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昼食黙示録

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昼食黙示録

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 葦原明倫学院のお昼時、霧雨 透乃(きりさめ・とうの)緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が空き教室で二人きりで過ごしていた。
「あ〜、やっぱり授業の後のご飯は美味しいね!」
「そうですね」
「それにお酒も美味しいし、申し分ないね! 陽子ちゃんも飲もうよ!」
「ご遠慮いたしますわ、まだ授業もありますし」
 つれないなぁと呟く透乃だが、学校で酒盛りをすること事態大問題だ。
 お酒の匂いが残ってしまえば、間違いなくばれるだろう。
 そんなことはお構いなしに日本酒とお昼ご飯を次々と胃袋に収めていく。
 やっていることは女子高生ではなく、仕事を終えて疲れを癒すために晩酌を楽しむオジサンだ。
 透乃は早めにご飯を少し食べたせいか、すぐに食べ終わってしまう。
 陽子は自分のペースを守りながら、黙々と食事をしていた。
「ふぅ、ごちそうさま。 さて、食後のデザートも頂こうかな?」
「デザート? そんなもの……あの、透乃ちゃん?」
「デザートは、陽子ちゃんだよ!」
「まさか、これをするためにこんな誰も来ない階の空き教室で食事を……?」
「もちろん、大丈夫だよ。 誰も来ないって」
 まだ食事をしている陽子に構わず、透乃は行動に移る。
 陽子の膝に手を乗せて軽く触り、右手をそっと頬に当てると耳に甘噛みをした。
 こそばゆい感覚が陽子を襲うが、抵抗しようとする仕草は見せない。
「抵抗しないの? このまま続けちゃうよ?」
「抵抗したところで、止めていただけるあなたではありませんよね?」
 陽子の言葉を聞いて、それもそうだねと自己完結する透乃。
 今日の午後は少し頑張らなければならないなと感じつつも、陽子は体に流れる電流にそっと身を任せるのであった。


「さて、あれもいいしこれもいいな。……よし、とりあえず気になるものは全部頼んでみるか」
 葦原の食堂、長原 淳二(ながはら・じゅんじ)が券売機であれもこれもとボタンを押していた。
 久々に訪れた食堂なので、食べてみたいものがあるのか手当たり次第に食券を購入する。
 そう考えても一人で食べられる量ではないのに、どんどん注文して計10品もの料理を注文するのであった。
「よし、これでいいだろう。 後は席なんだが……」
 本当にこれ全て食べるんだろうな、というふうに食堂の調理担当のおばさんに睨まれながらも全く気にしていない淳二。
 次なる問題として食べる場所を探していた。
 すると、とある一角で大量の握り飯を黙々と食べている男子生徒の正面の席が空いているのを見つける。
 すかさず淳二はそこへ行き、男子生徒に話しかける。
「すまない、ここは空いているか?」
「ん? 長原か、あぁ大丈夫だぜ」
 淳二が話しかけたのはレギオン・ヴァルザード(れぎおん・う゛ぁるざーど)だ。
 許可をもらって席を確保しつつ、窓口に頼んだ酢豚と唐揚げ、天ぷら定食を持って戻ってきた。
 その量にレギオンは思わず茫然としてしまう。
「何だその量? まさか、一人で食べる気か?」
「あぁ、まぁ。でもそれを言ったらお前だって凄い量の握り飯じゃないか」
「あぁ、ハイナがくれたんだ。 まぁ食費が浮いて楽ではあるが」
 互いに物凄い量の食事を黙々と言葉少なく食事をしていた。
 淳二が持って来た定食三つ食べ終わり、あとの七つの食事に手をつけようとしていると、レギオンは先に完食する。
 そこへ、レギオンのパートナーカノン・エルフィリア(かのん・えるふぃりあ)がやってきた。
 レギオンは気だるそうに彼女に目をやると、後ろに恥ずかしそうに弁当箱を2個持っていた。
「ね、ねぇ。 弁当作ってやったから、食べなさいよ」
「いらねぇ」
「はっ? な、何でよ?」
「もう食った」
「す、少しくらい食べてくれたっていいじゃないか!!」
「いらねぇもんはいらねぇ」
「あんた、人がせっかく……!」
「頼んだ覚えはねぇぞ?」
「そ、それは……」
 どうやらレギオンの弁当を作ってきたようで手渡そうとするが、少し遅かったようだ。
 レギオンはもう満腹なので、素直に受け取りを拒否してしまう。
 カノンからすればせっかく拵えてきたのに、見もしないでのいらない発言に納得できなかった。
 レギオンも包み隠さずの言葉を淡々と言うので、それがますますカノンに怒りを覚えさせる。
 その様子を見ていた淳二は嫌な予感に苛まれるのであった。
「そんな言い方ないじゃない、せめて見るだけでも……」
「いい加減にしろ、しつけぇんだよ。 そんなんだからいつまでも子供なんだよ」
 レギオンのとどめの一撃がカノンの中で何かを切った。
 顔に影を落としつつ、レギオンに対して強烈な殺気を放っている。
「子供だぁ? てめぇこっちが大人しく聞いていると思ったら調子乗りやがって……、ふざけんじゃねぇぞこのクソ野郎!!」
「またか、くそ。 面倒くせェな……」
 カノンはもはや自分を見失っているようで、自らの光条兵器である長剣を取り出してレギオンに斬りかかった。
 レギオンと淳二は行動が早かったのか、二人は軌道上からすぐさま離れる。
 座っていたテーブルは花音の攻撃により真っ二つに切断されるのであった。
 突然の戦闘開始に周りは叫び声を上げ始めた。
 しかしカノンには何も届かず、もはやレギオンしか見えていないようだった。
 レギオンも、斬りかかるカノンに対して備えていた剣を抜いて応戦する。
 淳二も、他の生徒たちが巻き込まれないように避難誘導を開始するのであった。

