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学園祭に火をつけろ!

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学園祭に火をつけろ!
学園祭に火をつけろ! 学園祭に火をつけろ!

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5.――後夜祭にも火をつけろ!





     ◆

 時刻は流れて夕刻。長いようで短く、短かった様で長いイベントが終わろうとしていた。
校内には放送が流れ、文化祭の終了を告げる旨の物が流れている。これから各団体は其々自分たちの担当したブースの片付けをするわけだがしかし、とある放送が響き渡った。
「えー、テステス。どもども、皆さんお疲れ様でした。わたくし、とある団体の代表として今話させていただいているレティシア・ブルーウォーター(れてぃしあ・ぶるーうぉーたー)です。これより二時間後の十九時より、第一運動場で後夜祭、キャンプファイアーを企画しているので、お暇があれば参加いただきたく思います。なお、お客さんとしてお越しくださった一般の皆様も参加可能です。ちゃんと校長先生の許可もいただいているので、ご安心を。後夜祭ではバーベキュー等もこちらで用意していますので、ご参会下されば嬉しく思います。それでは、十九時に第一運動場でお会いできることを。レティシア・ブルーウォーターでした」
 以降、放送に人の言葉が混ざることはなく、よくありがちなBGMが流れ続けている。


 放送室ではレティシアが、パートナーであるミスティ・シューティス(みすてぃ・しゅーてぃす)、後夜祭を実質運営する彼女に協力しているルーシェリア・クレセント(るーしぇりあ・くれせんと)アルトリア・セイバー(あるとりあ・せいばー)へと振り向く。
「ふぅ………こんな感じ、ですかねぇ」
「バッチリですよ! さぁ、これからバーベキューの準備をしなくっちゃ!」
 これからの大仕事に気合いをいれるルーシェリアに、アルトリアが首を傾げた。
「お二方に質問なのですが、これからやるバーベキューの材料はどうするのです? みたところまだ揃っていない様に思いますが………」
「それは――」
 どうやらルーシェリアも細かい話は聞いていないのか、レティシアの方へと向き、無言に答えを求める。
「今、ウォウルさんとラナロックさん、それに数名の方たちがお使いに行ってますから、心配はないですよ」
 クスクスと笑った彼女がしかし、すっくと立ち上がり三人を見る。
「サプライズは時間との勝負! 材料は集まりますが、会場設置は待っていても出来ませんからねぇ、急いで支度、しましょうねぇ」
「え、ちょ!? それって私たちの仕事!?」
「うわわっ、急がないと間に合いませんよぅ!」
「力仕事なら任せるといい! 急げっ」
 慌てながら三人が放送室を後にし、それを笑顔で見送るレティシア。
「ボランティアさんは、結構居ますけどねぇ。って、言う前に行かれちゃ、言えないですもんねぇ」
 ケラケラと、何処か悪戯っぽく笑う彼女もゆっくりその場を後にした。


 校庭に着いた三人が唖然とするのも、まぁ当然と言えば当然の話である。
「ありゃ…………いっぱい人が」
「あぁ、三人とも、此方だよ」
 声を掛けられ、そちらを向くと、そこにはウォウルとラナロックの姿が。
「貴女、バーベキューを担当するんですよねぇ?」
「えぇ、まぁ……はい」
「聖君、ヴァイス君にセリカ君。ちょっとこっちに来て、彼女の指示通り鉄板を運んでくれますか」
「なんだよ、俺この学校の生徒じゃないのに」
「客で来たのに、人使いが荒いねぇ。ま、肉がただで食えるから、手伝いはすいるけどさ」
 ヴァイスと聖がぼやいていると、セリカが二人の肩を抱く。
「良いじゃないか、こう言う繋がりも、悪くない。行くぞ」
「聖、文句言わない頑張ってきなさいよ!」
 璃央が呼ばれた三人を見送りながら大声で応援した。
「さて、任せましたよ。ルーシェリアさん」
「はい! ……って、あれ? 私………名乗りましたっけ?」
「さぁ、どうでしょうね。生憎僕は、記憶力が良くないもので」
 言い残して、ウォウルは違う場所へと手伝いに向かってしまった。
「そこのおねーさん! ちゃっちゃとやって始めようぜ、後夜祭!」
「ルーシェリア殿」
「あ、はい!」
 元気よく支度を始める彼女。どうやらバーベキューは完全に彼女の領分となりそうだ。