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【2021正月】お正月はハワイで過ごそう!

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【2021正月】お正月はハワイで過ごそう!

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第六章 夜は、これから!

「紗月ったら、私がサンオイル塗ってあげようとしたら、恥ずかしがッちゃって……♪」
「そりゃ、あんな所まで塗ろうとしたら、誰だって照れるさ!そんなコト言ったら、朔、お前なんかビーチバレーで、子供みたいにムキになってたじゃねぇか!」
「だって~。紗月ってば、水着姿で私の視線を誘導しようとするんですもの!ずるいわ♪」
「それはお互い様だろう!」
 残照に照らされた海岸沿いの道を歩きながら、椎堂 紗月(しどう・さつき)鬼崎 朔(きざき・さく)は、今日一日の出来事を思い出していた。
 太陽は既に水平線へと沈み、辺りには、宵闇が迫り始めている。

「なぁ……朔」
「なぁに?」
「今日一日、楽しかったな」
「えぇ。とっても」
 紗月の腕にしなだれかかりながら、歩く朔。
「……ねぇ、紗月」
「うん?」
 足元の白い砂を見つめたまま、朔が口を開く。まるで紗月の顔を見るのが、怖いかのように。
「紗月は本当に……、本当にこんな私でいいの?私は、復讐に人生を賭けた女。私の手は、血に塗れてるわ。あなたは、あなたはそれでも、私と一緒に居てくれるの?こんな『汚い』女と」
それきり、口を噤む朔。二人とも、ゆったりとした歩みを止めようとはしない。
「俺……これからも、ずっと朔と一緒にいたい。それで、それで俺が相応しい男になった時、コレを、指に嵌めたい」
 一言一言噛み締めるように、言葉を紡ぐ紗月。その手は、首から下げたチェーンを握り締めていた。そのチェーンには、リングが通されている。
 同じ物が、朔の首からも下がっていた。昨年のクリスマスに互いに贈りあった、婚約指輪である。
「いつになるかはわかんねぇけど、さ。……待っててくれるか?朔」
「紗月……!」
 突然朔は、紗月の手を、ぎゅっと握り締めた。
「お願い、紗月。手を……。手を、ぎゅっと握って。怖いの……。こんな私が、幸せになってもいいのか……。だから、お願い」
 その言葉に、朔の手を、紗月が握り返す。朔よりも強く、そして包み込むように。
 はっとして、顔を上げる朔。その目を、紗月の優しい眼差しが迎える。
「さつき……!」
 紗月の首にすがりつき、涙を流す朔。
 二人のリングが触れ合い、音を立てた。



「え~、それでは、ライブの成功を祝して、カンパーイ!」
「「「「「「「「「カンパーイ!」」」」」」」」」
 熾月 瑛菜の音頭の下、ローザ達バンドのメンバー、それにライブに参加した生徒達が、一斉にグラスを合わせた。
 ここは、生徒達が止まっているホテルの別館にあるパーティ会場である。今日一日を共に過ごした生徒達に交流を深めてもらおうと、貸切でディナーバイキングが開かれている。
 瑛菜達以外にも、美緒と一緒にダイビングをした生徒や、シズルと修行した生徒達など、多くの生徒が集まっていた。

「うゅ~、葵が、いきなり乱入して、ビックリした、の!」
「だって~、ライブ見てたら、あたしも歌いたくなっちゃったんだも~ん!」
「だからといって、『突撃魔法少女リリカルあおい』はないだろう?ロックに魔法少女というのは、さすがにな」
「そんなコト言ってライザも、途中からノリノリでセッションしてくれたじゃな~い」

「ちょっとローザ!何だよコレ、こんなもんバラまいて!なんでアタシが水兵のカッコして、敬礼してんだよ!米軍のヤツら、みんなコレ持ってたぞ!」
「あら?瑛菜好きでしょ、セーラー服?」
「セーラー違いだ!」

