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砦に侵入するは女体化男子!?

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砦に侵入するは女体化男子!?

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お宝探し隊

 隠形の術に壁抜けの術、隠れ身で姿を消し、状況把握と没収された全員の武装を探すソラン・ジーバルス(そらん・じーばるす)
 その隣には子どたち救出の為に動いていた芭柘美がいる。

「んー。なかなか武器庫みないな部屋がないねー」
「そうだね。早く見つけてみんなに返さなきゃ。……! ストップ」

 2人の巡回者を見つけたソランがストップをかける。
 目と目で頷き合い、ソランは手刀とブラインドナイブスで、芭柘美は毒付きナイフを歴戦の武術と急所狙いを用いて撃破した。

「ここに隠しておく?」
「そうだね」

 近くにあった二枚戸のドアを芭柘美がピッキングで開けて中へ入る。
 そこにはいろいろな武器が無造作に置かれていた。

「みっけ!」
「取りあえず、この縄で縛っておこうか」
「うん。あ、一応念の為にさるぐつわも」

 下っ端の手足と口を拘束して部屋の隅に転がしておく。
 しかし、芭柘美たちの仲間を呼ぶ為に部屋を出る際、別の巡回者に見つかり、ダオザの連中を呼ばれてしまった。

「巡回なんてやってらんないとは思ったけど、こんな場所で女の子と出会うなんてラッキー」
「俺たちだってヤりたいっつーの」

 下っ端で女性に触る事が出来ていなかった連中はここぞとばかりに触ったりする。
 身体をあちこち触られてイラつているソラン。

「(ハーコー、助けに来てよー。私怒ってこいつらの股を蹴り潰したくなるよー。と言うか身体触られたくないよー)」
「後ろから抱きついてこないでよ!」

 嫌悪感を隠さず芭柘美が叫ぶと、神速と先の先でドアの近くにいた男を蹴り飛ばしハイコド・ジーバルス(はいこど・じーばるす)が乱入してくる。

「ソラ、迎えに来た」
「ハコ!」

 ソランを見つけ、ハイコドがそちらへ行こうとしたところ、芭柘美を盾に取られる。

「う、動くな! こいつに傷がついても良いのか!?」
「ちょっいい加減に……!」

 またもや盾に取られた芭柘美がちょろまかした毒付きテーブルナイフで切りつける前に、ハイコドの肩義手のエネルギー弾で人質を取った男の眉間が撃ち抜かれる。

「……え?」

 眉間から血を噴き出しながら倒れる男に驚く芭柘美。
 そんな芭柘美など見えていないようにハイコド等活地獄と雷霆の拳でラッシュしていく。

「……? ハコ……? どうしたの、何してるの? そんなことしないで!」

 ソランの声が聴こえないのか、ハイコドのラッシュは続く。

「ソラ、早く俺の後ろに戻ってこい」
「何でそんな事を言うの!? 私達隣に並んで戦ってたでしょ!?」

 ハイコドの暴行を必死で止めようとするソラン。
 この空間にいた敵を撃破したハイコド。

「もうやめて!」

 ソランは、以前戦った契約者との戦いでぼろ負けしたハイコドが、家族を守るため力ではなく守りたい物以外消せる力へと目指す物が変わってしまったことを知らず豹変した彼をきつく抱きしめる。

「アイツラ、殺す……!」
「ハコ! もう良いのっ。私は無事だよ! ねぇ!!」

 ソランが言い聞かせるよう何度もハイコドの耳にささやいて行く。
 暴走が収まるように、ようやくハイコドはソランを視界的に認識する。

「ソラ?」
「良かった! ハコ、私は無事だよ。大丈夫だよ」
「良かった……本当に良かった……」

 二人が熱い抱擁をしているのを見て、芭柘美はそっとこの部屋から出ていき本来の目的である子供たちを探しに行った。



◇          ◇          ◇




 薄暗い廊下。
 その通路の壁に追い込まれているのはダオザの下っ端。

「ダオザの宝の場所、教えてくれるでありますか?」
「い、言うものか!」
「まだ、口を割らないですか。なら、もっと痛い事をして吐かせるまでです」
「!? 言う、言うから! これ以上は!!」

 葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)があちこちでちょろまかしたモノを使ったり、噛みついたりして脅されたことを思い出し震えあがる下っ端。
 フォークが目に当たる直前で、下っ端は宝の在処をついに吐いた。

「そうですか、もう用済みであります」

 聞くだけ聞くと投げ技で頭から落として気絶させる。

「くーくっく馬鹿めワザと捕まってやったことに気づかぬとは」

 ひとしきり笑うと耳を済ませる吹雪。

「……さてそろそろ仕事に掛かるでありますか」

 内部が混乱の極みに達したと感じた吹雪は吐かせた宝物庫から、一番高そうな財宝を奪って砦からさっさと抜け出すのだった。