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荒野のピストルランチ!

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ノノン救助隊、侵入者す

 ヤンの部屋で傭兵として待機している鵜飼 衛(うかい・まもる)
 傍ではメイスン・ドットハック(めいすん・どっとはっく)がヤンの部下の焼いたお好み焼きを食べている。

「おい、このお好み焼きマズイぞ。作りなおしてこい」
「すみませんネ。わかりましたヨ」

 部下は渋々お好み焼きを作りなおす。

「……なんで、ワタシがこんなことを」
「…傭兵が食ってばかりで良いアルか?」

 ぼそぼそと部下たちが話しているが、衛にははっきり聴こえていた。

「こいつも近接戦闘用の機晶姫じゃ」
「なら、さっきまでいたもう一人の女はどうしタ?」
「なんじゃおぬし、妖蛆が気になるのか? まあ色っぽいからのう、カッカッカッ!」
「ち、ちがうアル!!」

 顔を紅くしたヤンの部下は慌てて否定するが、衛はそれでも笑っている。
 メイスンは出来あがったお好み焼きを食すが、またダメ出しをしてお好み焼きを突き返す。



◇          ◇          ◇




 ヤン一家の屋敷前。佑也の小型飛空艇できたダッドリーたち。

「ここがヤン一家の館……」

 館の門前まで行くと門番に止められる。

「止まレ」
「なにしに来たンダ?」
「なにしに? 俺たちはこれに乗ってこいつを持って来ただけさ」

 エヴァルトは降りてきた小型飛空艇を指さし、苗を門番に見せると門番は本物かどうかじっくり見てくる。
 ニヤリと笑いエヴァルトは門番に対してそれを顔面に叩きつけた。

「ぐほぁ!」
「え!? エヴァルトさん?」

 呆気にとられている門番に黒縄地獄で気絶しない程度にダメージを与る。

「ぐ…あ……」
「痛いよな? これ以上痛くなりたくないだろ? だったら……捕まえている女の子の居場所、教えてくれないか」
「あ、うう……一番上から二番目の…」
「二番目の?」
「あ、あとは……自分で勝手に探セ」

 門番はそれだけ言って気絶してしまった。

「少々痛めつけすぎたか。しょうがない……階数だけでも分かったから良しとするか」

 館へ入っていくエヴァルト。

「エヴァルトさん、どこに行くんだ?」
「どこにって人質のところだが」

 行き先を聞いてきた大吾にエヴァルトはそれだけ言うと館の中へ入って行った。

「行っちゃったね」
「私たちはどういたしましょう」
「エヴァルトさんを追いかけた方が良いですかね」
「いや、俺たちはこの苗を運ぶことに専念しよう。少なくても人質を助けに行く人がいることが分かったしな」

 大吾たちも館へ入っていく。
 それを木の上から見ていた庚。

「救出まで今しばらくかかりそうだな。ノノンとかいう妹を助ければ、絶対異変があるだろ。とりあえずステンバーイ…ステンバーイ」



◇          ◇          ◇




「早く出入口の制圧をしませんと」

 アッシドミストで視界を封じるクレア・シルフィアミッド(くれあ・しるふぃあみっど)

「誰ダ!?」
「侵入者! 侵入者発見!!」

 ヤンの部下がクレアの前に出てくる。

「邪魔ですわ!!」

 出て来た所にサンダーブラストを死なない程度に連続で叩き込んでいくクレア。
 安芸宮 稔(あきみや・みのる)始は終詠唱中で無防備になっているクレアのサポートをする。

「シルフィー、急ぐのは良いのですが、撃ち洩らしがあっては後々大変です。確実に仕留めていきましょう」
「そうですわね。いきますわよ、稔」
「はいシルフィー」

 アシッドミストとサンダーブラストで着実に倒しながら奥へ進んで行く二人。