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【第二話】激闘! ツァンダ上空

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【第二話】激闘! ツァンダ上空

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 蒼空学園の施設らしく、イーグリット・アサルトを中心にステルス仕様のプラヴァーが散見される機体編成の迎撃部隊がフリューゲル相手に果敢に抵抗を続ける中、ひときわ目を引く機体があった。
 かつて量産機として活躍し、既にプラヴァーにその役目を譲り終えた第一世代の機体――クェイル
 最新技術や様々な工夫のなされたカスタム技術が所狭しと詰め込まれた最新鋭機や、それほどではないにしても第二世代に属する機体が数多くひしめき、もはや第二世代機が標準となったこの戦場において、クェイルの姿は異質なまでの存在感を放っていた。
 現代戦に、しかも殆どカスタムもされていないクェイルが出撃しているというだけでも驚きだが、更に驚くべきことに、なんとそのクェイルは敵味方ともに最新鋭機がひしめくこの戦場において、次々とイーグリット・アサルトやステルス仕様プラヴァーが撃墜される中、なんと現在も生き残っているのだ。
 これもひとえにパイロットの腕のおかげだろう。
「援軍が来るまで少しでも長く持ち堪えてやる。それが奴らにしてや唯一の抵抗かもしれない――」
 数多くの視線を集めるクェイルのコクピットで、静かな声がら激しい闘志を込めて呟いたのは、青葉 旭(あおば・あきら)だ。
 旭は前回の戦闘に参加した仲間たちより提供された情報から、過去の戦い方を参考に、敵の動きを警戒し、攻撃をかわしつつロングレンジの敵の懐に入る事を狙っていた。
「――だがそれだけでは気がすまない、せめて一騎、腕の一本くらいは潰してやらねば」
 静かな闘志を更に燃え上がらせて、旭は操縦桿を握り直す。
 そんな彼に声をかけたのは、サブパイロットシートに座る相棒――山野 にゃん子(やまの・にゃんこ)である。
「旭くんのパイロットとしての技量は確かに高いけど、あくまでクェイルなんだから無茶しないでね」
 冷静に旭を窘めるにゃん子。
 その直後、クェイルのすぐ横をフリューゲルのプラズマライフルから発射されたビームの銃撃が直撃し、巨大なクレーターを深々と穿つ。
「無茶せずにこの場は解決できないだろう。だから、まずは何としても懐に入り込む――」
 窘めたつもりがかえって旭の闘志に火を付けてしまったようだ。
 すっかり闘志に火の付いた旭は勢い良くペダルを踏み込んでクェイルをダッシュさせる。
 今、この戦場で最も目立つ第一世代機はは試算上のスペックとはいえ第六世代に属する機体へと突撃を敢行していくのだった。