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ヒラニプラ南部戦記(最終回)

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ヒラニプラ南部戦記(最終回)

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7-04 追手

 前回、南部諸国において攻め入り教導団と王家の前に敗れたパラ実勢300。
「覚えとれよ、ひゃっはー!! あとでぶっ殺す!」
 王子に許され、捨て台詞を吐いて退いていった彼らであったが……後、教導団は彼らに追っ手を差し向けた。
 兵を率いるのは、もと輸送隊を預かった大岡 永谷(おおおか・とと)の一行。パルボン騎兵らの機動力を生かし、一気に追撃をかける。
「エイミーさんと協力して叩くんだ。
 功は焦るな? 戦死しては、意味ないぜ?」
 永谷は逸る兵らに呼びかける。
 もっとも敵は壊走しすでに指揮系統を欠いている兵、いや不良どもだ。今後また厄介なことを起こされる前に討つべし、それにちょうど兵たちの餌にいいだろう。永谷は見えてきた敵勢の背後に、上げた手を振り下ろした。
 騎兵を先頭に、突撃をかける。
「エイミーさん」
「ああ。こっちも行くぜ!」
 エイミー・サンダース(えいみー・さんだーす)を先頭に、クレアの兵が続く。
 エイミーは、敵将を探した。――上のやつを見つけて潰す、前回同様これが基本だな。
「ひゃぁぁ」「ひゃっはぁぁ許して!」「汚いぞ! 逃がしてくれたんとちゃうんかい!」
「戦はそう甘くはない」
 永谷のもとからパルボンリッターが敵陣を縦横無尽にかき乱す。次々、討たれていく不良ども。
「ゆる忍者の真髄をみせてあげるんだ!」
 敵陣のなか熊猫 福(くまねこ・はっぴー)が姿を現しては消え、目の前の不良を毒に侵し、石化させ、恐怖を苦しみを味わわせていく。
「きゃぁぁ」「ぐぼぉ」「……(石化)」
「降伏しなさい!」
 いい頃合だろうというところでファイディアス・パレオロゴス(ふぁいでぃあす・ぱれおろごす)が叫ぶ。
「さすれば、最低限の治療くらいはしてさしあげましょう」
「ひゃぁぁぁ」「ひゃっはぁ降参だぜ」「……(石化)」
「その上で、本営送還してあげます。その後の処理については、さてどうなることか……」
 うあーん。……あらかた、勝負はついてきたというところ……
「ちっ。おい、敵将はどこだ!」
「さ、参加されてませ……ぐぁ。げぼ!」
 そこでエイミーはもう一ひねり加えてやろうと、「にしてもお前ら、こんなとこでなにやってんだか」
 不良どもに呼びかけた。
「ぱんつ貰って喜んでる場合じゃねぇじゃん?
 ……せっかくS級四天王になるチャンスが転がってんのによ(ニヤリ」
「はっ」「は」「……(石化)。はっ」
 不良どもの動きが止まる。沈黙。
「ちょっ、ちょぉぉぉ……っとぉ!
 今回、参加していないッスぁぁぁぁん」
 サレン・シルフィーユ(されん・しるふぃーゆ)がどこからともなく引き出されてきた。「NPCじゃないんだからその{ bold }{ / bold }で囲う扱いはやめってッス……〜!」
 きらーん。パラ実ども、めいめいにヒャッハーな武器を掲げる。
「あぁぁん、パンツの恩を、この野獣どもめッス〜〜」
「これで俺が四天王や!」「俺だよ、よこせ!」「パンツもう一枚よこせっ」
 そのとき……
「なっ」「何?」
 エイミー、永谷は驚く。
 川を遡上してくる南部の船影だ。
「ああ、罪作りなまでの俺様の美しさ♪」
 南臣光一郎(みなみおみ・こういちろう)が船から飛び立ち、飛び降りると、サレンをさらっていった。
「ああっサレン隊長〜」「すみません欲に目がくらんで……」「俺たちを許してください、そしてパンツくれ〜〜」
 不良どもが遠のいていく。教導団の矢も、船には届かなかった。
 サレンを胸と名前の類似から沙鈴(しゃ・りん)と勘違いした南臣。「対岸まで送ってやるよ。怪我してるみたいだな、プリモ温泉で休みな」
 プリモ温泉が見えてきた。
 さあ、オークスバレー到着だ。