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『C』 ~Crisis of the Contractors~(後編)

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『C』 ~Crisis of the Contractors~(後編)

リアクション

――トーナメントイコン部門二回戦――

 
 トニトルス対魂剛

 互いに、愚直に真正面から接近、近接戦闘を繰り広げた。接戦を繰り広げたものの魂剛が上回り、魂剛が勝利。

 
 ゼノガイスト対第六天魔王

 第六天魔王がウィッチクラフトキャノンで先制をかけるも、ゼノガイストがビームアサルトライフルを連射。射線軸をずらされ、その隙にゼノガイストが接近、嵐の儀式、エアブラスター、クラッシュバイトで応戦するも、リミッター解除で加速し、アクセルギアで思考も加速させた真司が駆る機体を捉えられず。ゼノガイストの勝利。


 レイヴンTYPE―C対メイクリヒカイト‐Bst

「ここを越えれば準決勝! 頑張っていくわよ! そしてテストパイロットの座を頂くわ!」
「そんな簡単には、テストパイロットになれるとは思わないんだけどなぁ……」
 息巻く杏にため息をつく早苗。
「思いっきり飛ばしていくよフェル」
「了解」
 戦闘開始の合図。お互いに距離を取る。
「行くわよ!」
 ガトリングガンとミサイルポッドを速射するレイヴンTYPE―Cに対し、様子を見つつ、レイヴンの攻撃を回避。レーザーマシンガンで牽制する。
「その程度で止められると思わないで!」
 レイヴンTYPE―Cは素早く動き、牽制射撃をかわしながら乱射する。
「遠距離による火力押し……。模擬戦のときと同じです」
「なら、一気に行くわよ!」
 フェルの実践的感覚、メンタルアサルトでレイヴンTYPE―Cにメイクリヒカイト‐Bstとの間合いを把握させないように動く。
「行くよ、メイクリヒカイト……ワタシの翼!」
 加速するメイクリヒカイト‐Bst。
「わわっ! 敵が高速接近してきますー!」
「落ち着きなさい!」
 メイクリヒカイト‐Bstは新式ビームサーベルを構え、レイヴンTYPE?Cの間合いへと踏み込む。
「やった、ひっかかりましたぁ」
 だが、そこで、レイヴンTYPE―Cはコロージョン・グレネードを投擲。
「うそ!? まさか今までワザと距離を取って……!」
「……!」
「さぁ、終わらせてやるわ!」
 すでにレイヴンTYPE―Cは距離を置き、サイコビームキャノンを構え始めている。
「ここまで……!」
 リオが呟く。だが、それに反してメイクリヒカイト‐Bstは瞬時に回避行動に移行。グレネードを回避して見せた。
「え……!」
 動かしたのはフェルクレールト。だが、本人すらもちゃんと理解していないのか驚いている。
「……? 今、なんで攻撃が来るのが判った?」
 グレネードが投擲された瞬間、無意識にディメンションサイトが発動。その時からすでにメイクリヒカイト‐Bstは回避行動に移行していたのだった。
「うそっ!? 避けられたの!?」
「フェル! チャンスよ!」
 リオの言葉に我に返るフェルクレート。レイヴンTYPE―Cの構えるサイコビームキャノンの射線軸からはずれ、ミサイルポッドを自分後方に射出。追加行動で一気に間合いを詰める。
「あっ、しまった!!」
 避けられた事に驚き、反応が遅れたレイヴンTYPE―C。メイクリヒカイト‐Bstはリミッター解除からのフルスロットル。
「羽ばたけ!」
 大推力で風斬剣でレイヴンTYPE―Cを斬り上げ、そのまま離脱。動きの止まったレイヴンTYPE―Cに自機の後ろを飛んでいたミサイルがトドメとばかりに突き刺さる。そして、完全にレイヴンTYPE―Cは機能停止した。


 ラードゥガ対フィーニクス・ストライカー/F

『お二人とも、お手柔らかにお願いしますね』
『……お願いします』
『えぇ、よろしく』
「…………」
「ジヴァ?」
 サーシャ達からの通信が入っても黙り続けているジヴァ。気になったイーリャが声をかける。
『……あんた達』
 不意にジヴァが口を開いた。
『はい、なんでしょうか?』
『あたしの本来の適正はBMI機。あんた達と同じよ。でも乗るのはフィーニクス』
『……なぜBMI機を使わないのですか? 全力でやる気がないと?』
『そんな事はないわ。これは自分で考え、選び、掴みとった誇りだから。近い将来、あんたたちの力を利用しようって声をかけてくる奴等が必ず出てくる……』
『……はい』
『甘い言葉に流されるんじゃないわよ。よく考えて、自分の頭で考えて、選択しなさい』
『ジヴァ……』
『……なるほど、その機体を選んだのは自分の考えあって……そして、その選択が自分の誇りであると……』
『…………』
『面白いですね。あなたの言葉、しっかりと刻みました。ご忠告感謝いたします』
『……ありがとう、ございます』
『ですが、勝負とその話は別……全力で行かせていただきます!』
『えぇ、かかってきなさい!』
 戦闘開始の合図が響く。
「イーリャ、行くわよ!」
「えぇ、いつでも!」
 フィーニクスは飛行形態で空へ。
「姉さん、行きましょう!」
「……うん!」
 空を翔るフィーニクスに対し、片膝をつき、ビームアサルトライフルを構える。
「……撃つ」
 ばら撒いたりするのではなく、精密にフィーニクスを狙った三点バースト。
「これで……!」
 アクセルギアで加速し、射撃を回避。
「……もう一度」
 再び精密射撃。フィーニクスも負けじと加速して回避。
「お返しよ!」
 フィーニクスがレーザーライフル、キャノンを連射。
「姉さん、来ます」
 すぐさま、構えを解き、回避。だが、何かがラードゥガの脚部に命中。それはラードゥガの死角へと放たれていたミサイルポッド。
「……!」
「なっ! いつの間に……」
「……脚部軽微、問題なし」
「なるほど、高火力の武装で引き付けて、別の本命を当てる。そういうことでしたか」
「……やる」
 ラードゥガがコロージョン・グレネードをフィーニクス向けて投擲。
「そんなもの投げて当たるとでも思っているの?」
 フィーニクスはすぐに旋回し回避。だが、強い衝撃が襲う。
「なに!?」
「ライフル命中……!」
 ラードゥガはアクセルギアで加速、グレネードを投げた瞬間にライフルを構え、回避方向向けて撃つという似たような事をしてみせた。
「まさか仕返されるとわね!」
「……ヒット」
「さすがだね、姉さん」
「……照れる」
「イーリャ、一気に行くわよ!」
「了解!」
 再び、ツインレーザーライフル、ショルダーキャノンを撃つ、死角向けてミサイルポッドを撃つ。フィーニクス。
「二度も同じ手は……!」
 思考加速。全ての攻撃を回避してみせるラードゥガ。遅く流れる時間の中で、相手の攻撃を全て正確に把握した。だが、そこに大きな見落としがあった。
『さすがね。でも、残念。あなた達の負けよ』
 いつの間にかフィーニクスは人型に変形。至近距離でライフルをラードゥガの後頭部へと突きつけていた。
『死角へと向けたミサイルさえもブラフに使いましたか』
『えぇ、このぐらいやらないと接近しているのに気づかれるでしょ?』
『確かに、お見事。僕達の負けです』