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荒野のピストルランチ!

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荒野のピストルランチ!

リアクション


乱闘パーティ、始まる

 バーボン一家との乱闘騒ぎの中、四季ランチの面々は談笑を続けていた。

「あはは、面白いねー。あ、これもらうよ?」
「あ! 東雲、これは飲んじゃダメ!!」

 東雲は傍に合ったコップを手に取り、リュキカリアが慌てて止めるのも空しく、中身を確認せず飲んでしまう。

「んふふ……りゅきかりあ〜、なんか言ったー?」
「あぁ……それ、お酒だから止めたかったのに……」
「あははははは! いちばん、東雲! 歌いまーす!!」

 酒を飲んでしまい正体をなくした東雲は、銃弾が飛び交う中立ち上がり、全力で歌いだした。
 東雲の歌は激励となり、さらに乱闘をヒートアップさせてしまった……。

「東雲! 危ないから歌うのを止めて!!」
「やーだよー。もっと歌うもん!!」

 リキュカリアは慌てて東雲の歌を止めようとするが、騒ぎは大きくなる一方。



 恋人のセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)とステーキランチを食べていたセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)

「このステーキランチは美味しいけど、後ろの方はうるさいねー」
「確かにうるさいけれど、無視できない騒がしさではないわね」



ズガンッ



 砲弾がセレンフィリティのステーキランチに直撃し、木端微塵に消え去った。
 肩をブルブルふるわせているセレンフィリティ。

「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!」


 けたたましく哄笑を上げ、二丁のマシンピストルを抜き出しジャキンッとコックした。

「バーボンだかウィスキーボンボンだか知らないけど、人様のランチを邪魔する奴は死刑だー!!!」


 コートを翻し妖艶な肢体を踊らせて敵中へ飛び込むセレンフィリティ。

「……私、知らないわよ」

 ボソッと呟くき、セレアナもセレンフィリティと同様の妖艶な姿で敵中に飛び込んでいった。

「あたしのステーキランチ返せ!」

 セレンフィリティの背後を守るようにセレアナは立ち、歴戦の防御術と女王の加護をかける。
 それを受けセレンフィリティは二丁拳銃でマシンピストルを乱射して敵を薙ぎ倒していく。

「セレアナ、ありがと! いっくよーっブッ殺すブッ壊すブッつぶーす!!」

 セレアナも武器の聖化を自分にかけると、シーリングランスやライトニングランスで片っ端から倒していった。

 セレンフィリティの陽動射撃で撹乱した敵がセレアナのライトニングランスで吹き飛んだり、倒れたテーブルなどを遮蔽物にスナイプで天井の照明を狙撃し、敵の頭上に落としたりしているセレンフィリティとセレアナの戦いを眺めている和輝たち。

「あ〜、ダメだな。あんな攻撃じゃあ、直ぐに―――ほら、言わんこっちゃない」

 食べながら闘い方について呟く和輝。飛んでくるモノに対してスウェーで回避したり、銃で撃ち落したりしている。

「もー訳が分からないよ」

 アニスは自分を包み込むだけの大きさしかない結界を張り、式神の術で式神化したキュゥべえのぬいぐるみに飛んでくるモノに対して身体を張った盾となってもらいながら、今後の為にと料理研究を続けている。

「ああいう輩の対応は面倒この上なし、よ」

 足元で、行儀良く待機している賢狼に、スノーは吟味した食べさせるものを手ずから上げたりして無関心を貫き通している。
 それでも飛んでくるモノには、立てかけてある槍を何気ない動作で動かして撃ち返したりしていた。



ドガシャンッ



 セレンフィリティたちの騒動で飛んで来た敵が、食事中のアランとクライブのテーブルに落ちてくる。
 それはそれはちょうど二人の料理の真上に。

「やはり、我慢なりません……っ!」
「もう我慢できねぇ……!!」

 食事を台無しにされ、怒り奮える二人。

「おい、そのこ兄弟!」

 クライブは縛られたままのバーニィに声をかける。

「こんな騒がしくした原因はヤン一家が原因なんだよな。その、奪ってきた物を預けてくれねぇか? そいつらをボコボコにして、目の前でこいつを燃やさないと気がすまねー!」
「で、でも…それがないとノノンは」
「安心してください。八つ当たり・・いえ。ついでに妹さんを助けて来ますので」
「そうそう、安心しな! 妹はついでに助けてやるよ!」

 バーニィから麻薬の苗を半ば強引に受け取った。

「よし、ちゃっちゃと行くとするか!」