リアクション
私のパートナー 「私のパートナーのコーナー ペンネーム、葦原のヘタレさんから。 シャレードさんこんばんは 今回は俺の最愛のパートナーについて相談したく思います パートナーといっても、所謂契約者ではなく、今年年明けに結婚した妻についてですが… 性格・容姿とも可憐でとても可愛らしく、器量よく俺に尽くしてくれる しかも賢く魔術に精通し、料理も上手く…数え出したらキリがない 俺にとっては文句のつけようもない、春先の蒼天に輝く太陽のような妻です 人前でデレデレするのもみっともないと思い、俺なりに自重はしているのですが、会う人の8割は二言目には爆発しろと言う始末 せめて人前でもっと自制するにはどうすればいいのでしょう? というか、この可愛い嫁様の愛情にどうすれば全力で応えられるんでしょう!? 考え出すと夜も眠れず布団の中で転げ回る始末! あーもう、また屋敷の使用人から「また殿がご乱心」とか言われた…どうすればいいんだ!? えーと、皆さん、爆破準備はよろしいでしょうか。 では、ポチッとな。 あ、遙か彼方で今ちゅどーんって聞こえましたね。リア充は滅びました。 パチパチパチ」 ★ ★ ★ 「スイカはほどほど……。って、今の、この前書いた投稿じゃねえか。なんで今ごろ!」 「……、ううーん、どうしたの?」 篠宮悠の大きな声で、隣で寝ていたリース・アルフィンが目を覚ました。 「あ、いや、なんでもないから。寝て、寝て。ほどほど〜、ほどほど〜」 「ほどほど?」 「い、いや、なんでもないない」 半分寝ぼけてきょとんとするリース・アルフィンに、篠宮悠はあわててごまかした。 ★ ★ ★ 「ペンネーム、白黒格闘家さんからのお便りです。 DJシャレードさん、こんばんわ。 …早速ですがオレの悩みを聞いてほしいんです。 オレのパートナーの一人が、その、すっごいワガママなんです。 パシリ、荷物持ちは当たり前。気に入らないと文句ばかり言ってコキ使うし。 この前は深夜にいきなり『ケーキが食べたいわ!』なんて理由で叩き起こされて、ツァンダからヴァイシャリーのケーキ店まで徒歩で往復させられた。(結局本人が寝ぼけてただけだった) お嬢様気分が抜けきってないのか知らないけど、このままじゃこっちの身が持たない! アイツのワガママっぷりを直すために一つ意趣返し…もとい矯正してやりたいのですが、何かいい方法は無いでしょうか? お姫様ですね。 でも、女の子はそういう生き物ですから、対応できないあなたの方に問題があるんですよ。 これはもう、バトラーに転職するしかありませんね。 常に、用意はできておりますと彼女の要求を華麗にこなして尊敬を集めるしかありません。その上で、パートナーに同じことを求めるんですよ。さあ、頑張ってください」 ★ ★ ★ 「む、無理だ……」 ラジオを聞いていた四谷 大助(しや・だいすけ)が、シャレード・ムーンの回答を聞いて思わずそう漏らした。 「いったい、オレはどうすれば……はっ!」 ふいに背後に殺気を感じて、四谷大助は振り返った。いつの間にか、背後にグリムゲーテ・ブラックワンス(ぐりむげーて・ぶらっくわんす)が立っていた。 「ふふ。主人に仇なそうとするなんて、困った使用人ね……。そこを動くんじゃないわよ、大助」 「いやー、ぶたないでえ〜」 なんだか、男女が逆転してしまっている気もする。 「じゃ、プリンをちょうだい」 「えっ?」 グリムゲーテ・ブラックワンスの突然の要求に、四谷大助がきょとんとした。 「姫はプリンを御所望だということよ。知ってるんだから、あなたが私からプリンを隠してるってことを」 見破られている。グリムゲーテ・ブラックワンスが食べ過ぎないようにと、好物のプリンを隠しておいたことを。 「い、いや、それは言いがかりかと……」 四谷大助は、あわててとぼけようとした。 「あら、じゃあ、買ってきて、今すぐ」 「今ですかあ」 もう深夜である。 「あるんでしょ」 「はい」 しぶしぶ四谷大助が認めた。この夜中に、コンビニまでプリンを買いに行かされるよりはましだ。 「じゃ、持ってきて」 「はい、ただいま」 四谷大助が冷蔵庫にプリンを取りにいく。 「ふふっ、ほんとに隠してたんだ。なんだかんだ言って、私のほしいものはちゃんと用意しておいてくれるし。戻ってきてくれたら、半分こしようかな」 楽しそうに待ちながら、グリムゲーテ・ブラックワンスが言った。 |
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