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チャイルド☆パニック

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チャイルド☆パニック

リアクション

 着せ替え人形で遊んでいる寿々、桃花、保住の三人。

「この子にはこの服が似合うと思うんだー」
「じゃあ、こっちの子にはこれ!」
「ふふっ二人とも可愛い洋服を着せましたわね」
「保住おねえちゃんのも見せてー」
「はい。こんな風に着せてみましたわ」

 お互いに着せた人形を見せ合いっこしていると、そこへ人数を増やす為に行動していたクトたちがやってくる。

「ねぇ、遊んでいるところ悪いんだけどさぁ」
「一緒にサッカーやらないか?」
「サッカー?」
「ええ。今5人しかいなくて……良かったらどうかなって」
「サッカーかぁ。どうする?」

 保住は体を動かす事は良い事だと言い、桃花も楽しそうだと言ったこともあり、クトたちとサッカーをすることにした寿々。
 ただし、保住に言われきちんと後片付けをしてから。



◇          ◇          ◇




 廊下を歩いているしーのと美虎。

「美虎さんは小さくて、女の子みたいでかわいいねえ」
「なにを言う。しーのも人の事は言えないだろう」
「俺は昔懐かしい、ガリッガリのモヤシだよ。……しかし流石パラミタ。なんでもありだなぁ」
「そうだな。しかし、文字通り子供帰りするとは、面妖な……」

 たわいもない事を話していると、しーのは前方にシーファを引っ張るようにして廊下を歩いているマリーがいるのを見つけた。

「あれ? あそこにいるのはまさか……間違いない、あのもふもふの耳は……シーちゃんだ!」

 ふるふると震えるしーの。

「シーちゃん可愛い……! 耳可愛い……! もふりたい! もふる……!」
「あ、こら! しーの、そんな細い身体で走るな!」

 ダッと駆けていくしーのとそんなしーのを不安に思い追いかけていく美虎。

「シーちゃん!」

 ガバリと後ろから抱きしめるしーのをそのままにして、顔だけシーファはしーのの方に向ける。
 身長的にはシーファの方が10cm近く大きく、はたからすればしーのはまるでシーファにぶら下がっているように見えた。

「こんなことをするのはしーのしかいねぇし……てかしーのであってるか?」
「当たり! そっちの子はパートナーの……」
「違うよー僕は……えっと、マリー」
「そうなの?」
「あーそう……そうだ。マリーは子供になってから知り合い仲良くなったんだよ。相方は何処か行った様で見つからねぇんだ」

 見た目が男の子っぽい女の子という感じで、シーファはもう少しマシな名前を思いつかなかったのかと少々呆れる。

「しーの、急に走ったりするな!」
「ごめんごめん。シーちゃんを見つけたらつい……」
「まったく。はぁ……」

 パラミタに来るまで入退院を繰り返していたしーのを心配する美虎。しかし、本人はそこまで気にしてないようだ。

「ねーねー、ここで立ち話もなんだしーどっかゆっくりできるようなとこを探そーよー」
「そうだな」
「しーちゃ……えっと、ごほっげほっ。しーのだっけ? もそれでーよね」

 思わずいつも呼んでいる呼び方『しーちゃん』で呼びそうになるマリーだが、すぐに自分は架空の子供だった事を思い出し変にごもってしまう。
 それをフォローするようにシーファは口を開く。

「こいつあだ名付けるの好きみたいだから、しーちゃんって呼んでも良いよな。美虎も」
「同じ呼び方する子、他にもいたんだ。ふふっ良いよ、そう呼んでも。ね、美虎さん」
「美虎っていうんだ。じゃあ、みーちゃんだね。よろしく!」

 マリーは美虎と握手し、ゆっくりできるような部屋を捜し始めた。