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我が子と!

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我が子と!

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〜 last phase 〜


あの仮想都市の事件が終わって数ヶ月……

企画当初よりずっとずっと小さく小規模になった親子シュミレーターの設備の前に
黄泉耶 大姫(よみや・おおひめ)は佇んでいた

 「……本当にいいんですか?姫さん。また……」
 「いいんじゃ。あの子と約束したからのう」

心配そうに付き添い、顔を伺う坂東 久万羅(ばんどう・くまら)を制し、彼女は言葉を返した


あの一件で、この設備を作った企業は責任を感じ使用の中断及び取り壊しを即座に決定した
しかし想像以上に反対の意見が殺到し、管理サイドの困惑の中こうやって設備は建っている

後に公表された理由だが、カップル用の企画だったはずだが
大姫の様に身体的な事情で子を持てない者の利用者も多かったらしく
現在は医療ケア的な意味合いが強い……当然、その分参加には審査が必要になったのだが

健常者であの事件に出会った者の中には、子供のデーターを持ち帰った者もいたようだ
もう少しした未来だとDNAマップである程度は理想の子供も生み出せるらしいから
もしかしたら、未来で本当に会えるという言葉もあながち嘘ではないかもしれない


……しかし、そんな事は大姫にとってはどうでもいい事

あの時、自分はずっと残りの時間を泣いて謝り続けることしかできなかった
さぞかし隣の坂東をさぞかし困らせたに違いない
そしてそんな泣き続ける自分に、清明は消えながら言葉を残していった

 「それでも、どうかまた…千里に会いに来てくださいますか?」

……あの子の温もりは確かに残っている
もはや子を生せない己が体、そんな自分に確かな者は
千里だけが…愛しい我が子という事実

その約束を、今再び果たそうと思った
これを停滞と思う者もいるのかもしれない、坂東もそれを心配してるに違いない

でもそうではないと今なら胸を張って言える……だから

 「ひ、姫さん!?そいつぁ……!?」

大姫の行動に坂東が目を見張る
そこには額の龍面を外し、素顔の大姫がそこにいた

 「素顔で我が子の願いに応えてやりたい
  だから「今」を生きる「黄泉耶大姫」として……今この時だけ面を外そうと思った
  その思いは……やっぱり間違ってるかの、坂東」
 「………いえ、決して」

あの仮初の庭で、かすかに望んでいた事の実現に喜びながら
坂東は彼女の前に立ち、大きな声で案内する


 「さ、行きやしょう!姫さん!……坊がお待ちです!」



担当マスターより

▼担当マスター

OGA-SAN

▼マスターコメント

今回当シナリオを担当させて頂きました、OGA?SANと申します。

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。

今回で2回目のマスタリングになりました
特殊なシナリオだったのと条件枠が特殊な為、参加枠が多くはなかったのですが
なんというか……子供とはいえもう一体キャラを生み出すエネルギーは物凄く
しっかり最後までのビジョンを書かれたアクションが多かったので
それを大切に消化するべく頑張ったら
なんか前以上のどえらいボリュームになってしまいましたとさ(土下座)

そういうわけで今回は心象描写が多く、あまり戦闘がなくてすみません
あとこれ以上拾ったらパンクするので
参加登録していないLCはアクションに名前が書かれていても
心を鬼にして仮想空間外にアウトさせて頂きました
その分限られたキャラの描写を楽しんでいただけたら……と

称号は……今回はそれぞれの生み出してくれた子供様にそっと送りたいので具体的な贈呈はありません
でもその分、別れまでちゃんとアクションを書いてくださった方は拾ったつもりです

最後になりましたが、ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。
また機会がありましたら、お会いできることを楽しみにしています!

では!クリア・エーテル☆(←ちょっとマイブーム


▼マスター個別コメント