なし

リアクション

終章

　高円寺　海（こうえんじ・かい）は杜守　柚（ともり・ゆず）、杜守　三月（ともり・みつき）の元にやってきた。
　海は『至高のメロンパン』を６つ持ってきた。
　ルカルカ・ルー（るかるか・るー）とコード・イレブンナイン（こーど・いれぶんないん）が１つずつ分けてくれたのだ。

　ルカルカとコードはキロス・コンモドゥス（きろす・こんもどぅす）にも１つずつ渡していた。
　『至高のメロンパン』を７つ持って、キロスは保健室にやってきた。


　そこには雅羅・サンダース三世（まさら・さんだーすざさーど）がいた。

　　「雅羅、保健室にいたのか？　メロンパンは買えたのか？」
　　「買えてないわよ！」
　　「怪我でもしたのか？」
　　「してないわよ！　してないのよ？！」

　雅羅の話しによるとこうである。”たゆんたゆん”とおちょくられた後、雅羅は床の”何か”につまずいてしまった。
それはちょっとしたふらつきの程度だったのだが――それを見ていた人々がやってきて、雅羅を”保健室送り”にしたと。

　　「足を捻ったんじゃないかとか、貧血なんじゃないかとか、骨盤が歪んでるだとか！」
　　「災難体質が出たってわけか」

　　「雅羅さん！」
　やってきたのは想詠　夢悠（おもなが・ゆめちか）だ。
　購買に来ない雅羅を心配して、人づてに保健室に送られた話を聞いてやってきたのだ。
　夢悠は雅羅に『至高のメロンパン』を１つ手渡そうとした。

　最初、雅羅は遠慮してもらおうとしなかった。
　キロスはそんな夢悠と雅羅の前に自分の持ってきた『至高のメロンパン』を一つ出すと、それを半分に割って２人に手渡した。

　　「オレ達は３人。一人２つにすると１つ余るからな。こうすると夢悠と雅羅は１．５個ずつになるだろう？」
　キロスは雅羅に夢悠からメロンパンをもらうように目でうながした。
　　「たゆんたゆんの詫びだと思ってくれ。”事実の指摘”に詫びなんて渡すのは今回だけだから、な？」
　”事実の指摘”に反応した雅羅の攻撃に夢悠を盾としてかわしたキロスは”本来の目的”を果たしに来た。

　保健室にいるアルテミス・カリスト（あるてみす・かりすと）に『至高のメロンパン』を渡しに来たのだ。

　キロスは自分が４つ購買で買えたこと。小鳥遊　美羽（たかなし・みわ）に１つもらったこと。
　ルカルカとコードから２つもらったこと。全部で７つになるので１つは夢悠と雅羅に渡したことを告げた。

　　「オレ達の分け前は１人２つになるんだが……体調はどうだ？　熱があるのか？」
　キロスは紅潮しているアルテミスの顔を見て、心配しているようだ。
　　「いえ……あの……キロスさん、風邪でも病気でもなくて……」

　　「フハハハ！　キロスよ！　アルテミスは怪我でもないぞ！」
　仕切りの向こうからドクター・ハデス（どくたー・はです）が姿を見せた。
　　「怪我をしたのは俺の方だ！　すぐに治してもらったがな」

　ドクター・ハデスも保健室送りにされていたようだ。

　　「我ら秘密結社オリュンポスにもたらされし『至高のメロンパン』、世界征服の贄としてまずこの舌で調べつくしてやろう！」