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オオカミさんにご用心

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オオカミさんにご用心
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リアクション

 部屋の露天風呂にやってきた3人。
「荀灌やっときた〜! こっちこっち!」
 遅れて更衣室から出てきた荀 灌(じゅん・かん)芦原 郁乃(あはら・いくの)が温泉の中から手招きする。
「ずいぶん時間がかかってましたけど何かありました?」
 秋月 桃花(あきづき・とうか)が心配して声をかける。
「いえ、その……」
 荀灌は恥ずかしそうにもじもじする。
 この3人の中で唯一荀灌だけが体にタオルを巻いていた。
 その仕草を郁乃と桃花がなぜかじっと見つめてくる。
「な、なんですか……?」
「どうしてそんな風に恥ずかしがるわけ?」
 にじり寄ってくる郁乃、荀灌は一歩後ずさった。
「だ、だって……」
 荀灌は胸元でタオルを抑える。
「その恥じらい方……やらしーですね」
 桃花も温泉から上がって、荀灌に近寄っていく。
「わざと? わざとやってるの?」
 じりじりと距離を詰める郁乃。
「お、お姉ちゃんたち……顔が怖いです」
「やあねぇ、そんな事ないわよ。ねえ?」
「ええ、怖くなんかないですよ? ふふ」
 荀灌は後ろを振り返り、脱兎のごとく逃げ出そうとした。
 しかし、すぐに追いつかれ、桃花に後ろから羽交い絞めにされてしまう。
「と、桃花お姉ちゃん!? 助けてくださいよ〜!」
「何もキコエナイですー」
「うわーーん」
 そうしている間に郁乃はスポンジを泡立てていた。
「な、なんで泡なんて……まさか!」
「ふふ、もちろん荀灌ちゃんのみずみずしい肢体をあますところなく隅から隅まで洗わせていただきます!」
「ええ!? いや、ほら、それより……お姉ちゃんたちからオオカミの耳としっぽが生えてるですよ!?」
「ん? この耳としっぽはね? 荀灌を可愛がるためについてるんだよ?」
「わけがわからないですー!」
 話をそらそうとして失敗し、荀灌は涙目になっている。
「さあて、いっぱい泡が出来たよ」
 郁乃はスポンジの泡を両手にいっぱい取ると、手をわきゅわきゅさせながら荀灌に近づいてくる。
「きょ、拒否します! 断固拒否です!!」
「うん、却下♪」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 荀灌の喘ぎ声と叫び声がこだました。
「うぅ……こんなことされて……お嫁にいけないです……ぐす……」
 本当に隅々まで洗われてしまった荀灌はお布団の上に泣きながらつっぷした。
「可愛かったですよ♪」
「うんうん、ごちそうさまでした♪」
 それに比べて桃花と郁乃は大変満足した顔で布団の中に入ったのだった。