「それじゃ、彼女はただの変質者の手先だった訳ね?」
「ただの……という所はちょっと賛成しかねるけれど、結論から言えば、そうね」
「裏に組織が関わっていなかったのは、安心ですけれど……」
「あの胸がある限り、ストーカーに付け狙われる危険は、変わらないわね」
「しかし、祥子が抜け駆けするような女だったとは思いませんでしたわ。まったく、油断もスキもあったもんじゃありませんわね“」
「その件については、私も同感です」
「な、何よその言い方、アタシはただちょっと――」
「「ちょっと?」」
「スミマセン……」
「まぁいいわ。わたくしの方も、あのコに色々と楽しませてもらったし♪」
「アナタ、何したの?」
「聞きたい?」
「……いえ、遠慮しておくわ」
「それが懸命だと思います」

「リアトリスから聞いたぞ、カレンデュラ?プロモの撮影っていうのはウソだったそうだな?」
「い、いやだな~。ちゃんと撮ったってば~」
「私のパンチラばかりね」
「あの恥辱……オマエにも味合わせてやろう!」
「ま、待て!落ち着け、ルオシン!イダダダッ!か、噛むなスプリングロンド!!」

「シズルさま~!つかさは、つかさは……」
「ちょ、ちょっと……。どうしたの、あなた?」
「いえ、なんでもありません。こうして無事にシズル様の姿が見れただけで、つかさは幸せです。一時は、目がつぶれるかと……。えぇ、えぇ、つかさは強い子ですもの。くじけたりしませんわ!」
「えっと……、話しが見えないんだけど?」
「お!オマエあの時の!大丈夫か?」
「ウルサイッ!」

 ……とにかく、会場のそこかしこで、話に花が咲いていた。


「美緒おねえちゃ~ん!」
ヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)は目当ての人物を認めると、美緒の胸に飛び込んだ。
「てっきりビーチにも来てくれると思ってたのに、美緒おねえちゃん来ないんだもん!ボク、ずっと待ってたのに」
 美緒の胸にうずまったまま、いかにも『がっかり』という表情を浮かべるヴァーナー。
「まぁ……、そうだったんですか……。ごめんなさい、ヴァーナーちゃん。ダイビングに時間がかかって、ビーチで泳ぐ時間がなかったんです」
 本当に済まなそうな顔をする美緒。
「ううん、いいんだ!どうせボク泳げないし、こうして美緒おねえちゃんにも会えたから!そうだ!おねえちゃん、今度ボクに、泳ぎ方教えてよ!ボク、一生懸命頑張るよ!」
「ええ、よろしいですわ。それでは、明日一緒に海に参りましょう」
「ホント!ありがとう、おねぇちゃん!」
 改めて、ギュッと美緒に抱きつくヴァーナー。その拍子に、顔が『スポッ』と胸の谷間にハマってしまった。突然の事に、両手をブンブン振ってもがくヴァーナー。
「だ、大丈夫ですか?」
慌てて、美緒がヴァーナーを引き剥がす。
「ぷ、ぷぁ~。あー、ビックリした!いきなり息が出来なくなっちゃうんだもん」
「ご、ごめんなさい、ビックリしたでしょ?」
やや顔を赤らめて、謝る美緒。美緒が悪い訳ではないのだが、心底済まなそうだ。
「ううん。大丈夫だよ。ボクが悪かったのに、ありがとう、おねぇちゃん。でも、おねぇちゃんのおっぱいすごいね~。ボク、抜けなくなるかと思っちゃったよ」
「ご、ごめんなさい……」
 消え入るような声で、もう一度度謝る美緒。恥ずかしさのあまり、なんと言っていいのか分からないというカンジだ。
「あ!そうだおねぇちゃん!ボクに、ダイビングの話をしてよ!キレイなお魚、イッパイいたんでしょ?」
 子供らしく、話をせがむヴァーナー。胸のコトで美緒が困っているのを察して、わざと話題を変えたのだ。
「は、ハイ。ダイビングのお話ですね。わかりました。えっと――」
 水の中での出来事を、一生懸命に語る美緒。ヴァーナーは、『昼間の分を取り返すんだ!』とばかりに、中々美緒の側を離れようとしなかった。