「遅めに行ったにしては中々良いものが買えたな」
 黒野 奨護(くろの・しょうご)が購買で買った戦利品をみて言葉を漏らす。
 本日は早弁をしてしまったので、お昼に食べるものがなかったので購買に行ったのだ。
 これをどこで食べようかと思案していると、彼の前に空から落とし物が降ってきた。
 何かが落ちてくると分かったので、当たらないところで立ち止まってみる。
 すると彼の前に、机の残骸らしきものがそこにはあった。
 横から何やら騒がしい音が響いていたので、見るとパートナーと思われる男女が一戦構えていたのだ。
 周りにいる生徒たちは巻き添えを食らわないようにと必死でその場を離れていく。
「……中庭にでも行くかな」
 奨護は全くと言っていいほど興味がないのか、そのまま足早にその場を去る。
 結局、この後中庭で戦利品をゆっくりと味わうのであった。


 昼食と言っても形は様々だ。
 あなたはどんな昼食がしたい?

担当マスターより

▼担当マスター

凪社奏真

▼マスターコメント

 どうも、初めましての方は初めまして。 凪社奏真と言います。
 まず一言、リアクション遅れまして本当に申し訳ございませんでした(汗)
 もう色んなアクシデントに見舞われまして、なんて下手な言い訳しても仕方がないですね。
 もうあれだ、駄目ですねこれじゃあ……。
 次からはしっかりと計画的に書かなければならないなと、身を持って実感しました。
 さて、今回の昼食黙示録ですが……。
 タイトルに関してはスル―姿勢で結構です、あまり意味はないです(笑)
 前回の保健室で参加して下さった方につきましては内容を引き継いでいる部分もあります。
 この次でも、参加して下さったなら引っ張れるところは引っ張りますので、その旨をお伝えください。
 何だかんだではありますが、書いている時は本当に楽しいです。
 皆さまのご希望に沿って書くということの難しさに悩んでいますが、そうした時間でも自分の中で充実した時を過ごせていると感じています。
 今回は遅れましたことを心からお詫び申し上げます。
 それから、この度は参加して下さった皆様に感謝の意を送ります。
 また今度、皆さまとお会いしたいと思います。
 それでは今回はこの辺で。
 ありがとうございました。