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えすけーぷふろむすくーる!

リアクション公開中!

えすけーぷふろむすくーる!

リアクション

――特別教室棟2F、図書室にて。

「そっちは何かありました?」
 乱雑に散らばる本を片っ端からペラペラと捲るソーマ・クォックス(そーま・くぉっくす)アドラー・アウィス(あどらー・あうぃす)椿 椎名(つばき・しいな)が話しかける。
「ボクは全然……アー君は?」
「だからアドラーですって……俺も何も無いですね」
「そうですか……」
 椎名がため息を吐いた。図書室の本に仕掛けがしてある、と考えた彼女達は落ちている本を片っ端から調べているのだが、今のところ成果はゼロ。
「やはりヒントも無くやるのは無謀ですよ……」
 アドラーが本の山を見る。既にかなりの時間を費やし、かなりの数を調べた。しかし残る本の数もかなりある。もし2時間全てを費やしていたとしても、足りなかったであろう。
「そうですか……ワタシも調べているのですが……」
 椎名はというと、【ダウジング】で図書室を調べていた。が、こちらも全く反応が無い。
「けどここまでやって諦めるのも駄目だよ。最後まで調べよう」
「そうですね……ワタシも他を調べてみます」
 ソーマに、椎名が弱弱しいが笑みを見せた。
 一方、
「……っと、これでこっちは全部かしら?」
「こっちも一応入れたぜ」
「私も終わったよ」
リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)シルフィスティ・ロスヴァイセ(しるふぃすてぃ・ろすう゛ぁいせ)ハインリヒ・ヴェーゼル(はいんりひ・う゛ぇーぜる)天津 亜衣(あまつ・あい)白瀬 歩夢(しらせ・あゆむ)は倒れた本棚と乱雑に落ちた本を整理していた。
「で、どうだった?」
「うーん……やっぱり駄目だったわ」
 本棚を見てシルフィスティが呟く。
「本の並びを階段状にする、とか試してみたけど特に何も無かったわ」
「私も本棚の隙間とか調べてみたけれど……」
 歩夢ががっかりしたように呟く。彼女達は本棚に仕掛けがあると思い、探していたのだが成果は無かった。
「でも見過ごしてるかもしれないし、もうちょっと探してみるね」
 そう言うと歩夢は再度、本棚に隙間が無いかなど探し出した。
「あーあ、後赤と緑の水晶があれば……」
「色々と危ないから止めなさい」
 【蒼き水晶の杖】を取り出し呟くシルフィスティに、リカインが突っ込む。
「成果なしか……となると爆破できなかったのが本当に残念だな……」
 ハインリヒが呟く。彼としては、何処かで粉末を手に入れ、図書室で粉塵爆破を起こそうと考えていたのであるが、倉庫で捕まってしまった為叶わなかった。
「捕まったのが悪いんじゃない。終わったこと何時までも言わないの。てか、ここ爆破してたら大変だったんじゃないの?」
「……まぁ、確かに」
 亜衣に言われ図書館を見回したハインリヒが頷く。ここは本が大量にありすぎる上、本棚など木造物が多い。大半は吹き飛ぶであろうが、火が多少残るであろうし、その場合窓を割ったとしても脱出に手間取っていただろう。
「けど工兵科としては爆破のロマンってのもあったんだよ!」
「過ぎたことをウジウジ言ってるんじゃないわよ!」
「2人とも、喧嘩はやめるのだ」
「うおっ!? 何か出た!?」
「ひゃっ!? でででで出たぁ!」
 突如現れたウーマ・ンボー(うーま・んぼー)に、ハインリヒと亜衣が声を上げる。
「おい、仲間驚かせてどうする」
 呆れたようにアキュート・クリッパー(あきゅーと・くりっぱー)が言う。
「失敬な。それがしに驚くわけが無かろう? そなたのその格好を見て驚いたのだ」
 不満げにウーマが言う。アキュートは現在、ペナルティによりパンツ一丁の格好をしていた。
「「「いや、それはない」」」
「……解せぬ」
 完全否定されたウーマが不満げに呟く。
「全く……ま、終わったようなら何か読んでるか。時間切れまでまだありそうだしな」
 アキュートが本棚に目をやる。
「ん? 何だこれ……『ヒント』?」
 偶々アキュートが手に取った本には、でかでかと『ヒント』とタイトルが書かれていた。
「……まさかな」
『まさか、ここから出るヒントが載っているわけないだろう』と思いつつも、適当なページを捲るとアキュートの動きが止まる。
「アキュートよ、どうした?」
 ウーマが声をかけるが、アキュートは黙って本を差し出す。
「……何……だ……と……!?」
 差し出された本の中を見たウーマが固まった。
「ん? どうしたんだ?」
「何かあったのかな?」
 その様子に、皆が集まりだす。
 そして開かれたページを見て――固まった。

――※注意! 図書室は所謂『ハズレ部屋』です。いくら何を探そうが何にも無いので、引いた方は残念でしたー。

「これは酷いな……」
「ああ、俺達は元々時間切れまで狙ってたからいいけどよ……」
 ウーマとアキュートが、同情するような目で彼らを見る。

――書かれていた一文を読んで固まった彼らの耳に、終了のチャイムの音が入るのはもう少し後の話である。