「お疲れ様、美緒さん」
「だいぶ、懐かれておったようじゃの」
 ようやくヴァーナーから解放され、一息ついた美緒のところにやって来たのは、水心子 緋雨(すいしんし・ひさめ)天津 麻羅(あまつ・まら)の二人である。
 二人には、美緒に直接あって確かめたいことがあった。
「初めまして、美緒さん。私は水心子 緋雨。こっちは私のパートナーの――」
「天津 麻羅じゃ」
「緋雨様と、麻羅様ですね。初めまして。泉美緒です。以後、よろしくお願い致しますわ」
 優雅に会釈をする美緒。その顔を、緋雨と麻羅がじっ……と見つめる。
「ホントに、そっくりね」
「うむ。まさに瓜二つ。双子と言っても良いくらいじゃ」
「双子って……」
 何か思い当たるフシがあったのか、ハッとした顔をする美緒。
「そうよ。美緒さん。私達、美那さんに会ったの。『冒険屋』聞いてない?」
 美那というのは、美緒の妹、泉美那(いずみ・みな)の事である。先日地球からシャンバラ一周旅行に来たのだ。
「冒険屋様……?美那の護衛をして下さった方達ですか?」
 わずかに美緒の身体が緊張したのを、麻羅は見逃さなかった。
「あら、ざ~んねん。美那さんには、『私達のコト、宣伝しておいて』って言っておいたのに」
 肩を竦める緋雨。
「先日、一度だけ美那とは会いましたが、あまりゆっくり話をしている時間がなくて。旅の話は、ほとんど聞いていないのです」
 申し訳なさそうに言う美緒。
「やっぱり二人は、姉妹なの?」
「はい。私と美那とは、双子の兄弟です。ですが、わたくしが小さい頃に海外に留学してしまって、あの子は日本に残ったものですから。いつの間にか、どんどん疎遠になってしまって……」
 美緒は、よどみなく答える。
「美那さんは、今日本に?」
「はい」
「会いにゆかぬのか?」
「はい。美那の方も色々と忙しいようなので。わたくしも、地球には一泊しかいれませんので、今回は、遠慮させて頂きました」
「そう……。色々大変ね」
「いえ。昔から、こうでしたから」
 そう言って、自嘲気味に笑みを浮かべる美緒。
「ところで、『もう視線は感じない』って聞いたけど?」
「ハイ♪地球に来てからは、全く感じなくなりました」
 今度の笑みは、本当に嬉しそうだ。
「そうですわ!わたくし、お二人にお願いしたいことがあるのですけれど、聞いて頂けますでしょうか?」
「お願いって?」
「旅の間の美那の様子を、聞かせて下さいませんか?」
「美那さんの?」
「はい。先ほどもお話しした通り、美那からは旅の話を聞けなかったので。お二人の目に、美那がどのように映ったのか、聞かせて頂きたいんです……ダメでしょうか?」
「ううん、そんなコトはないわ。ねぇ、麻羅」
「もちろんじゃ。普段の妹の姿を知る、よい機会じゃろう。わしらでよければ、喜んで話をするぞ」
「本当ですか!有難うございます!」
 美緒は、深々と頭を下げた。

「どう思う?」
 美緒と別れた二人は、壁に寄りかかって、先ほどの美緒の様子について話し合っていた。ここからなら、会場全体が見渡せる。
「そうじゃの。特に怪しい点はなかったが……」
「『が』、何?」
「強いて言うなら、美緒は美那の話に関しては、妙に構えている風があるな。それに、やたらと美那の話を聞きたがるのも、気になるといえば気になる」
「それは、わたしもそう思う」
「それともう一つ」
「?」
「美緒は、『誰かに見られている』コトを気にして、地球に来た。そうじゃったな」
「うん」
「つまり、自分が誰かに狙われているかも知れない訳じゃ」
「そうね」
「緋雨。もしお主が誰かに狙われているとして、その状態で、家族に会いに行くか?」
「行かないと思う。そんなコトをしたら、家族が巻き込まれてしまうかも知れないもの」
「そう。それが普通の反応じゃ。さて、緋雨。わしが『美那に会いに行かないのか』と尋ねたとき、美緒はなんとゆうておった」
「それは……『時間がないから行かない』って……。そうか!」
「わかったか」
「普通ならココで、『美那を巻き込むかも知れないから、会いに行く訳にはない』と言うハズよね!」
「そういうコトじゃ。無論、単なる言葉のアヤかもしれんし、わしの考え過ぎという可能性ももちろんある。だが、わしの勘が『あの姉妹には何か秘密がある』と告げておる。なんなら、わしのこの『目』を賭けても良い」
「そこまでしなくても、信じるわよ。師匠の言うことだもの。でも……、一体どんな秘密があるのかしらね」
「さぁのう。それが分かるくらいなら、わしは鍛冶の神などやってはおらぬわ。今頃『思兼(おもいかね)』とでも名乗って、高天原でふんぞり返っておるじゃろうて」
「……ちょっと見てみたいかも」
「緋雨。お主、今、一瞬『クスリ』とせんかったか?」
「う、ううん!してないしてない」
「これ緋雨!神に隠し立てをするとは不埒なやつめ!」
「あ~れ~!お怒りをお鎮め下さい大神さま~!」
 頭を抱えながら、わざとらしく逃げまわる緋雨。
 その最中も、『美緒の秘密』が、緋雨の頭から離れることはなかった。



