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ＡＮＳＷＥＲ　２４　･･･　捜査方針の問題　赤羽美央（あかばね・みお）

　スコットランドヤードは無能です。
　私、赤羽美央とパートナーのエルム・チノミシル（えるむ・ちのみしる）、他にも何人もの女性を傷つけた模倣犯ニコ・オールドワンドさんを逃してしまった！　のですから。
　最初、このニュースを知った時、冗談かと思いました。事実だとわかると、悔しさで涙がでそうになったり、あいた口がふさがらなくて手で口を閉じたりして、本当に苦労しました。
　私があれだけボロボロになって捕まえたのに、なんで逃がしてしまったんですか？
　マジェスティックの総支配人のラウールさんに抗議しようとしましたが、彼は亡くなってしまって、真の支配者のメロン・ブラック博士はとても悪い人だそうですし、ヤードは役に立たないし
　私は決意しました。自分の力で、もう一度、ニコさんを捕まえます。
　彼の行状は、すでにエリザベート校長やアーデルハイト様にも伝わっているでしょう。どのような処分がくだされるのでしょうね。
　罪は裁かれるべきです。

「では、私は一人で聞き込み捜査をしていますから、ジョセフは、エルムを守ってください。あなたになにかあってもかまいませんから、これ以上、エルムが傷つけられたりしないように、お願いします」
「ミーは、エルムが子供たちと遊んでいるのを側で見守っていマース。でも、美央も気をつけてくだサーイ。街は危険な状態デス。ジョセフは、美央の体も心配デース」
「私は平気です。絶対、ニコさんを捕まえます」
　パートナーの吸血鬼、ジョセフ・テイラー（じょせふ・ていらー）にエルムの護衛を頼みました。
　街へ戻った私たち三人は、囮捜査中にエルムが知り合った子供たちに会いに行きました。
　人なっこいエルムは、すぐにその子たちと仲良くなって、いまは、街一番の大きな教会で一緒に遊んでいます。地下にある秘密の基地へ行くとか。
「エルム。私は捜査に行ってきますから、お友達と遊んでいてくださいね。危ないことはしてはダメですよ」
「うん。みお姉は、悪い人を捕まえに行くんだね。僕は、なんだかよくわからなかったし、僕を刺した人を別にうらんでないけど、捕まえたら、しっかり叱って反省させてあげてね。反省すれば、その人ももう悪いことはしなくなるよね」
　だといいのですが。

　エルム、ジョセフと別れて、一人で捜査にでた私は、さっそく、注意をひかれる言葉を耳にしました。
「放火魔だ！　放火魔がでたぞ。地球人が手当たり次第に火をつけて回ってるぞ」
　街の人たちが、叫んだ少年の指さす方へ駆けていきます。私も走りました。
　ニコさんが今度は、放火をはじめてもなにも不思議はありません。彼は、犯罪王ノーマン・ゲインに心酔して、どうかしてしまっているのですから。
　ケガが痛みますが気にしてられません。
「地球人を殺せ！」
「メロン・ブラックを叩きだせ！」
　興奮気味の街の住民の人たちが私の周囲を怒鳴りながら走っていて、険悪すぎる雰囲気です。