追いかける。
「そんな・・・。せっかく出られると思ったのに、こんなところで見つかるなんて」
 捕まりたくないと、アリアは必死に逃げる。
「逃げるんじゃねぇ小娘!」
 ロープを投げて逃げようとするアリアを捕まえる。
「はっ、離して!」
 身体をロープで縛られそうになり、手足をばたつかせて必死に抵抗する。
「暴れるんじゃねぇよっ」
 食用のワームのような赤い虫を、アリアの服の中に入れ、くいつかせた。
「虫!?きゃぁあっ、いや・・・いやぁ!痛い、やめてぇえ!あぁああー!!」
 身体のあちこちを虫に噛まれたアリアが泣き叫ぶ。
「そいやこいつ、牢から逃げたヤツだよな?もう外へ出る気にならないように、屋上へ吊るしてやろうか?」
「・・・・・・やめて、それだけは・・・・・・いやっ、いやああああああああああ!!」
 衣服を兵に剥ぎ取られ、アリアは想像を絶する恥辱を与えられる。
「はぁ、はぁ・・・・・・もう、やめて、もういやぁ・・・・・・」
 甚振られまくったアリアの心はもう折れそうだ。
「ふぁ、んぁ・・・・・・このおっ!」
 拘束を逃れようと暴れ、武器の聖化でブライトグラディウスに聖なる気を宿らせて、兵の胴体を薙ぎ払う。
 上の階か崩壊する音が聞こえ、瓦礫と一緒に海へ沈まされてはたまらないと必死に走る。



「さっき出て行ったので最後かな?」
 仁科 響(にしな・ひびき)がアリアに続き、アシャンテたちが施設から出たのを確認して食堂へ戻る。
「お帰り、ご苦労様」
 食堂に入ると弥十郎が声をかけてきた。
「もう逃げ遅れてるのはいない?」
 リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)は食堂の外を見て確認する。
「施設を破壊するの?」
 外へ出ようと食堂の傍を通りがかったローザマリアが声をかける。
「えぇそうよ」
「それならこれ使って」
 グロリアーナが8階で見つけエタノールとリンを渡す。
「ありがとう」
 受け取ったリカインは、それを廊下に撒く。
「あっ、こっち。こっちよ!」
 牢から脱出したヴィゼント・ショートホーン(びぜんと・しょーとほーん)を見つけて駆け寄る。
「階段の方に流しても大丈夫よね」
 下の階もしっかり燃えるようにリカインは、ボトルを開けて地下の階段へ流す。
「はいコレッ、合図したら施設の中に投げて」
「了解しました、お嬢」
 リカインからボトルを受け取る。
「そろそろ出てもいいですか?」
 食堂に戻ると天夜見 ルナミネス(あまよみ・るなみねす)が棚の中から小声で話しかける。
「えぇ、出てもいいわよ」
「はぁ・・・ようやく出られますね」
 棚から出るとルナミネスは疲れたように背伸びする。
「食堂の外で待機していますね」
 ボトルを抱えて食堂から出る。
 仲間が全員食堂から出たのを確認し、ゴースト兵の武器を狙って雷術を放ち、響も廊下へ出る。
 食堂から敵が出て行かないよう、弥十郎に扉の蝶番を壊してもらい、アシッドミストと火術で扉を溶接する。
「(いつか、僕が死んだ時に友達になれるといいな・・・)」
 そう心の中で呟き、施設から出ていく。
「逃げてくださいーっ」
 遙遠と遥遠の2人が廊下を走り、施設から逃げるように出る。
「え・・・どういうこと?何あれ!?」
 不思議そうにリカインが首を傾げると、2階の方から海水が流れ込んでくる。
 施設のシステムを破壊した影響で、ポンプが海水の量の制御を出来なくなり、通路へ溢れて1階へ流れてきたのだ。
 リカインたちはボトルを施設にばら撒き、外へ出て投げて逃げるように島から出る。
 ズガァアンッ。
 施設は大爆発を起こして崩壊した。