「瑛菜さ~ん、お疲れさまでした~!」
熾月 瑛菜が一人になったスキを逃さず、朝野 未沙(あさの・みさ)は、瑛菜に話しかけた。
 今日のライブですっかり瑛菜のファンになってしまった未沙は、瑛菜と(色んな意味で)関係を深めるべく、チャンスを虎視眈々と狙っていた。
 当初の予定では、部屋に直接押しかけるつもりだったのだが、瑛菜が打ち上げをやるというので、まずはそこで取っかかりを築いておこうと、参加したのである。
「あぁ、未沙!今日は最後まで聴いてくれて、有難う!」
「キャー!瑛菜さんったら、もう私の名前、覚えてくれたんですか!」
「そりゃあもう!最前列で、ずっと手振っててくれたもんな!」
「だって瑛菜ちゃん、スゴくステキだったから……。あたし、すっかりファンになっちゃった♪」
「本当か!それなら、次のライブも絶対来てくれよ、連絡するからさ!」
「もちろん!あ、それじゃ私の連絡先はね……瑛菜のケータイ、赤外線使えるよね?」
 そそくさとケータイを取り出す未沙。だが、彼女が顔を上げた時、瑛菜はホテルのボーイと何事か話している最中だった。
 何か厄介事でも起こったのか、瑛菜は困ったような顔をしている。

「おーい、美緒!」
 しばらくの間ボーイと話をしていた瑛菜は、立ち上がって美緒を呼んだ。
 その瞬間、未沙は背筋を震わせた。何故だか、嫌な予感がする。
「はい?なんでしょう、瑛菜様?」
「いや……それがさー。なんか、今日のライブに来てた米軍の連中が、ホテルにやって来てさ。『瑛菜を出せ!』ってフロントに詰め寄ってるらしいんだよ」
「まぁ……。それは大変ですわね」
 美緒は相槌を打つが、ちっとも大変そうに聞こえない。
「それでさ、呼んじゃっていいかな、アイツら?」
「ハイ!?」
 予想外の事態に目を丸くする未沙。
「まぁ……。その方々をですか」
「いや、ホテルにも迷惑がかかるし、それに今、ライブの打ち上げ中だろ。なら、観に来てくれたあいつらも、呼んでやるのがスジかなー、って」
「確かに、それはそうですわね。さすが瑛菜様、いいお考えですわ♪」
 にっこりと微笑む美緒。
「なんでしたら、こちらでライブの続きをして頂いてもよろしいですわよ。ここなら防音もしっかりしてますし、音響設備も揃ってます。それに別館には、私達以外にお泊りになってる方はいらっしゃらないようですから、少し位なら騒いでも大丈夫だと思います。ホテルの方々には、わたくしからお願いしてみますわ」
「ホントか!」
「えぇ。わたくしも瑛菜さん達の演奏、是非聴いてみたいですもの♪」
「よしっ、決まりだ!おい、オマエ!フロントにいるヤツら、全員ココに連れてこい!ローザ、ライザ、菊、エリー、すぐに楽器持って来い!!二次ライブ、始めるぞぉ!!」
「「「「「イェーーイ!」」」」」
『な、なんてコト……。あ、あたしの計画が……。瑛菜さんと、瑛菜さんと一緒におフロ入ろうと……』
 がっくりと項垂れる未沙。思い描いていたピンク色の妄想が、音を立てて崩れていく。
 あのスタミナの塊みたいな連中が押し寄せて来たら、貫徹はもう決まったようなものだ。
「未沙、オマエも楽器運ぶの手伝ってくれよ!もっかいライブできるんだぜ!」
 はちきれんばかりの瑛菜の笑顔を前に、未沙は、力なく頷くコトしか出来なかった。



