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リアクション
「18回戦、自称年中ハロウィンチーム 不動 煙(ふどう・けむい)さん対イルミンスールかるた会 シャノン・エルクストン(しゃのん・えるくすとん)さん。前に出て下さい」
優勝してフライングハンバーガーモンスターのサインをもらいたいシャノン。
煙にむりやりそばにいさせられている不動 冥利(ふどう・みょうり)。
「皆に言っておくよ! 煙にぃにむりやりつれてこられt……むぐぐっ」
「なんでもないよぉ。(さっさと人魚の唄を唄え♪)」
冥利の言葉を誤魔化し、人魚の唄を歌わせる煙。
煙も人魚の唄を歌いながら、シャノンの自爆を待つ。
ネットと伝聞、そして一夜漬けの知識と勘を頼りに札を取りに行く。
「正気度マックスなあたしに死角はないのよ!」
正気度12のシャノンに人魚の唄の効果は微々たるもの。
思ったよりも効果のない人魚の唄に、煙は上着を脱ぎ出す。
「ダダダ☆ダイダイ☆ダイナマイト☆」
ばさぁっと肌を露出させた煙。
しかし、威力はさほどない。
そのままシャノンが札を取り続け、発狂判定へ。
「な、なんてずぶとい神経の持ち主なのぉ……」
「な、なにをしに来たのかしら? あたしは6・6が出なければ負けることはないわね。それ」
シャノンに続いて煙もサイコロを振る。
どちらも発狂することなく、シャノンは第二試合へ、煙は敗者復活戦となる。
「19回戦、海京かるた会 セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)さん対イルミンスールかるた会 ルカルカ・ルーさん。前に出て下さい」
会場へ出てくるセレンフィリティとルカルカ。
観客席ではハラハラしながらセレンフィリティを見守るセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)が最前列に座っていた。
「もしかすると、最悪の場合、セレンが発狂して自傷行為に及ぶとか、自殺を図ったりするのでは……ううん、もしかすると、そんな想像をすること自体、すでにかるた大会の狂気をはらんだ空気に感染しているのかもしれないわ。セレン……大丈夫かしら」
そこから離れた場所では、フランチェスカの発狂からエリザベートを守ったカルキノスがいつでも動けるようにしたままルカルカを応援している。
セレアナの心配を知っているのかいないのか、セレンフィリティは記憶術で並べられた全てのかるたを頭に叩き込み、封印解凍で普段眠れる能力を最大限に引き出し、主に反射神経と集中力を強化させた。
「(とにかく反応速度と正確な記憶がカギよね)」
完全に暗記したかるたの配置とあわせて、読み上げられた際の反応速度を上昇させたセレンフィリティがまずは攻めていく。
「(必要なのは記憶と速度ね)」
百人一首の経験を活かし、置かれた札の頭三文字までを見て配置を覚えたルカルカ。
「(下の句にけっこうクトゥルフ関係の語句があるわね。この語句ならきっと上の句は……)」
博識で憶測していたルカルカの読み通り、上の句が詠まれる。
「ビンゴ!」
試合前にゴッドスピードと疾風迅雷に疾風怒濤の三段階スピードアップしたルカルカが札を吹き飛ばす。
封印解凍の負荷が後半から響き、ルカルカが勝利を手にする。
「あたし、『女の子の体のヒミツ』を借りるよ! ルカルカはああだし、これで第二試合へ進めるよね」
セレンフィリティがルカルカを見ると、ルカルカの心はセラエノの図書館に飛んでいた。
「なんて凄い図書館……全ての知識がここに有るわ。ここならパラミタを救う方法もある。イルミンスールから繋がっていたなんて……エリー、カルキもおいでよ」
うっとりとした表情でエリザベートとカルキノスを呼ぶ。
「しっかりしろ! ここには何もないぞ!!」
カルキノスがルカルカを前後に揺さぶる。
「すごい……すごいわぁ」
「えぇい、これでも食って正気に返れ!!」
カルキノスにお菓子を口に突っ込まれて我に帰るルカルカ。
「あぁ〜せっかくの知識がぁ……」
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