リアクション
ぼくの、わたしのペット自慢 「新コーナー、ボクの私のペットコーナーでーす。 このコーナーでは、皆さんのかわいいペットの話題を御紹介していきます。 最初のペット自慢は、カレン・クレスティア(かれん・くれすてぃあ)さんです。 シャレさん、ボクの自慢のとっても可愛いペットの話を聞いて〜。今ボクはわたげうさぎを2匹飼っています。飼っていますって言っても、イルミンスールの中で放し飼いにしてあるから、すごく元気なんだよ。あっちこっち飛び跳ねたりして、いつも寮の部屋の中に戻すのが大変なくらいです。この2匹、ラブラブなカップルなんだよ〜。名前はコットンとラビーって言います。この子達とはイルミンスールの森で出会ったんだけど、実はこの子達、すご〜く複雑な過去があるんです。この2匹は、森のどこかにあるわたげうさぎの国?の出身で、ラビーはその国の貴族のお嬢様、コットンは平民…いや平うさぎの青年なんだけど、2匹は許されざる恋に落ちて駆け落ちしてきたんだって。逃げて来たはいいけど、見知らぬ場所で途方に暮れてる時に、たまたまボクが見つけたみたい。え?、どうしてそんな事が分かるのかって?。目を見れば分かるよ。あのわたげの奥に隠されたつぶらな瞳が、そう語り掛けてきたんです。あ、ちなみにボクも最近気になる男の子がいて、その子と仲良くなったんですが、わたげうさぎですらラブラブな昨今、シャレさんにも浮いた話の一つもありますか〜? えっと……、その子たちって、この間レースに参加してませんでしたっけ? あの子たちに、そんな複雑な過去が……。ほんと? でも、わたげうさぎの国って、どこにあるんでしょうね。 きっとそこには、キングわたげうさぎさんとか、グレートわたげうさぎさんとかがいるんでしょうねえ。それから……」 ★ ★ ★ 「最後の方の質問は、華麗にスルーされたのだな。いや、すでに回答済みというところか」 ジュレール・リーヴェンディ(じゅれーる・りーべんでぃ)が、目の前で机に突っ伏して寝てしまっているカレン・クレスティアを軽くツンツンとつついた。 「本来なら、読まれたと起こしてやるところではあるが、今さら起こしても意味がないのであるからな」 録音していない限り、流れてしまったラジオは巻き戻すことができない。 件のコットンとラビーは、カレン・クレスティアの足許で仲睦まじくぴったりと寄り添って眠っている。飼い主共々、幸せというかなんというか。まあ、よいことなのではあろう。 ★ ★ ★ 「ある雪の日に、貧しい少女は雪だるまと出会いました。 あまりに簡素な雪だるまを不憫に思い、 少女はマフラーを上げてしまいました。 しかし、少女が帰宅すると、 彼女の両親はマフラーを取ってくるよう彼女を叱りました。 少女が渋々雪だるまのもとに戻ると、 突然、雪だるまが動き出し、 彼女にお礼と共に、願いを叶えてあげようと言うのです。 少女は願いました。 「私、色々な所を見てみたいの!」 雪だるまは大きく頷きました。 そして、少女と雪だるまは様々な土地を巡りました。 ある時は樹氷輝く森へ、ある時は凍れる湖畔へ。 しかし、時が過ぎるほどに迫る春の足音。 そして、ついに春の訪れを祝う街の中、 雪だるまは完全に溶けてなくなってしまいました。 少女は嘆き悲しみます。 ただボロボロになってしまったマフラーだけが 雪だるまの存在を誇示しています。 少女はそれを拾い上げると、ふと気が付きました。 マフラーにメッセージが刺繍されていたのです。 「来年、また会おう!」 少女はボロボロのマフラーを大切に首に巻き、 上を見上げて再び歩み始めるのでした。 続きは、雪だるま王国で! (原作・童話スノーマン)」 |
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