 一方その頃――。
 ルカルカ・ルーエース・ラグランツ達射撃訓練組は、エオリア・リュケイオンが腕に縒りをかけて作ったハワイアン料理に、舌づつみを打っていた。
 彼らは元々、ハワイ島で野営するつもりで、装備一式を持ち込んでいた。ホテルのベッドよりも、大自然に包まれて寝袋にくるまる方が、性にあっている面々である。
 エオリアが作ったのは、ラウラウ、シチュー、焼いたウル、タロ芋ペースト、そして豚の丸焼きといった、本場のハワイ料理である。『土地のモノを土地の食べ方で』というエオリアのこだわりだった。
いずれも、初めて作ったとは思えない出来栄えで、クマラ カールッティケーヤなどは、一口食べるたび「ンマー!!」を連発していた。
それでも、ダリル・ガイザックは「ん?このシチュー、少し塩が足りなくないか?」と言ってはいるが、昼にレストランで食べたハワイ料理に比べたら、遥かに文句の量は少ない。
そしてエオリアは、そのいずれをもニコニコして聞いていた。

「あ、流れ星!」
 食後のコーヒーを楽しんでいたメシエ・ヒューヴェリアルがクマラの声に顔を上げると、ちょうど流れ星が消える所だった。
「あーあ、消えちゃった」
 残念そうにクマラが言う。
「流れ星が消えるまでに願い事を3回言うと、願いが叶うそうですよ。以前、日本の友人から聞いた事があります。クマラ、試してみたらどうです?」
「ホント!よーし、がんばるぞー!」
 メシエの話に、必死になって流れ星を探し始めるクマラ。満天の星空を見上げるその目は、まるで星空のようにキラキラと輝いていた。



そして、翌日。

 結局、瑛菜のライブは明け方まで続き、米兵の全員と生徒の大半がそれに参加した。その結果、多くの生徒が二日目はひたすら寝倒して、帰国の時間を迎えたのであった。そして――。

「レイナ、どうしたの?」
「いえ。何か、忘れてるような気がして……」
「忘れ物?」
「はい。スゴく、大切なモノのような気がするんですが……、なんでしょう」

「お客様!起きて下さい、お客様!もう飛行機の出る時間ですよ!」
「んぁ?」
 閃崎 静麻(せんざき・しずま)はこのハワイ旅行中、ひたすら寝て過ごしたのであった――。

担当マスターより

▼担当マスター

神明寺一総

▼マスターコメント

皆さん、明けましておめでとうございます。神明寺です。
いや、一月も終わりになって明けるも何も無いよーな気もするんですが、一応今年最初のシナリオと言う事で。
今回も、お届けが遅くなってしまいました。正直、反省しています。ゴメンなさい(泣)

 今回も、前回に引き続き運営さんから頂いた、閑話休題的なシナリオでした。
 基本的に、殺伐としたシナリオが得意なものですから、今回も色々と試行錯誤の連続だったのですが(得意だからと言って、試行錯誤するのは変わらないのですがgg)、皆さんはいかがだったでしょうか。
 毎度毎度のお願いになって大変恐縮ですが、よろしければ感想スレに感想をお寄せ下さい。よろしくお願い致します。

 うっかりココに色々書いてしまうと、マスターページに書くネタがなくなってしまうので、取りあえず今回はこの辺で。

 それでは皆さん、本年もよろしくお願い致します。

 平成辛卯 冬睦月

  神明寺 一総